2014年 04月 06日
桜とオリーブ
ウンブリア州は、おいしく質の高いオリーブオイルの産地として有名で、緑の丘や山の斜面には、よくオリーブの木々が並んでいます。そして、そういうオリーブ園を持つ農家の人や郊外に住む人は、果物の収穫を期待して、桜やスモモ・梨・リンゴなどの果樹を、オリーブ園の近くや中に植えることが多いのです。
わたしたちが現在暮らしているペルージャの家でも、改築中のミジャーナの家でも、桜の木がオリーブ園の中、あるいは近くにあって、ちょうど今、きれいな白い花を咲かせているところです。
オリーブ同様、桜もまた、実が目当てで植えられていて、このミジャーナの桜の木にも、赤くおいしいサクランボがたくさん実ります。ピンク色の日本の桜と違って、イタリアで見かける自生の桜は、たいていこんなふうに白い色をしているのですが、植物や生物の知識に乏しいわたしは、日本の桜がピンク色なのは、実がならない分、本来実に使われるはずだった赤い色素が、花を染め上げるのに使われるからではないだろうかなんて、一人で想像して、楽しんでいます。
柳や松、梅の木などと並び、あるいは水際の桜並木で、いっせいに咲く、日本のピンク色の桜はみごとで、春が来るたび、郷愁を誘われるのですが、イタリアのオリーブ園で咲く、純白の桜にも、独特の美しさがあります。
すぐに散ってしまうというのに、それでも美しい花を精いっぱいに咲かせ、そうして、
潔く散っていく。
高校生の頃に、国語の授業中に詠んだ俳句が、子規顕彰松山市小中高生俳句大会で、入選したことがあります。
蝉鳴けり生きた証を残さんと
桜もまた、そんな思いで咲いているのでしょうか。生きた証を残すために、わたしには何ができるでしょうか。
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Ciliegi tra gli Olivi
Sono molto belli anche i fiori candidi dei ciliegi italiani che crescono tra gli olivi, piantati probabilmente per frutti. In Giappone invece piantano i ciliegi per ammirare la fioritura, vicio ai salici, prugni e ai pini. Nei due Paesi gli approcci ai ciliegi sono diversi, eppure i loro fiori sono bellissimi in entrambi i Paesi. Chissà se i fiori rosa dei ciliegi giapponesi acquisiscano tali colori grazie ai pigmenti rossi che avrebbero dovuto tingere i frutti se gli alberi dessero frutti.
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こんにちは、いつもありがとうございます。
オリーブ園に咲く桜のお花たち、いい雰囲気ですね。
皆さん果樹を植えられていて素敵ですね。
白い色の桜も美しいですわぁ。
庭のサクランボのお花も枯れました、たった1本なんですが
真っ赤に熟した実が出来るのが楽しみです。
俳句さすがですねぇ~感性豊かです~
高校生でこれだけの俳句を詠まれるのは素敵!!
確かにイタリアを訪れた時、私の場合6月が2回、9月が1回なので6月にさくらんぼがたくさんなっていた印象が強いです(笑)。
白いお花がさくらんぼのお花だとしたら、たくさんあるのが少し羨ましいです(笑)。家にも1本だけありますけどなかなか実がなりません(笑)。
いつかイタリアのオリ―ブ園で咲くさくらんぼの花、見てみたいなんて夢も出てきました(^.^)
でも日本のピンク色の桜も、イタリアの白い桜も、儚い命であることは同じなんですね(^^;短い命だからこそ、なお美しく感じるし、その間に一生懸命に観察するのかもしれません(^-^)。
なおこさんの句、なかなか素敵ですし、その意味するところがとっても深く感じます。私も、まだある桜を観察しながら自分の生きた証について考えてみようと思います(^-^)
今日の記事は、とってもありがたかったです♪ありがとうございます。
すべてに、日本人は、
いろんな思いを寄せる、
心のよりどころのような、特別な花ですよね。
さくらんぼの木、
私の家にもあるのですが、
なおこさんのところの実のなる桜のお花のほうが、
大きくてきれいに見えます☆
確かに、白い色をしていますよね。
こういう桜が、イタリアのほうには似合う気もしますね☆
最後の俳句、
なおこさんがつくられたのですか?
すごく味わい深い句ですね!
心に響きます。
素晴らしいです~!感激しました。
俳句、おほめいただいて、ありがとうございます。口語(「生ける」ではなくて「生きた」)と文語(鳴けり、残さん)が混じっているあたりが高校生らしいのですが、中2から小倉百人一首に親しんだので、こういう文語を使ったのではないかなと想像します。蝉や桜に倣って、精一杯生きたいものです。
キャンディ・キャンディのアンソニーの言葉にも、『徒然草』の兼好さんの言葉にもありますが、やっぱりはかないからこそ、いっそうに花も生も美しく、かけがえのないものなのでしょうね。
こちらこそ、俳句へのおほめの言葉、ありがとうございます♪
ありがとうございます。蝉は長い間地中に過ごすのに、地上で生きられるのはほんのわずかの期間だということを思いつつ、満身の力を込めて鳴くような蝉の声を聞いて、心に浮かんだ句ではないかなと思います。
なおこさんの文章はいつも品があるなぁと思っていましたが、高校生の頃の俳句を拝見するとやはり昔からセンスがあったのですね。とてもうらやましいです。しかし、花を愛でるというのは日本特有だとよく言われますが果たしてどうなのでしょうか。どんな国の人でもやはり四季に感動するのではと思います。写真もとてもきれいに撮れていますね。これから少しずつイタリアは暑くなるんでしょうね。私は毎年この時期ウンブリアに行っていたので、それが今年はできず画像をみて残念に思っています。
夫もですが、わたしの身の回りには、花を愛し、大切に育てるイタリア人たちが大勢います。そういう姿勢から学ぶことも多いです。ウンブリアにも春によくいらしていたんですね! お仕事でなら、お時間を取っていただくのは、なかなか難しいですが、いつかお会いできるとうれしいです♪