イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

危険な花の道

 通勤に利用するバス停とうちの間を結ぶ道は、

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草むらにアヤメが咲いていたり、

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小さな白い花たち(記事はこちら)が、つぼみを着々と準備していたりします。

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 残念なのは、この辺りに家を建てた住民たちが、自分の庭を広くすることばかりを考え、また、行政側が道路についての配慮もしなかったため、道路の端と各戸の柵が密接していて、歩道を作れるスペースどころか、安心して歩ける路傍さえないことです。さらに、こんなふうに曲がり角が多いので、危険を承知で、車の死角になる部分を歩かないように、時々、道路を横切って、端から別の端へと歩かなければいけません。

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 しかも、この写真や1枚上の写真で分かるように、道路の端近くが盛り上がったり、崩れたりしている箇所や穴が多いのですが、これは、大きく育つ木を敷地の端、道路のすぐそばに植えた人が多く、こうして植えられた木が育ちに育って、その根が道路の下まで伸び、上に突き抜けようとして、道路をがたがたにしていっているのです。車で走ると、道路のでこぼこを車の揺れと音で感じるほどなのですが、わたしの車のように車高が低いと、車の底が道路の盛り上がった部分にかすってしまうことさえあります。おかげで、特にでこぼこな箇所を避けて道路の中央に寄ったり、中央線をはみ出したりする車も多く、そうすると、対向車も道路の端ぎりぎりを通ることになるわけで、歩行者にとっては、かなり危険な状況になります。

 しかも、こういう家で飼われている犬たちが、わたし柵の前を通ると、たいてい、一斉に吠え始め、吠え続けるのです。

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 そういうわけで、ようやく家にたどり着いて、庭の花たちが迎えてくれるときには、ほっとします。

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 今日は早朝の気温が1度近くまで下がり、ひどく寒い1日だったのですが、それでも、庭では、ヒナギクが一面に咲いています。

 数年前にミニメトロができて以来、それまであった便利なバスの路線が、住民がミニメトロを利用せざるを得ないように改悪され、車なら15分もかからない道を、バスを乗り換えて30分、あるいは、バス停まで歩いたり、乗り換えのバスを待ったりする時間が長いため、1時間近くかけて、通勤しなければならないようになりました。

 安心して歩けない道路、木の根でがたがたの道路、そして、市民の便利ではなく、ミニメトロの採算が取れることを第一に考えて組まれたバスの運行時刻表。住民一人ひとりが、己の家を広くすることばかりではなく、道を通る人のことも考え、行政が市民のことを考えてくれれば、もっと安心して歩ける道ができ、皆が満足できるバスの路線が実現できるのに。数年前にバスの運転手さんの呼びかけに応じて、我が家の近くを通るバス路線の沿線の住民が何度も集会を開き、市に嘆願をしたのに、結局聞き入れてもらえませんでした。このバス路線の変更がなければ、わたしも、この危険な道を歩く必要もなかったのです。

 こういう問題は、単にうちの前を走る道路だけではなく、いろんなところに山積しています。義父が数か月前に、市側に、道路を傷める木を植えている住民たちに木を切るように要請しても却下されてしまったようで、何か事故が起こる前に、何らかの対策を講じてほしいと願っています。

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Margherite, iris, tanti fiori che ornano il nostro giardino e la strada fino alla fermata dell'autobus.

Purtroppo, non c'è spazio per i pedoni e la strada è molto pericolosa, perché molti abitanti hanno recintato il più spazio possibile e le radici degli alberi stanno distruggendo la strada a mano a mano.
Prima aveamo un pulmino comodo che ci portava direttamente al Centro di Perugia, ma qualche anno fa hanno modificato l'itinerario per costringerci a prendere il minimetrò e ora si deve sempre cambiare il pullman per andare da qualche parte e spesso si deve aspettare a lungo l'arrivo dell'altro autobus. Se il comune pensasse più alle esigenze dei cittadini! Qualche anno fa i passeggeri del pulmino Z5 si sono radunati con gli autisti, abbiamo proposto diversi itinerari alternativi più volte al comune, ma non ci hanno ascoltato.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2014-03-26 10:34
なおこさん、こうした問題は、地域住民にとっては大変な問題ですよね。
もう少し、一人一人が自分のことだけでなく、地域のこと、みんなのことを考えてくれれば、違った良い方向に進むことができるのに残念なことです。
便利な世の中のはずなのに、公共の交通機関はかえって不便になりつつあるという点では、日本の田舎も同じような現状です。
ヨーロッパは、歩道なんかにかんしては、先進国だと思ってましたが、国によるのですね。日本は、田舎でも最近になって歩道の整備に力を入れだしましたが、メインのところだけでまだまだという感じです。
なおこさんが、危険な道を通勤していると思うと心配です。どうか気をつけて通勤してくださいね(*^_^*)
Commented by suzu-clair at 2014-03-26 11:25
なおこさん、そんな危険な道路事情がおありなのですね。
住民の皆さんが市に嘆願しても聞き入れてもらえないというのは、
困ったことですね…。

