イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

車の修理費の見積もり

 トヨタのディーラーで購入したわたしの車には、3年間、事故や故障で車が動かない場合は、無償で車を近くの修理工場まで運んでくれるという特典がついていました。あと2か月で満3年を迎えるアイゴは、これもまた不幸中の幸いで、この特典がまだ有効だったため、事故の後は、業者が車を崖から引き上げ、ただでディーラーまで運んでくれました。

 車の前部が大破しているため、もともと費用がかかるだろうというのは、覚悟していました。ただ、車のモーターやフロントガラス、車体の大半は無事に見えたので、何とか3千ユーロに収まりますようにと、願っていました。それが、見積もりの連絡があまりに遅いので、夫とディーラーに出向くと、とりあえずトヨタのディーラーが、交換や修理が必要な車内部の部品について、はじき出した金額だけでも3800ユーロで、さらに外部の自動車整備工が上乗せする費用を推測すると、合計が6千ユーロほどになるのではないかと言われていました。

車の修理費の見積もり_f0234936_214116.jpg

 週末に出会った友人の中には、雨の日に車が路上でスピンして大破し、見積もりが高いので、結局車を買い直したという人もいて、費用次第では、新車あるいは中古車に買い換えた方がいいかなと思う一方、交通事故の危険というのは、いつどこに潜んでいるか分からないものだと、改めて感じました。わたしの車はとても小さい上、最近は不況のためか、わたしの購入時よりも値段が下がり、8千ユーロ弱での新車販売広告を見かけたこともあります。ただ、免許ではマニュアル車には乗れても、日本に住んでいた頃から、オートマ車ばかりに乗っていたので、イタリアでもオートマ車にしたのですが、それだけで、2千ユーロ、値段がはね上がります。

 夫は、ディーラーでの修理は高いから、夫自身がいつも利用している自動車整備工でも、見積もりを頼むようにと言いますが、ディーラーが言うように、車はまずは実物を見ないと、ディーラーが作成した一覧表だけでは正確な見積もりは出せないでしょうし、壊れ果てた車を、見積もり依頼のために、うちの近所にある自動車整備工に運ぶにも、費用がかかります。それに、受けた衝撃の大きさを考えると、ディーラーの方が安心です。

 今朝の電話では、「値引きをいろいろ試みて、税も含めて、5400ユーロで、修理を引き受けますよ。」とのことでした。ひょっとしたらと覚悟していた6千ユーロよりは安いのですが、最初にこれで収まればと望んでいた3千ユーロは、はるかに超える金額です。5400ユーロを、1ユーロ145円として換算すると、78万3千円です。新車の半額で、同様の中古車は、修理代より高くつくと聞き、また、命を守ってくれたアイゴへの愛着や感謝の気持ちもあって、ディーラーで修理を頼もうと半ば決意しつつ、「わたしとしては貴店にお願いするつもりですが、夫と話し合ってから、決断するつもりです。」と、その場は電話を切りました。職場の夫に電話をすると、やはり、「ディーラーは高いから、他の業者に見積もりを頼んだ方がいい」とのことであり、さらに、「もし、ディーラーに任せるなら、5000ユーロまでは値切らなければ。」と言います。新車購入時ならともかく、修理費も値引きが期待できるのだろうかといぶかりつつ、インターネットで調べてみると、ディーラーにせよ一般の業者にせよ、見積もりは高めに提示しがちとあり、ディーラーの言う金額をそのまま支払うことにも、値引き交渉をすることにも、ためらい始めました。

 改築費用がかさむ上、わたしの仕事も不安定で、システムキッチンを発注する代わりに、夫自身が友人の助けを得て、台所を造ったり、わたしももう少し収入が増えるまではと、日本への帰国を見合わせたりしていた中で、起こった事故です。これだけのお金があればと思い、また、せっかく軍外国語学校の日本語の授業や、今週2日入っている同行通訳で、これからしばらくは、安定した収入が期待できるのに、その3か月の報酬をすべて合わせても、修理費がまかなえそうにない状況です。幸い、日本で働いて貯金していたお金でなんとか急場をしのげそうですし、ここは、命が助かったこと、本当に大切なものは何かを見つめ直す機会をもらえたことに感謝したいと思います。

