イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia 日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより

銀行よりもCOOPで貯金

 イタリアに来てから、一度だけ銀行口座を開いたことがあるのですが、約1年後に解約したように覚えています。日本で、郵便局でも銀行でも、口座を持つには費用が一切かからず、定期預金をして、時々ティッシュやタオルさえもらえるのに慣れた身には、イタリアでは、銀行口座を維持するだけで、年間数十ユーロかかるというのが腑に落ちません。それでも、仕事を始めてから、大学の給料を受け取るために、学生に混じって長い列に並んだり、通訳の仕事などの報酬を、小切手で支払ってもらうため、その小切手が発行された銀行までわざわざ足を運び、さらに長時間待ったりということが重なると、やはり、これはイタリアでも銀行口座を持った方が便利なのではないかと考え始めました。それに、イタリアで得た収入を、現金で家に置いておくのも不安でした。ある銀行の、口座の維持費や入金・払い出しなどにかかる費用が一番安そうな、とあるサービスを選びました。

 けれども、銀行にも昼休みがある上に、行内での待ち時間が異様に長く、利用してみると、思ったよりも手数料や維持費がかかります。さらに、1年後に来た口座の明細を見て、実はこのサービスでは、利子がまったくつかないことを知り、「預けていても減るばかりだなんて!」と、解約を決めました。「銀行は、わたしたちが預けたお金のおかげで儲けているのに、なんで口座の維持費や手数料まで払わなければいけないんだ。」と、こういう思いからだったのですが、それは日本での、利用者はいっさい料金を払う必要がない預金システムに、慣れているというか、甘えているからかもしれません。

 クレジットカードは、日本の口座からの引き落としになっているので、問題ないのですが、報酬を受け取るときの不都合は別にして、やっぱり多額の現金を家に残しておくのが不安で、遊ばせておくのもどうかと思いました。それで、Coopに、組合員(socio)としてお金を貸すという形の貯金をしようと思い立ちました。わたしがCoopの組合員になったのは、2005年1月です。当時は組合員になるのに、12ユーロ必要だったのですが、組合員だけの特別割引商品を何度か購入しただけで、すぐに取り戻せる額だと思いました。ちなみに、Coopと言ってもイタリア各地にあり(下記リンク参照)、わたしが加入したのはCentro Italiaで、しかも9年前の話なので、今は、そして、皆さんがお住まいの地域では、かなり事情が違うかもしれません。

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 記憶はうろ覚えなので、今、Coop Centro Italiaの該当ページ(下記リンク参照)を参考にしてお話しすると、組合員になってから3か月経てば、組合員として、Coopにお金を貸すという形で、貯金をすることができます。そうしてお金を預けると、日本の銀行同様に、Coopが通帳を発行し、以後は、お金を払い込んだり、引き落としたりするたびに、その金額の移動が、通帳(Libretto di Prestito Sociale)に記入されます。最近は利子がひどく下がったのですが、それでも、この貯金のいいところは、銀行と違って、維持費用や手数料がいっさいかからない(zero spese)ことです。ただし、クレジットカードは作れないし、よその銀行からこの口座に振り込んでもらうことはできないのですが、とにかく維持費がかからないのが魅力で、今も、このCoopの貯金を利用しています。銀行に比べて、Coopの方が開いている時間が長く、店が開いていれば、いつでも預け入れも引き落としもできるというのも助かります。ただし、1日1000ユーロ以上のお金を下ろすときは、24時間だか48時間前だかに、引き下ろしたい店に通知するようにと聞いたような記憶があります。組合員になる手続きや、組合員として貯金をしたい場合の手続き、そして、入金したり、払い出したりするときは、各店のPunto d’Ascoltoのブースで行います。

 こうやってCoopに貯金をしておくと、250ユーロ以内であれば、レジでCoopカードを提示して、暗証番号を押せば、引き下ろすことができます。買い物のついでに、レジで会計が終わった後、そのまま好きなだけの金額を受け取ることができるので、便利です。それに、Coopでの買い物の際に、Coopカードを提示して、貯金から直接、買い物代を引き落としてもらうこともできます。

 組合員一人あたりが振り込める限度額は、36,093ユーロです。ちなみに、わたしが貯金を始めた頃は、税引き前の利率が3%、税引き後が2.625%と高かったのですが、以後(これはCoopに限った話ではありませんが)、どんどん利率が下がり、税引き前の利率が0.90%、税引き後が0.72%になってしまいました。ただ、これも、たとえば半年、あるいは1年使わないお金があれば、それを半年、あるいは1年そのまま置いておいて手をつけないPrestito vincolatoにすると、税引き後の利率が、それぞれ、1%、1.40%となり、わずかではありますが、高くなります。ただ、もしCoopが経営危機に陥ったら、このお金はいったい返ってくるのかということなのですが、今のところ、Coopの人気を見ても、そういう恐れはまずないのではないかと思います。けれども、万一何かあった場合の責任までは負えませんので、皆さん、ご自分でよく検討されてから、ご利用ください。

