2014年 05月 22日
同業者敵対よりも譲り合い

リミニに住む、夫の親友のフランコは、バリスタ、木製家具職人とさまざまな職業を経験し、10年ほど前には、自らの家を、時に友人や専門の職人の助けも借りながら、数年かけて、自らの手で建てた人で、好奇心旺盛で、これはと思った知識や技術はうまく身につけてしまう器用な人です。リミニの自宅から、約3000kmの道のりを歩いてサン・ティアーゴ、そしてフィニステレまで歩いたこともある巡礼の達人でもあるフランコは、現在は、水道工事職人として働いています。
心優しいフランコは、昨年、家の基本構造の上階の改築が終わった頃から、時々週末にはるばるリミニから駆けつけて、改築作業を手伝ってくれています。トイレも、シャワーの床に敷く石はわたしたちが川原で拾い、設置するシャワーなどを選びましたが、夫がトイレの壁を塗る際に手伝ってくれた上、配管の設置もしてくれました。余談になりますが、2週間前に初めてここでシャワーを浴びたときは、床の上の石の足触りもよく、川原で滝水を浴びているようで、とても心地よかったです。

それはさておき、フランコによると、水道工事店どうしでも、特に仕事が立て込んで、自分たちでは仕事が引き受けられないときに、知人の店を紹介するなど、仕事を譲り合うことがあるそうです。時には、見積もりを頼まれた仕事を、さまざまな事情で自店では引き受けたくない、引き受けられないというときに、わざと他店にその店が出した金額を聞き、わざとそれよりも高い金額を請求して、仕事がその業者に行くようにすることもあるそうです。水道工事職人どうしで、そんなに仲がよくて、互いに料金を知らせ合うようでは、「できるだけ安く仕上げるために、いろいろな業者に見積もりを頼もう」とする客が、料金を高く取られることになるのではないかと、話を聞いて、驚きながら心配もしました。ただ、これはリミニのことで、それに、フランコの雇用主がかなりのお人よしで、すでにした仕事の料金の催促ができないばかりに、借金を抱えて困ることさえあったとのことなので、特別な例かもしれません。
わたしたちがミジャーナの家の改築に際して、水道工事の見積もりを依頼した業者は三つあり、最初に頼んだ業者は、料金も高かったのですが、その後、執拗に電話攻撃がありました。遠いから難しいだろうと、わたしたちは言ったのに、フランコがうちの店でも見積もりだけは出すと言うので、リミニの水道工事店にも見積もりを頼むと、こちらの方がかなり安くさえありました。最終的には、だれかに紹介してもらった、ポンテパットリの業者に頼むことにしたのは、料金も一番安かったのですが、本来難しいはずの専門的なことも、わたしたちに分かるように、ていねいに説明してくれて、いろいろと希望も受け入れてくれ、信頼がおける人だなという印象を受けたからです。フランコとフランコが勤める店も、もちろん信頼はしているのですが、リミニはペルージャから片道2時間半はかかるため、往復が大変である上に、たとえば電気やガス、左官職人などと、話し合いをしながら、あるいは一緒に作業をしなければいけないときに、遠距離だとそれも難しいために、地元のこの業者に頼むことにしました。
ミジャーナの改築については、建築士は義弟の知人に頼み、左官職人は見積もりの金額を比較して、一番安かった業者に頼んだのですが、どちらも仕事はひどくいいかげんな点が多く、料金だけは水増しして請求をされて非常に困っていて、仕事を頼んでよかったと、心から思える業者は、この水道工事店だけです。やはり大切な仕事は、人の紹介でも料金でもなく、実際に仕事に当たる人に接してから決めなければいかなかったと、後になってからですが、つくづく思いました。
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やはり、車のみならず、水道工事や左官工事でも同じことが言えるのですね!基本は、仕事に対する姿勢というか、意気込みというか、そういうものを確かめるには、直接会ってじっくりと話し合いをするということがいかに大切であるかをなおこさんの記事を通して勉強になりました~(^-^)
家の夫も大抵のことは自分でやってしまう器用な人で、先月、水道管が家の中で(といっても壁の中から漏れている音が聞こえてました)漏れていて、水道工事の方を呼んだけど、見積りが酷く高かったので、自分で直すことにして、実際直しました!前に水道工事を少し経験はあるのですが(笑)。数千円で直って、見積りなんと50万以上すると言われたのです~(笑)
本当に業者選定するのは、よ~く考えて話し合いをしてから決めないといけません!
改築・改装にはいくつかの業者が必要です。信用できるかどうかは合って話したほうがいいのでしょうが、うまくいく場合とそうでないことがあります。私の改装をお願いしているシモーネにあまりの期限延期は非情だと抗議して、やっと動いてもらっています。あまり文句を言ってもうまくいかないのがイタリアですが、やっぱりいわなければいけないことは言わないといけません。その匙加減が私にはまだまだですね。
大切な家の改築を頼むのだから、もっとしっかりと業者選びをしておけばよかったと、反省と後悔の思いを込めつつ、書いてみました。