イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

鼻が大切

 1年ほど前に、ペルージャで1日アロマテラピー講座に参加したことがあります。興味深い学びや発見がいろいろあったのですが、中でも、鼻の大切さについての話が、心に残りました。

 嗅覚がどれほど大事かについて、講師の先生は、「たとえば、どんなに見かけがおいしそうな料理であっても、異臭が漂っていたら、口にはしないでしょう。」と、嗅覚が命を守るために、危険を察知するために、大切な働きをしているのだと教えてくれました。

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Champ de lavande, Provance 4/7/2012

 おもしろいな、そうとは知らなかったと驚いたのは次の話です。ハーブの精油や香りには、それぞれに、心身をリラックスさせるなど、さまざまな効能があるのですが、ハーブ自体にどんなに優れた働きがあっても、もし使いたい人がその香りが好きではない場合には、鼻を通じて体がその香りや効能に対して拒絶反応を示すため、一般にはいくら高い効能があっても、その人に対しては効き目がほとんどないそうです。「だから、効能に注意することも大事ですが、自分が好きな香りの精油を見つけることの方がずっと大切で、効能があり、かつ気に入った香りのものを使うことが大切なのです。」なるほど、いくらおいしそうな料理でも、臭いがひどくては食べる気がしないように、嫌いな香りは、鼻だけではなく、鼻が受けつけなければ、心身もはねつけてしまうということなのでしょう。

 わたしたちが、たくさんの異性の中で、一人にことさら魅かれるのも、やっぱりその匂いに魅かれるからなのだ、という話があって、そこまでは、さて本当かなあと、いぶかったのでありますが。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by kazu at 2014-01-25 19:08 x
鼻のお話、とても納得します。私は普段香水などはつけないのですが、時々電車内で漂う香りの中で、なおこさんが聞かれたような、頭が拒絶反応を起こす匂いがあります。その人にとっては良いのでしょうけど、なので、香水を人にプレゼントする時は、その人が使っているもの以外は、いくらいいと言われるものでも出来ないなぁといつも思うのですよ。それと、異性の匂いのお話は笑ってしまいました。長い間ワンコを飼った経験からしますと、これは犬の反応とそっくりです(笑)
Commented by ayayay0003 at 2014-01-25 20:20
なおこさん、なるほど嗅覚は命を守るために大きな働きをしているのですね(^-^)。そう言わろれてみれば、犬はまずは匂いを嗅いでから食べますよね♪人間は、これみよがしには、嗅いでと言うわけにはいかないので、ひっそりと匂いをチェックしているような気がします(笑)
そうですか、いくら良い香りでも好きでなければ効かないんですか。
まあ、お花にしても、ハ―ブティ―にしても、好きでなければ飾りませんし、飲みませんが…。アロマテロピ―は、精神的な要素が高いということですね♪何だか今日の記事は、大変勉強になりました(*^^*)
ありがとうございます♪
Commented by suzu-clair at 2014-01-25 23:39
そうなんですよね~。
嗅覚というのは、本能とつながっていますものね。

私も、アロマレッスンの際、
生徒さんはわりと効能のほうに重きを置いて香り選びをしたがることもありがちなのですが、
自分が好きと感じるかどうかが一番大切で、
頭で選ぶのとは違うものなんだよ~ってことを、知ってほしいなと思ったりします。
感性を開放してこそ、
植物の力は自分に働きかけてくれるものなんですよね☆