 だれに修理を依頼するか決める前に、まずは、いろんな人に相談をして、情報を収集するつもりでいます。

関連記事へのリンク
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2014-04-03 13:25
なおこさん、お写真を拝見して本当に怖さを実感しました(^^;
今日の記事を拝見すると体の傷だけでなく、お車の方もかなりのダメ―ジの様子、本当にこれでよく命が助かったものだと客観的にみても思います(^^;)))イタリアにいてもやはりトヨタに乗られているのですね(^-^)関係ないけど、家の夫の車もカローラです。
家も先日松山へ行った時に高速道路をおりたところで、車が壊れかけて危ないところでした!幸い近くにトヨタのお店があって悪いところがわかって、家に帰るくらいは大丈夫と素早く対応してくれたので良かったです(^-^)日本でもトヨタはたくさんお店があるので故障した時は便利です(^-^)
なおこさんのお車もどうかなるべく安価に、だけれど丁寧に修理していただけるよう祈っています!
その後お体の具合はいかがですか?精神的にはいかがですか?とってもとっても心から心配しています。いろいろとお仕事もあって大変だと思いますので、どうかご無理なさらないようにしてくださいね♪
Commented by milletti_naoko at 2014-04-03 15:04
アリスさん、幸い藪がクッションの役割を果たしてくれて、木にぶつかって止まったときの衝撃は感じて、特にその際の痛みが後を引くものの、衝撃の大部分は、車体が吸収してくれました。命が助かったのは、本当にありがたいことだと感じています。

アリスさんのだんなさまの車もですか! うちの父の車もカローラなんですよ。購入時に、車は日本製にすると決めていました。トヨタにしたのは、大きさ(小ささ)やドアの数、オートマ、値段など、アイゴがわたしの希望に一番合っている車だったからです。アリスさんのコメントをきっかけに、今かつて車を決めたり、車が来たりしたときの記事を読み返して、当時をなつかしみました。

優しいお気遣いをありがとうございます。今週は日本語の授業に加えて、通訳の仕事も2日間入っているのですが、おかげで、かえって気分転換ができるというか、考えても思っても仕方のないことばかり考えずにすんで、助かります。今日は、日本からアッシジに観光にいらっしゃるお客さまに同行します。お客さまたちが、アッシジの町の魅力を楽しみ、聖フランチェスコの足跡に触れるお手伝いができるように、精一杯努めるつもりでいます♪
Commented by kazu at 2014-04-03 18:00 x
やはり、修理費は大きいですね。我が家も先月、私の車を駐車場から出す時に塀にこすってしまって工場行き、主人は他人様に当て逃げされ、こちらも修理が必要になりました。二台重なるとさすがには辛いです。それも、二台とも、当初の見積より高くなって。こんなときの為に保険が利くのですが、保険を使うと、その分、後からの掛け金が上がり、一体何のための保険かと腹立たしくもなりました。私のは自分の不注意なので仕方ありませんが、何した。なおこさんの諸々のお気持ちは痛いほど良く分かります。命に別状なかったのだからとか、怪我よりも、と慰められるのですがまぁ、その通りではあるものの、なかなか気持ちの落としどころは難しいですよね。これも人生の中の必要経費ですかねぇ。早くいい形で解決して愛車が復活すればいいですね。

アッシジ観光、懐かしいです。なおこさんのような方にガイドに付いて貰えるなんて、幸運ですね。私もあとをついて行きたいです。
Commented by とすかーな at 2014-04-03 19:19 x
あんなに下まで。。。想像以上の写真に、なおこさんが大けがもせず無事でいたのに驚くと同時に、本当に良かったと思いました。
あそこまで、駆け下りてくれた旦那さまと、一緒に上まで登ったなおこさん、よく登れたなぁっていうくらいの急な斜面ですね。

車のこと、そんな特典があるとはしりませんでした。なおこさんも書かれているように、急を要して買わねばならないのでなければ、情報を集めて、いろんな意見を聞いてから決めたほうがよさそうですね。
こういう時、安定した収入を得にくいイタリアに困りますね。
Commented at 2014-04-04 11:13 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by germanmed at 2014-04-05 08:42
こんにちは。遅ればせながら、お見舞い申し上げます。
本当に本当に、ご無事で何よりでした。命はお金では買えませんものね。心の傷が癒えるまで、ご主人とゆったりお過ごし下さいね。
Commented by milletti_naoko at 2014-04-05 15:00
かずさんのお宅でも、つい最近車の修理が必要になったんですね! 一瞬の、わずかのことがきっかけですから、車や運転って、本当に難しいですね。保険のそういう話も、残念ながらよく聞きます。本当に必要な機会のためにということでしょうが、対人事故の場合には、わたしは使ったことがありませんが、やっぱり保険会社が間に立ってくれると心強い気がします。

