2014年 04月 12日
エレベーターでうっかり
上は、金曜日の日本語の授業の際の板書です。教科書の会話で、ワイン売り場はどこですかと尋ねる客に、店員が「地下1階でございます。」と答える場面がでてきたので、こんな図を書いて、日本語とイタリア語では、階を呼ぶ際の数字がずれることを説明しました。説明しながら、「地下」(イタリア語ではsottoterra)という言葉は、日本語でもイタリア語でも、「地面」(terra)と「下」(sotto)を意味する語を、二つ組み合わせてできていることに気づいて、おもしろいなと思いました。
さて、ふだんの生活では、イタリア語で話すときは、イタリア語で、日本語で話すときには日本語で考えるのですが、通訳の仕事の際には、この二言語を同時に頭の中で処理しなければいけません。
4月3日、アッシジでお客さんが滞在するホテルに同行したとき、「イタリア語と日本語では階の呼び方が一つずつずれるので、ご注意ください。」と、お客さんに言いました。フロントで、お客さんの部屋があるのはil secondo pianoだと聞き、荷物を抱えたお客さんと共に、エレベーターに入ります。頭でイタリア語だけで考えていれば、迷いもせずに「2」と書かれたボタンを押したと思います。それが、お客さんに「il secondo pianoというのは、日本語で言う3階のことですよ。」と説明したからか、うっかりして、「3」のボタンを押してしまったのです。il secondo piano、イタリア語で言う「第2の階」は、日本語の「3階」に該当はしますが、エレベーター内のボタンでは、イタリア語の「第2の階」は当然「2」で表されているのに、うっかり日本語とイタリア語を混同してしまったのです。
しかも、そのとき、冷静な頭で考えれば、もう一度、エレベーターの「2」のボタンを押して、il secondo piano(3階)で下りればよかったのですが、フロントの人の「Il secondo piano!」と言う声に慌てて、荷物を抱えたお客さんと一緒に、エレベーターで着いたil terzo piano(4階)から、階段でil secondo piano(3階)に降りてしまったのです。チェックインを済ませたあとは、昼食を取って休んでいただけたからいいものの、長旅でお疲れのお客さんに、わたしのうっかりで、階段を余分に歩かせてしまって、申しわけなかったです。
Attenzione!
in giapponese in italiano
1かい (pronuncia /ikkai/, 'piano uno') = pianoterra
2かい (/ni-kai/, 'piano due') = primo piano
3かい (/san-kai/, 'piano tre') = secondo piano
4かい (/yon-kai/, 'piano quattro') = terzo piano
*********************************************************************************************************************
Di solito non mi sbaglio, cioè quando voglio salire al secondo piano con l'ascensore in Italia, penso in italiano e premo il pulsante '2'. Ma il 3 aprile quando ho accompagnato tre signore giapponesi alla loro camera del secondo piano dell'albergo, gli ho spiegato in giapponese che la loro camera si trovava nel '3 kai' e nell'ascensore ho premuto il pulsante '3'!
*********************************************************************************************************************
LINK
- Berlitz - THE (FIRST) FLOOR (1)階(アメリカ英語)、(2)階(イギリス英語)
国によって階の数え方が違うんですか。
これは紛らわしい~。
私の場合、正しい階にたどりつけないかもです。(^<^)
もういーかい~。
もういいよー。
かくれんぼになりそうだ。(^^)/
すぐに「いいかい」(いい階)にたどり着くのは、日本を旅するヨーロッパ人観光客にとっても、イタリアやイギリスを旅する日本人観光客にとっても、簡単そうで、難しい場合もありそうです。
ヨーロッパ旅行に行くといつも困るのがこれです!
何度行っても慣れません(笑)。この階の表記の違いは、あなどることなかれですよね!旅行中は、とにかく動きまわり疲れてホテルに到着して
います。たいてい説明はしていただいて。それぞれが自分で自分の部屋へ行くのでその時皆が同じ階(ツアーの仲間)なら問題ないのですが
だいたいが小さい規模のホテルなので階がそれぞれ違うのです。疲れているのにエレベーターのボタンを押し間違うこと多々あり、時には父とけんかになりそうになったりします(笑)。ということは、何度も間違えているということです(笑)。私のうっかり度もなおこさんに負けてないということです(笑)。こうして記事で紹介していただくと、ヨーロツパ旅行される方助かると思います(^^)。
自分の足で階段を上れば、こういう違いにもすぐ気づけるのですが、日本のホテルは高い建物にあって、エレベーターがあることが多いので、イタリアやイギリスからの旅行客で、階を間違えて困る方も多そうです。どなたかのお役に立てば幸いです。
そう言えば、このときのお客さんとペルージャの店で昼食を取ったあと、お客さんが、トイレの水をどう流していいか分からずに、具合が悪くなったことを知らせるための呼び鈴を鳴らすひもを引っ張ってしまったので、店主が慌ててトイレに駆け込み、わたしが、「水洗用のひもと間違えた可能性が高いと思います。」と言いつつ、同行したということもありました。非常用の呼び鈴は、わたしもかつてどこかのトイレでうっかり鳴らしてしまったことがあります。ホテルやトイレによって、水洗の仕方や電気のつけ方が違うので、こちらに住んでいても分かりにくいことや、間違えることは、たまにあります。というか、デザインばかり重視して、どう使っていいのか分からない、困った蛇口やスイッチが、多すぎる気がします。
本当に混乱しますよね。
英語でも、アメリカとイギリスでは違いましたよね、確か。
昔、「えーと今は、イギリス式?アメリカ式?」と一瞬頭で考えてから処理するワンテンポが必要で、混乱した記憶があります。
同時通訳のお仕事は、
耳と、口と、頭とをそれぞればらばらに働かせながら言語を処理していかなければならないから、
すごく大変だとお聞きしたことがあります。
思わずうっかりも、無理もないことかもしれませんね。
↓の記事、
本当に、日本は外国語の取り入れ方が、適当なところがありますよね。
私がコメントで書いたファッション誌の件、
もう慣れましたけど、
昔、「マストアイテムなビジュー」なんて表現に、目が点になったことがありました(笑)。
言葉や文化が違うことや、時代とともに文化が変化することには、
それを理解して、柔軟に対応していくことが求められますが、
日本は、
もう少し自国と他国の文化を深く理解して、
自分の国の文化や言葉も大切に扱いながら海外の文化を取り入れられたらいいなと思いますね☆
すずさん、わたしも同感です。日本に昔存在しなかった衣類の名前はともかく、コーディネートなど、日本語で十分に表現できそうなのに、片仮名ばかり使っている場合が多すぎるのではないかと。外国語を学ぶ必要があることと、日本語でむやみやたらに外来語を使ったり、外国の原音に近づけようとしたりすることは、別の次元の問題だと、わたしは思います。他国の文化を学ぶことは、意外と改めて自国の文化を見つめ直す機会にもなるのですが、やっぱりまずは、自国の文化や言葉を大切にすることが必要で、そうして初めて、他国の文化を受容し理解できる土壌ができるような気がします。