2014年 05月 26日
ボローニャ出発、Via degli Dei1日目

まずは、中心街のマッジョーレ広場を目指し、時に歴史的建造物を見やりながら、建物の脇にはりめぐらされた柱廊を進みました。

イタリアで最も大きい教会の一つであるというサン・ペトローニオ聖堂を訪ね、旅の無事を祈ります。今回の旅で歩いた「神々の道」(Via degli Dei)は、名前に「神」(Dio)とあっても、Deiと複数形になっています。こう呼ばれるのは、古代ローマがまだ多神教だった時代に崇めていた神々の名を持つ山をいくつか通るからではないかと言われています。時に古代ローマ人が築いた道や、中世に人々が行きかった道を通り、アッペンニーに山脈の自然の中を歩くトレッキング・コースであって、聖地をめぐることが目的の巡礼ではありません。それでわたしは、今回は巡礼証を持参しなかったのですが、サンティアーゴ巡礼も数度経験した友人たちが、サン・ペトローニオ聖堂で、巡礼証に印を押してもらっていたので、わたしもメモ帳に、印をもらいました。

Via degli Deiの本が勧める基本コースは、フィレンツェまでの道のりが126.6kmで、理想は7日間とあるのですが、諸事情で、わたしたちは、月曜から土曜までの6日間で、フィレンツェまで歩くことになりました。さらに、初日は、ボローニャ郊外のサン・ルーカ聖堂も訪ねる、少し遠回りをするコースを選んだため、なんと道のりが35kmになりました。そこで、初日だけは、できるところでバスや電車も利用することにしました。
バスを利用して、サン・ルーカ聖堂の世界一長い柱廊の門の前に到着し、柱廊を上って行きます。

アーチが666、長さ3796mという柱廊は、階段や坂をいくら上っても終わりがないように見えました。

ようやく聖堂にたどり着いてからは、教会を訪ね、風景を眺めたりしながら、一休みし、記念撮影をして(昨日の記事)、再び出発しました。

聖堂前の道路をしばらく下って、この門の脇から中に入ると、一面が緑で驚きました。

緑の山を下って、カザレッキオ・ディ・レーノの町にたどり着き、昼食にピザやパニーノを買いました。カザレッキオからサッソ・マルコーニまでは、レーノ川沿いの道を歩く代わりに、電車で移動しました。
サッソ・マルコーニ駅で昼食を終え、しばらく休んで出発しようとしたのは、午後1時前のことではないかと思います。このとき、サブリの登山靴の底が突然ぼろぼろになるという事態が発生しました。近くの人に頼んで店の場所を聞き、スピーディがつきそって、登山靴を探しに行く間、わたしたちは駅で約2時間待ちました。ようやく二人が戻ったのは3時前のことで、登山靴を売る店が開くのはこれからと聞いて、靴を買うために残る二人を後にして、4人で出発しました。

122と、CAIのトレッキング・コース番号が記された橋を通って、レーノ川を渡ります。

自然保護地域に入り、森の中を歩きます。

森を抜け、草に覆われた山のなだらかな頂に出ました。きれいな蘭の花が咲いています。森の中にはホタルブクロやキンポウゲ、森を出ると、エニシダや野バラの花が、あちこちに咲いていました。

しばらく歩くと、それは見晴らしのいい場所があります。緑の木々の向こうにレーノ川が、右手奥の横に長い丘の上には、サン・ルーカ聖堂が見えています。

途中、本来のコースはひどく回り道をしているから、近道をしようという提案があって、122番ではなく110番トレッキング・コースを進んだのですが、ひどい急傾斜を何度も上り下りしなければならず、大変でした。この晩宿泊した宿の主人も、本来のコースの方が楽に歩けたはずだと言っていました。急がば回れ、であると同時に、地図では単に距離だけではなく、標高差もよく見なければいけないと痛感しました。登るのが苦手なわたしは、ふだんは標高差には注意を払うのですが、この日はまだ地図もガイドも入手することができておらず、疲れていたので、地図を広げて話し合う皆の話を、地図も水にただ傍らで聞くだけでした。

上り下りを繰り返し、山を越え、町を越えて、ようやく見晴らしのいいなだらかな山の頂に到着しました。この辺りは、表示がなかったり、分かりにくかったりして、この道でいいのかと不安に思いながら歩いたことが、何度かありました。奥の方には、翌日登ったアドーネ山(Monte Adone)の頂が見えています。

