2014年 03月 19日
ベネチア船で島めぐり2

強い色彩は、衝撃が強いので、そういう色が、しかもバランスを考えずに、思い思いに並んでしまっては、景観に問題が生じる。そう考えてか、イタリアの市町村では、家の外壁の色は選べても、クリーム色系統・レンガ色系統など、ある程度限定された色の中からしか選択できないように規制されている場合もあります。ミジャーナの家の改築についても、夫は個人的には、はっきりとした濃い色の方が好きなのですが、家具や他の壁の色とのバランス、居心地を考え、わたしがどちらかと言うと、淡い色の方が好きなこともあって、トイレは別にして、主に淡い色を使っています。

ブラーノ島では、そういう強い色彩が、自己主張が強いながらも、隣近所の色とうまく調和して、独特のいい雰囲気を醸し出していました。

運河や海のほとりを歩いて、船を目指します。鐘楼がやや右に傾いています。

集合時間の少し前に船に戻ると、すでに皆集まっていて、おしゃべりしたり、海を眺めたりしながら、出発を待っていました。

ブラーノ島を発つと、船は次の目的地、ムラーノ島を目指して、朝来た道を引き返します。

左手に見える島は、Isola della Madonna del Monte、「山の聖母」という名を持っています。古い教会の屋根と壁が崩れ落ち、中に木が茂り、波に洗われる様子には、独特の風情がありますが、下にリンクを付した記事にあるように、せっかくの歴史的・文化的遺産が、こうして放置され、波や木々に浸食されているのは残念です。

昼食が予定されているムラーノ島に到着しました。

岸には船が並び、日の光にきらめく水面の向こうでは、町並みを霞が優しく包んでいます。

次々に船を降り、レストランを目指します。

昼食は、決まった値段で、プリモ・セコンド・コントルノと簡単なデザートが食べられるようになっていました。テーブルに運ばれた2種類のパスタを食べたあとは、セコンドとコントルノを、各自がセルフサービスで取っていきます。

約15年前に、日本からベネチアを訪ねたときには、ムラーノ島で、ガラス工場を見学した記憶があるのですが、今回は、昼食後、すぐに船で出発しました。

ベネチアの中心部が近づいて来ました。近くの岸はきれいに見えるのに、

行く手には、霞がかかっています。

出発地点だった船着き場まで船で戻って、そのまま駐車場から家路に向かう友人たちもいたのですが、わたしたちはせっかくなので、サン・マルコ広場近くで降りて、日の光の下、ベネチアの町を歩いて、駐車場まで戻ることにしました。

船に残る友人たちにあいさつをして、ベネチアの運河を進むアンドレーア・ドーリア号を見送りました。アンドレーア・ドーリア、スピーディ、そして、奥さんのブルーナ、思い出に残るすてきな船旅を、本当にどうもありがとう。
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Giro della Laguna & Visite delle due Isole a Venezia - parte2
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 春のベネチア、ポンポーザ / Pomposa, Venezia & Burano (15-16/3/2014)
- 月夜のベネチア / Passeggiata notturna a Venezia (15/3/2014)
- ベネチア船で島めぐり1 / Giro delle lagune & visita delle isole a Venezia (16/3/2014)
- ベネチアを歩く / Passeggiata a Venezia (16/3/2014)
- リミニ発沿岸ミニクルーズ / Mini crociera Rimini - Cesenatico (19/6/2010)
- Alloggi Barbaria Blog. Blog su Venezia – Isola Madonna del Monte (21/1/2011)


本当に溜め息が出るような素敵な船旅でした~🌠
ブラ―ノ島の色鮮やかな建物、計算されて建てられているのではなかったんですね(*゚∀゚)
それでもそんなに違和感がない、むしろ素敵だなと感じるということはこれとこれの組合わせはダメと思っていることでも、案外大丈夫なことって多いのかもしれませんね♪
ムラ―ノ島でのランチもわきあいあいとしていて楽しそうですね(^-^)
ムラ―ノ島と言えば、ベネチアングラスが有名ですが、私一時期ベネチアングラスのビーズにはまっていたことがありました(*^^*)
今でもベネチアングラスのビーズは大好きですが、特に赤い色のビーズの中に金箔が入ったビーズは美しくて、日本で取り扱っているところがあるので、取り寄せて、そのビーズでアクセサリ―を作ったりしています(*≧∀≦*)去年のイタリア旅行では、ヴェネチア本島でビーズ屋さんに行くはずが、迷宮で迷い子になりたどり着けなかったのであります(笑)。
なおこさん、良い船旅をされましたね(^-^)
ベネチアングラスは形も色も本当にきれいですよね。美しい風景や伝統が連想されるので、なおさら見てうれしくなります。今回は、陸は急ぎ足で進んだので、ゆっくり買い物はできませんでしたが(改築でお金が出て行くので、倹約になって助かりました)、いつかまたゆっくり訪ねて、いろんなお店ものぞけたらなと思っています。ベネチアングラスのビーズで作るアクセサリーなんてすてきですね~ なるほど、それで迷子になられたんですね。
ありがとうございます♪ また一つ、思い出に残るすてきな旅ができました。
色鮮やかな建物も、
鮮やか同士の統一感があるから、町並みに特有の面白みが出るのでしょうね。
見ていると楽しく元気になりそうですね♪
なおこさんの、イタリアの町の景観や色彩に関する記述を拝読して、
やはりそうなのか、と感心しました。
色彩の心理的影響や町並みとしての景観などへの配慮は、
欧米にくらべると、日本はわりと無頓着だと思います。
場所によっては、もう少しそういうところを見習ってもいいのでは、と思ったりするんですよね。
「山の聖母」って、素敵な名前ですね。
なのに、波や木に浸食されていっているなんて、残念ですね。。。
素敵な旅でしたね。
楽しい記事を、ありがとうございました!
歴史や自然の景観を守るための改築や建築の基準は市町村や国立・県立公園や保存地区内かどうかなど、同じイタリア国内でもかなり異なるのですが、たとえばミジャーナの家では、改築に際して、窓の大きさやよろい戸にさえ、制限がありました。景観も、歴史や文化、町の財産として大切にしようというのは、いい姿勢ですよね。とは言え、夫を始め、あの近未来的な京都駅に、さすが日本と感動するイタリアの人も多いのではありますが。
すずさん、こちらこそ心のこもったお優しいコメントをありがとうございます!