 困ったのは、車を購入したときです。ディーラーからは当然ながら、法律のために現金では支払いを受けられないと言われ、かと言って、クレジットカードで払える額でもなく、結局、Coop通帳から受け取り人を指定しない小切手を発行してもらったのですが、この小切手は、最終的にはMonte dei Paschi di Siena銀行に行って発行してもらい、無事に車の代金を支払うことができました。昨日の記事の反響が大きかったので、Coopついでに、貯金についても書いてみました。よろしかったら、参考にしてください。

LINK
- Coop Centro Italia – Prestito Sociale: Tanti vantaggi e zero spese
- La Brochure informativa sul Prestito Sociale Coop Centro Italia (PDF)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2014-01-16 19:48
なおこさん、日本では当たり前の銀行のシステムが、イタリアでは、なんだかシビアなんですね(* >ω<)
私は、今の日本の銀行でさへ不満を持っているのです!と言っては贅沢でしょうか?というのは、日本の銀行、数年前から10万円を超える支払いは、本人でないと出来ないシステムになってしまい、家のように自営業でお支払いを銀行振込でしていたら、私が夫に代わってお支払いに行くのが面倒な手続きをしなければならなくなってしまいました(((^^;)私、ある銀行で嫌な思いをして、もう二度とそこへは行ってません(^-^;
本当に銀行さんて、儲けているのに融通がきかないですよね(* >ω<)
すみません、自分のことばかりで…なおこさんの今日の記事を読んだら日本の銀行はまだましかもしれないと思いました(笑)。
Commented by kazu at 2014-01-16 22:21 x
なおこさん、こんばんは。前回のスーパーのお話もさることながら、イタリアの銀行口座にそんな維持費がかかるとは、絶句しています。そんなことなら銀行もお金が集まらないのは当たり前ですね。以前
オルビエートにいる知人から、お金をおろそうとすると、もうお金がないから今日はおろせないと断られた話を聞きましたが、日本とこんなにも違うのですね。日本も最近は利子が低くて貯蓄も馬鹿らしくなりますが、日常生活に口座は必要なのでイタリアと比べたらいろいろな銀行に口座が持てるのは贅沢な話だと思えて来ました。

私はデパートの積み立て預金みたいなシステムを使っているのですが、1ヶ月に一万円づつ、一年積み立てると、13万円分のお買い物がそのデパートで出来ます。なかなかの利子で、せめてもの自衛策でしょうか。なおこさんもよく調べられて賢い選択をされているなぁと思います。そしてこの情報は貴重ですね。気付かれる方が多いと思います。
Commented by milletti_naoko at 2014-01-17 01:04
アリスさん、お仕事の都合でどうしてもアリスさんが振り込まないといけないのに、そこまで手続きが大変だと困りますね。アリスさんがそこまで嫌だと思われるなんて、いったいどんなことをしでかしたのでしょう。利用者あってこその銀行だし、アリスさんも礼を持ってお願いしたことでしょうに。

イタリアでは、お客だからと言って、決してちやほやしてくれるわけではありません。サービスが悪い分、人が自分の時間を多く持てるという利点はあるのですが、日本とイタリアの間をとったくらいが、社会も機能して、働く人も自分や家族のための時間が取れて、理想ではないかなと感じています。
Commented by milletti_naoko at 2014-01-17 01:12
かずさん、所変わればいろいろとシステムも変わるので、イタリアの人には当たり前なのでしょうが、日本の制度に慣れたわたしにはどうも受け容れられずに、幸いお金がそれほどないおかげもあって(上限は低いですよね。車を買って、ぐんと貯金が減りました。)、Coop貯金を利用しています。銀行口座がないと不便なこともあって、たとえば、DHLから不当に取られた関税の払い戻しがあったときは、夫の口座に振り込んでもらったりしましたが、仕事の報酬は、わたし本人の口座でないといけないと言うので、小切手や郵便為替、現金や日本の口座で受け取っています。一度、小切手を発行した銀行が遠くて、有効期間内に現金に換えに行くことができず、仕事の依頼主に手紙で再度小切手を発行してくださいとお願いしたら、なんと封筒にお金を入れて送ってくださったこともあります。無事に届いて何よりだったのですが、やっぱりこのとき翻訳を依頼された方が神父さんだったからでしょうか。

デパートの積み立て預金は、そのデパートをふだんから利用しているのであれば、一番利率がいいと、どこかで読んだことがあります。かずさん、うまくデパートのサービスを利用されていますね。
by milletti_naoko | 2014-01-15 22:48 | Sistemi & procedure | Trackback | Comments(4)