少し前、こちらのテレビでも、
異性に惹かれるのは、匂いとの相性が関係しているといった説がとなえられていましたよ☆
そうなのかな~?と私も確信はもてませんでしたが、
嗅覚が本能とダイレクトにつながっていることを考えると、
もしかしたらそういうこともあるのかもしれませんね^^
Commented by oliva16 at 2014-01-26 22:15
こんばんは。
そういえば化粧品は最近「無香料」を売りにしている製品も多いですが、私の使っている洗顔石鹸には淡い香りがついています。そこのメーカーの人が「いい香りの石鹸を使うことで精神にも良い影響が与えられるので、リラックス効果があり、美容にも良い」と言っていたのを、なるほどなと思いました。
異性の匂いに魅かれる、という話、私もどこかで読んだことがあります。昔々は人間ももっと鋭い嗅覚を持っていたのでしょうね……。
Commented by milletti_naoko at 2014-01-27 07:28
かずさんもですか! わたしも淡いさわやかな香りはいいなと思うのですが、まれにむせるように香水の香りがする人がいて、息をするのが苦しいときがあります。義父にアフターシェイブローションを贈るときは、やっぱり親子は好みが似ているだろうと、夫に香りを選んでもらいます。おお、犬はそういう反応をするんですね!! ということは、人間も他の要素もいろいろ大切にしつつ、実は?
Commented by milletti_naoko at 2014-01-27 07:37
アリスさん、犬は嗅覚が鋭いですよね。なるほど、食べる前にも匂いをかぐんですか! 確かに何か傷んでいるんじゃないかなと思う食品があると、わたしたちも匂いをかぎますよね。

アロマテラピーは、自分の鼻が受けつける香りでないと、一般には効能があっても、どこか自分が拒んでしまうんだろうなと思うのですが、おもしろいですよね。確かに人間には、本来はできることでも、できないと思い込んでいるがためにできないということも多いのでしょうし、深層意識とか本能の強さを改めで感じました。
Commented by milletti_naoko at 2014-01-27 07:41
すずさん、そうなんですか! なるほど、嗅覚は本能とつながっているんですね。自分の心や体が効き目を受け入れるために、鼻が関所の役目を果たすというのは、おもしろいですね。わたしも、この香りの方が好きだけれど、こちらの方が効能が多いしという選択をしたことがあるので、専門家のすずさんのお言葉、とても参考になります。

異性と匂いの関係、日本でもそういう説が取り上げられていたんですね! 心や人柄、外見や趣味の一致の奥底に、実は秘かに、匂いが一致すること、匂いに安心感を感じることが、前提としてあるのかもしれませんね。
Commented by milletti_naoko at 2014-01-27 07:52
Olivaさん、こんばんは。香りは、天然の香りであればなおさらのこと、心にも体にもいい影響があることでしょうね♪ 以前、イタリアで安いし肌にいいと聞いて買ったボディークリームが、虫刺されにつけるムヒに似た香りがして、あまり好きではありませんでした。夫が好きだけれど、わたし自身は、強すぎて好きではない香りのものを買ったこともあります。どれもerboristeriaで買った、自然成分でできたものではあったのですが、以後はもっと、自分の鼻が好む香りを大切にしなければいけないなと思いました。

異性の匂いに魅かれるというのもおもしろいですよね。本当に、昔はわたしたちも、もっと嗅覚が鋭かったことでしょう。平安時代には、お香を言い当てる競技があったくらいですし。
Commented by Navia at 2014-01-27 22:18 x
ご無沙汰しています。家つくりの様子とても楽しみに読ませていただいています。
私もハーブ、アロマが大好きです。でも匂いでNGだと思ったらその人にとっては効果半減なんですね、それは知らなかったし興味深いです。
アロマとは関係ないかもしれませんが私プロポリスの匂いと味が全体的にだめなんですよ、のどを痛めたときなんかプロポリス系の飴やスプレーを薬局で薦めてもらうのですが、どのメーカーもいまいち好きになれないんです。このお話からヒントを頂くと、せっかくの効果なのに私には愛称が悪いかもしれないですね、残念です。
Commented by milletti_naoko at 2014-01-28 03:10
Naviaさん、楽しみにして読んでくださっているんですね! ありがとうございます。プロポリスはわたしも時々利用するんですが、講師の話は、精油やオイル、クリーム、室内の芳香など、体の外から、香りも楽しみながら使うもので、プロポリスは薬用なので、良薬は口に苦しと言うわけではありませんが、内服をするものだし、苦手でも効くのではないかなと思います。と言うよりは、思いたいです。独特の苦味がありますが、大さじ1杯のハチミツと一緒だとうまく緩和されるような気がしますよ。わたしも時々、そうやってハチミツといっしょに服用(?)しています。
by milletti_naoko | 2014-01-25 10:17 | Altro | Comments(10)