2014年 03月 27日
春が来た / Haru ga kita
ところが、暖かかった先週とはうってかわって、今日は早朝からひどく冷え込み、空は曇り時々雨が降る上、冷たい北風が吹きすさんで、「春が来た」よりも、「春よ来い」を歌うのに、ふさわしい天気です。それでも準備をして行ったので、まずはどれだけ読めるかを見て、後について音読させてから、歌を歌いました。「きた」や「さく」など、繰り返される言葉も多いので、ひらがなの定着にも役立ちます。恥ずかしがらずに、歌をしっかり歌ってくれた上、「メロディーが美しい」と、とても気に入ってくれたので、うれしかったです。
今日は、ひらがな認識度の最終確認に、いろはうたを黒板に書いて、ひらがなが読めるかどうかを試してみました。もちろん、現在は使われていない「ゐ」と「ゑ」はかっこでくくりました。まだ授業が始まって4日目だと言うのに、家でもしっかり勉強をしていて、午前中の授業が終わった段階で、「ぬ」と「ね」が分からない以外は、すべて読めるし、かなりのひらがなを書けるようにもなっていたのでびっくりしました。ひらがなが読めるかどうかの確認が終わったあと、「いろはうた」の意味を説明すると、歌の内容や無常観に、とても興味を持ってくれました。お花見の季節でもありますし、無常観をきっかけに、『伊勢物語』で、在原業平が惟喬親王などと、山で桜を愛で、酒を飲んで、「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」、「散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世に何か久しかるべき」と歌を詠み合う場面を、イタリア語訳で読みました。桜を愛するがゆえに、花が気になって春は心が落ち着かないと、逆説的に歌い上げた桜への愛情は、理解するのが少し難しかったようですが、「散るからこそ、桜はすばらしいのだ」という歌の心には、かなり共感していたようです。その後は引き続き、『古今集』の桜の歌も、やはりイタリア語訳で読みました。日本の桜の写真が見たいとのことなので、来週月曜日の授業には、写真を持って行くつもりでいます。
はるが きた はるが きた どこに きた
やまに きた さとに きた のにも きた
はなが さく はなが さく どこに さく
やまに さく さとに さく のにも さく
とりが なく とりが なく どこで なく
やまで なく さとで なく のでも なく
Haru ga kita (trad.it 'E' arrivata la primavera')
E’ arrivata la primavera. E’ arrivata la primavera. Dov’è arrivata?
E’ arrivata in montagna. E’ arrivata in campagna.
E’ arrivata anche in pianura.
Fioriscono i fiori. Fioriscono i fiori. Dove fioriscono?
Fioriscono in montagna. Fioriscono in campagna.
Fioriscono anche in pianura.
Cantano gli uccelli. Cantano gli uccelli. Dove cantano?
Cantano in montagna. Cantano in campagna.
Cantano anche in pianura.
titolo “Haru ga kita”
testo Tatsuyuki Takano
musica Teiichi Okano
trad.it Naoko Ishii
Fioritura dei ciliegi, Tempio Kiyomizu-dera di Kyoto
& Canzone di primavera in giapponese, "Haru ga kita"
(trad.it 'E' arrivata la primavera') con belle immagini.
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Oggi durante la lezione l'abbiamo cantata insieme,
anche se faceva molto freddo.
La canzone piace molto al nostro allievo :-)
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関連記事へのリンク / LINK
- 京都、渉成園の桜と古典に見る桜への思い / Fioritura dei Ciliegi in Giapponese
↑ Bellissimo Giardino Shosei-en di Kyoto & le poesie antiche che esprimono l'amore per i fiori dei ciliegi. L'articolo è scritto anche in italiano.
よく知っている歌ですが本当にひさしぶりに聞くことが出来て、大変嬉しく思います(^-^)なんとも言えないノスタルジックな気持ちになれる歌ですよね♪正に、今日こちら快晴ですからぴったりくる歌ですよ(*^^*)おまけに、すご~く暖かくなって来ました。そちらは、少し寒そうなので風邪をひかないよう気を付けてくださいね(^-^)
しかし、この歌をイタリア人の生徒さんたちが歌って下さっていると思うと本当に嬉しく思います(*≧∀≦*)
歌って万国共通のものがありますよね♪
こうして、日本の歌を好きになって、日本語の勉強を好きになって日本人を好意的に捉えていただくということないです(^-^)
あれ?ちょっと欲張り過ぎたかなぁ(笑)。
幸い、日本を好意的にとらえてくれるイタリアの方は多いんですよ♪
歌で習うとほんとにいい勉強になりますよね。良い授業をされると感心します。私も黒猫のタンゴという歌で嘘つきという言葉をすぐに覚えました。生徒さんたち、良い先生に当たって幸せですね。
なおこさんの生徒さんは、すごく熱心なのですね。
「春が来た」を取り上げられた授業、素晴らしいですね!
いい歌を題材になさっておられるなあと、
感心しました☆
「世の中の絶えて桜の…」の歌までご紹介なさるとは、
とても深い授業ですね。
今の私には、この歌の気持ちがまさにぴったりかもしれないな、などと思いました(笑)。
イタリアの方には、この心情は難しいかもしれませんが、
日本人でも忘れかけている感性を、
なおこさんがイタリアの方にご紹介なさる授業はとても素敵ですね☆
きっと、生徒さんにも、
なんとなくでも、日本の素晴らしさが、心に残ることと思います。
素敵なお仕事をなさっておられるのですね☆
かずさんも、歌を通して覚えられた言葉があるんですね! わたしも特に英語で、ミュージカルなどの歌を何度も聴いて、覚えた言葉がいろいろあります。聴覚を通して、さらに自分でも歌うから、頭にも入りやすいし、歌を通して、文化を学ぶこともできるし、さらには、ちょっと授業方法を転換するために、歌は時々活用しています。ありがとうございます。わたし自身が、人生の半分を教壇に立って過ごしてきたこともあって、教えているときこそ、自分が生きているなと感じられて、うれしいんですよ。
なにせ日本語の授業が毎日朝から6時間、8時間と続くので、気分転換にと、「覚えるのは必要ない、楽しめてくつろげる日本文化の知識」として、かつて大学で日本文学を教えたときのプリントを持参しました。そうですよね。きれいに咲きほこっているであろう桜の花たち。愛するがゆえに、気になって落ち着かない。そういう気持ちは、花にも人にも通ずるものものがありそうです。一瞬矛盾したように見える歌なので、生徒さんも疑問に思ったし、それはかつて教えた日本の高校生も同じなのですが、説明すると、なるほどと分かってくれたようです。
今頃コメントして恐縮です。
童謡ではないのですが、赤ちゃんが誕生した友人に、梓みちよさんの「こんにちは、赤ちゃん」を伊訳し、歌ってプレゼントしたら、とても喜んでいただいたのを思い出しました♪
生徒さん、勉強頑張っているんですね!私も見習わなければ。