2014年 05月 23日
とVS e, et, and
onesto e gentile / honnête et gentil / honest and gentle、「誠実で優しい」と、形容詞を並べるときにも使うことができますし、二つ以上の動詞や句、節、はては、文を並べるときにさえ、この接続詞が活躍します。
たとえば、『Le Petit Prence』の原書、フランス語版ので、探してみると、次のような例が見つかります。
- J'aurais dû la juger sur les actes et non sur les mots.(句の並列)Elle m’embaumait et m’éclairait.(動詞の並列)[Chapitre VIII].
- Tu reviendras me dire adieu, et je te ferai cadeau d’un secret. (文の並列)[Chapitre XXI].
今、日本語を教えている生徒さんは、イタリア人で、フランス語と英語を知っています。すでに知識があるどの言語でも、文の要素や文を並べるときには、接続詞一つ、e/et/andを間に入れればよかったので、日本語で話していても、ついつい
・パンを食べます。と、コーヒーを飲みます。
・ローマは有名です。と、きれいです。
といった具合に、動詞や形容詞、文まで「と」でつないでしまうので、「日本語の『と』は、イタリア語のeや英語のandと違って、名詞や代名詞しか並列できません。」と、注意を促しています。どちらの文も、「そして、それから」のような接続詞を使っても、言い換えることができるのですが、生徒さんが文を区切らずに、「食べ(て)、コーヒーを飲みます」、「有名で、きれいです」といった表現も、難なく言えるようになるのは、こういう表現を学んだ1か月後のことになるでしょう。
冠詞も名詞の性・数も、動詞の主語の人称による変化もなく、そういう面では文法的に楽に見える日本語ですが、こんなふうに、ロマンス諸言語や英語とはメカニズムが違っていて、同じ手段が適用できないことも多いので、やっかいです。
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↑ 『星の王子さま』イタリア語版の一節を、イタリア語学習の聴き取り、かつ読解の教材として取り上げています。YouTubeの朗読音声へのリンクつき。