せっかくの美しい自然があふれる花の道も、
自分たちのメリットだけを考える人間によって、
さまざまな問題を生み出してしまっているのは、残念ですね。
本当に、なにか事故などが起こってしまってからではなく、
道路を利用する人たちのことを考えた対策が講じられること、
願いたいですね・・・。

そちらでは、あやめも咲き始めたのですね!
ひなぎくのお庭も、とても素敵ですね。
なおこさんたちが、
安心して美しい花々を愛で、
快適に暮らせる街づくりが進みますことを、願いたいです。
Commented by kazu at 2014-03-26 13:05 x
なおこさん、おはようございます。今、ロシアです。これから、サンクトペテルブルグからモスクワに向かいます。空港でチェックイン待ちしています。便利だった路線の廃止、私の住む地区でも経験があるので、不便さはよく分かります。利用する人のことを考えていないです。でも一部住民の嘆願によって、復活した路線もあるので、日本はまだましかなと思います。怖い道路、何か事故が起こってからでは遅いですのにね。

それと肩こりのお話、頷いています。普段は身体を動かさないので肩凝りも目の疲れもありますが!こうして旅行に出ると、否が応でも歩かない訳にはいかないので、気付けば結構身体は軽くなってる気がします。疲れはあるのですが、人間身体は動かさないとダメですね。
Commented by milletti_naoko at 2014-03-26 17:46
アリスさん、ペルージャ周辺も、もっと田舎に行くと、住宅街では歩道が整備されていたり、中心街では車が入れなかったりするところもあるのですが、うちの周囲はちょうど、庭のある一戸建てが多くて、そのため皆が自分のことばかり考えたため、安心して歩ける場所もなければ、木の根で道路がますますでこぼこになりつつあり、困っています。日本の田舎でも、そういうことがあるんですね! わたしは日本では毎年、年度内に予算を使い切ろうとしてか、同じような時期に、あちこちで道路を修復していたのを覚えているのですが、残念ながら、イタリアでは、穴が開いたり、でこぼこだったりして、通行に支障や危険がある道路が、うちの前の道路に限らず、あちこちにあるのです。

ありがとうございます。うちのすぐ近くを通るバスもあるのですが、便が少ない上に、乗り継ぎがうまくできないので、どうしても、この道を歩くことになるのですが、十分に気をつけます。
Commented by milletti_naoko at 2014-03-26 17:52
すずさん、わたしたちが住む住宅街を通るバスを運転する運転手さんたちは、とても住民思いで、バスのガソリン代も変わらず、他のバスやミニメトロとの乗り継ぎもきちんとできる代替案を一生懸命考えてくれて、それで住民一同何度か集まって、市に嘆願をしたのですが、結局は、聞き入れてもらえませんでした。とても残念です。

他にもいろいろ花が咲いている道なのに、安心して歩けないのが残念です。ヒナギクの花たち、かわいいですよね。夫がそろそろ草刈りをしなければいけないと言うのを、刈ってもすぐにまた生えてくるとは言うのですが、花がきれいだからと待ってもらいました♪

いろんな意味で、イタリアでも日本でも、市民が本当の意味で安心して暮らせる町づくり、国づくりを心がけてほしいものです。
Commented by milletti_naoko at 2014-03-26 17:56
かずさん、いよいよご出発ですね。住民にとって便利な路線の廃止、日本でもあるのですね。住民の嘆願を聞き入れて復活された路線があるとは、うらやましいです。やっぱりまずは住民の暮らしが先ですよね。怖い道路、気をつけて歩きます!

かずさんは、ご旅行のときは、本当にかなりの道のりを歩かれますものね! エゴスキューは、現代人があちこちに体の痛みを覚えるのは、生活が便利になり過ぎて、本来使うべき筋肉を使わず、体や骨がゆがんでいるからだと言うのですが、なるほどと実感しています。さぼっている体操は、わたしももう少し痛みが去ってから、再開するつもりでいます。学校が始まったおかげで、歩くことが多いのも体にはいいと思います。

Buon viaggio!
Commented by ムームー at 2014-03-27 18:56 x
なおこさんこんばんは。
イタリアではそういうことはないとばかり思っていました。
家の周りを見て危険なことが多いと困りますね。
夫が電動カーを使ったときにでこぼこ道の多さに
驚きましたもの。
行政はどこも行き届きませんね。
猫ちゃんは煮干しが大好きですね、ふにゃふにゃ
言いながら食べますね。
いつもありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2014-03-28 00:08
ムームーさん、こんにちは。そうなんですね! わたしは、日本ならこんなことはないのにと思っていたのですが、日本でも歩く人や電力カーに優しくない困った道が多いのですね。観光客を海外から呼び寄せることより、まずは国民が安心して暮らせるような国づくり、町づくりをしてほしいものです。

ムームーさん宅の猫ちゃんも、にぼしが好きなんですね♪ こちらこそ、いつもありがとうございます。
by milletti_naoko | 2014-03-25 23:59 | Fiori Piante Animali | Comments(8)