かずさんは、いろいろご自分で調べられて、本当に充実したアッシジめぐりをされていますものね♪
Commented by milletti_naoko at 2014-04-05 15:04
とすかーなさん、夫はふだんから登山時に、「ヤギのよう」と言われるほど、急斜面をさっさと降りたり登ったりできるので、このときはそれをありがたく思ったのですが、わたしは何度か滑り落ちて、登るのに一苦労しました。

トヨタのこの特典は、買ってから知って、イタリアでは自宅から一定の距離でだけ有効なのですが、外国では、ヨーロッパ全土で有効で、たとえば事故などの際には、必要な宿や帰国費用まで出してもらえるというので、フランスを運転したとき、利用はしませんでしたが、心強かったです。
Commented by milletti_naoko at 2014-04-05 15:05
くまさん、ありがとうございます。わたしも、何はともあれ無事を喜んでいます。夫と過ごす時間を始め、いろんな時間や人との関わり・ご縁を、もっともっと大切にしなければと痛感しました。
Commented by Yumi at 2014-04-05 19:19 x
このエントリーを読んでびっくり!怖い思いをされましたね。大丈夫でしたか?実は私も一年まえ、季節はずれのみぞれのため、道ですべって脇の大きな石に右前をぶつけてしまい、7千ドルの支払いをしました。ちなみに私の車もトヨタです。怖いですね、きをつけましょうね。
Commented by milletti_naoko at 2014-04-06 02:46
Yumiさん、はじめまして。怖い思いをしたのですが、幸い平常心を取り戻せつつあります。Yumiさんも、大きな事故に、思いがけず遭われて、大変でしたね。みぞれやヒョウが急に降ることはこちらでもあるのですが、それで車が滑ってしまうことがあるなんて! 7千ドルは痛いですよね。ドルということは、アメリカにお住まいですか? お車がトヨタなんですね。外国に住むと、やっぱり日本車が安心だという気がしてしまいます。本当に、お互いに、十分に気をつけて運転しましょう!
Commented by ライラ at 2014-04-23 23:00 x
なおこさん!!久しぶりにブログを拝見したら…本当にご無事で何よりです!事故から時間が経っているのに思い出させるようなコメントになってしまい申し訳ありません。我が家も、ある雨の日、夫が運転する車がスリップして危うく衝突事故寸前という経験があります。もう乗り始めてから20年を経過している我が家の車も、もうすぐ寿命が尽きそうです。車は購入するにしても、修理するにしてもかなりの大金が飛んで行きますね…
Commented by milletti_naoko at 2014-04-24 01:45
ライラさん、こんにちは。どうされているか気になっていたので、コメントをいただけてうれしいです。ライラさんたちも、車でこわい思いをされたことがあるんですね。今日の昼のニュースで、1930年代に定められた現行の法律では、交通事故に対する刑罰が甘くて、麻薬やアルコールを摂取していたり、無免許だったり、規定の倍以上のスピードを出したりして死亡事故を起こしてさえ、禁固刑数年、あるいは結局牢には入らずじまいということもあり、思いがけぬ事故で、愛しい家族を失った大勢の方が、この法を変えようと行動されている様子が報道されていて、改めて車や交通事故の恐ろしさを思いました。購入も修理も費用はかかりますが、命があるありがたさをつくづく感じています。
Commented by Yumi at 2014-05-09 08:39 x
なおこさん、こんにちは。
実は以前、ペンダントをなくされた日記に初めてコメントをさせていただいたことがあります。ごめんなさいね、きっと、どこの誰かしらとお思いになったことでしょう。はい、アメリカはメイン州というほぼカナダに近い寒いところに住んでおります。いつもすてきなエントリーを楽しませていただいています。驚かせてしまって、ごめんなさいね。
Commented by milletti_naoko at 2014-05-09 15:21
Yumiさん、おはようございます。そうだったんですね! アメリカのカナダと近い町にお住まいなんですね。あのときも、コメントをどうもありがとうございました。事故はこわいし、お金がひどくかかるのは大変ですが、命が助かったのはありがたいなと感じています。コメントとご愛読をありがとうございます。
by milletti_naoko | 2014-04-02 23:59 | Altro | Comments(15)