イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

西仏アパート映画その1

 イタリアでは、隣国だけあって、映画館でもテレビでも、フランス映画がよく上映されます。

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 最近テレビで見て、いい映画だなと思ったのは、こちらです。


 故国スペインを離れ、パリのアパートの、不便で貧しい最上階に住み、メイドして働きながらも、陽気さを忘れず、団結力の強い移民女性たち。そして、同じアパートに暮らし、経済的には豊かでありながら、真の心の通い合いや幸せに欠ける毎日を送る、パリの夫婦。さまざまなできごとをきっかけに、夫婦とスペイン女性たちの人生が交差し、特に夫のジャン=ルイが、人間らしさや生きる喜びを、彼女たちとの交流を通して、取り戻していく。

 音楽をかけて踊りながら、メイドとしての仕事に励み、遠く離れた祖国や子供を思う彼女たちの姿に、エクアドルに二人の幼い息子を残して、移民としてイタリアに来た義弟の奥さんや、他の多くの移民女性たちの姿が重なりました。次々と起こるできごとや進展に引き込まれ、思わずほほえんでしまうような場面も多く、終始楽しんで、見ることができました。現代ではとかく「問題をもたらす」とみなされがちな移民を、設定こそ1960年代のパリですが、こうして肯定的にとらえ、描いている点も、いいなと思いました。

 イタリアのテレビでは、例によって、イタリア語の吹き替えで放映されました。


 フランス語の原題は、『Les Femmes du 6e étage』で、イタリア語の題名も、それを忠実に訳して、『Le Donne del 6° piano』となっています。イタリアやフランスでは、日本の1階にあたる階を「地階」(piano terra, rez-de-chaussée)と言い、日本でいう2階が「1階」、その上が2階と数えますので、この題をそのまま日本語に訳すと、「7階の女性たち」となりますが、邦題は『屋根裏部屋のマリアたち』となっているようです。

 すでに見ていて、字幕を見ながらでも、一度では聞き取りや理解が難しいので、安いのはフランス向けに販売されているフランス語のDVDなのですが、イタリア向けのDVDが、イタリア語とフランス語の両方で聞けて、イタリア語字幕でも見られそうなので、よさそうです。日本で販売されているものは、フランス語とスペイン語版があって、字幕が日本語で、これが一番フランス語の勉強には役立ちそうですが、高いし、パソコンでわたし一人しか楽しめないし。迷うところです。

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Film, "Les Femmes du 6e étage"

Carino e simpatico, l'incontro con sei immigrate spagnole scombussola la vita di una coppia parigina che abita nello stesso appartamento e poi la aiuterà a condurre una vita più sicera e felice soprattutto quanto al marito.
-Mi è piaciuto molto questo film, anche perché qui le immigrate sono descritte come una risorsa positiva o anzi come una ricchezza.
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LINK
- amazon.co.jp - 屋根裏部屋のマリアたち [DVD]
- amazon.it - Le Donne Del Sesto Piano (DVD)
- amazon.fr - Les Femmes du 6e étage (DVD)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by アリス at 2014-01-17 12:10
なおこさん、フランス映画とフランス語、楽しみとお勉強が両方okで得した気分になれますね!
フランス映画というと、私は、やはりグラン・ブルーですかね~♪でもグランブルーは、イタリア映画との合作となってました。最初は、国際版として作られたので、セリフが英語だったそうで、後で、出演者による吹き替えでフランス語版が作られたのだとか・・・。あの映画を見て、初めてシチリア島なる場所を知りました。タオルミナにいくた行ってみたいなあ・・
と思ったものでした。シチリア島には行ったことがなく今だに実現してませんが・・・(笑)。映画って夢があっていいですよね~♪
フランス語の響きが大好きなので、フランス旅行中は、解りもしないのにテレビでドラマや映画を観てました~☆でも不思議で、なんとなく映像を追っていたら話の筋が分かるんですよね~!細かいことは気にせずですが・・・(笑)。
Commented by milletti_naoko at 2014-01-20 05:03
アリスさん、日本だったら映画鑑賞もしながら、フランス語の勉強もできるのですが、残念ながらイタリアでは、たいていの映画はイタリア語に吹き替えられてしまいます。

グラン・ブルー、わたしは見たことがないのですが、映画を見てぜひ行ってみたいとアリスさんが思われるくらい、映像の美しい映画だったんですね。いつかきっと行ける日が来ますよ♪

表情や画面を見ていて、何となく言われていることが想像できる場合というのもありますよね。言語によるコミュニケーションで、言語だけを純粋に通じて伝わるコミュニケーションというのは対話においてはごく一部で、あとは相手の表情や動作、場などから意思が伝わるそうです。
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by milletti_naoko | 2014-01-16 16:21 | Film, Libri & Musica | Comments(2)