山を下り、ようやく宿に到着したのは、午後7時20分のことでした。

しばらくすると、登山靴を探しに行った二人も、いい登山靴を見つけて購入し、宿に到着しました。道のりが長い上に、出発が遅れたので、途中でバスを利用したかと思ったら、なんとサッソ・マルコーニ駅から、全行程を歩いたとのことです。
山あり谷あり、ハプニングもあり、道に迷いながら、今回の旅で一番長い道のりを歩き通して、疲れてはいましたが、目的地にたどり着けたという喜びや達成感と共に、アグリトゥリズモのおいしい夕食を楽しみました。
VIA DEGLI DEI 1°giorno lunedì 19/5/2014
Bologna - Santuario di San Luca - Casalecchio di Reno - Sasso Marconi - Badolo - Monte del Frate - Piccola Raieda
- Bellissimi il Santuario di San Luca & panorami dalle cime di colline coperte dalle ginestre.
- !!! A Sasso Marconi d'improvviso si sono sgretolate le suole dei scarponi di una nostra amica. Grazie alle informazioni data da gentili cittadini, dopo tanti giri di negozi, per fortuna è riuscita ad acquistare ottimi scarponi.
- Per chi parte dalla stazione di Sasso Marconi, per arrivare al Monte del Frate nel bivio è meglio prendere il sentiero 122 e non seguire il sentiero 110-VD che passa per il paese di Badolo, perché facendo quest'ultimo abbiamo dovuto affrontare alcuni saliscendi davvero pazzeschi (ad es. pareti rocciose estremamente ripide).
- Intorno alla cima del Monte del Frate c'erano alcuni bivi dove non abbiamo trovato nessuna indicazioni.
- Cena squisita all'Agriturismo Piccola Raieda
関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- Via degli Dei ~歩いてボローニャからフィレンツェへ / Trekking da Bologna a Firenze (25/5/2014)
- アドーネ山と熱い男たち、Via degli Dei2日目 / 2° giorno Piccola Raieda - Monte Adone – Madonna dei Fornelli (20/5/2014)
Riferimenti web & bibliografici
- it.wikipedia – Via degli Dei
- ”Il sentiero degli dei. Da Bologna a Firenze”, Paolo Cervigni
”La via degli dei. Da Bologna a Firenze sull'antica strada romana e per sentieri di montagna”
- "Guida alla via degli dei. Da Bologna a Firenze e ritorno" (Terre di Mezzo)
- Agriturismo Piccola Raieda – Via Brento, Sasso Marconi, Bologna


旅にハプニングはつきものですが、登山靴の件は大変でしたね。これが無いとどうにもなりませんし、まさかの初日にって・・・災難でしたね。この日は天気もよさそうでしたし、登山日和だったのでしょうか。限られた時間で目的地まで歩かなければいけないというのは大変だったとは思いますが、野山の間で花を愛でながら歩くなおこさんが想像できました。次のお話も楽しみにしております。
ボローニャの中心街は、3年前に訪ねたので懐かしく拝見しました♪
どうやってペルージャから移動されたのかな?と思っていたので電車だったのですね(^-^)
それにしても1週間で126.6kmとはすごい計画ですね~!
イタリアは、ハイキングコースが日本よりは整備されているのではないでしょうか?番号がついてるのでそう感じました。
でも地図を見るのは難しいですよね!よくこちらでは、お遍路さんの方に道を尋ねられて、この道は近そうに思いますが高低差があって大変ですよ!ということがそういえばあります。地元でよく知っている道ならそう答えられますが、知らない場所だとそうはいかないものですよね。
お花がキレイですね~♪ホタルブクロ、キンポウケ、エニシダ、野バラなんかもあるのですね。日本と同じお花だ(^-^)お写真に写っている蘭とアザミの色が素敵ですね♪

実はボローニャには思い出があって、この土地の名前を聞くと蘇るのですが、初めて一人でフィレンツェに行った時、アリタリア機が何の前触れもなく、突然フィレンツェではなくボローニャ空港に着いてしまってパニクりました。ユーロスターでフィレンツェまでどうにかこうにかたどり着きましたが、確か一時間は有に掛かったと思います。そんな距離があるのに、平坦な道ではないのに、ほんとによく歩かれましたね。その気力と体力にただただ感嘆の思いです。きっとこれが本来の旅なのだろうなあと思いながら読ませて頂きました。ボローニャは、いつも鉄道の乗り換えのみで通り過ぎるのですが、なおこさんのブログを読んで一度ゆっくり訪れたくなっています。

こうやって全荷物を背に長距離を歩くのは久しぶりだったのですが、歩きとおすことができて、きれいな花や風景にもたくさん出会えて、とてもうれしかったです♪
ブログのお友だちで、日本で登山をされている方の記事を見ると、登山コースの表示についてはあまり日伊で差がないけれど、日本の方がトイレや食事ができる場所、駐車場が整備されているという印象を受けます。ただイタリアには、全国共通のCAIの赤と白のマークで印された登山コースがあり、このCAI(イタリア山岳クラブ)の道標に助けられることが多くあります。
アリスさんはそうやって、お遍路さんに道を教えられることが時々あるんですね! 長い距離を歩くと、高低差は特に急傾斜すぎると歩くのが大変なので、情報はとても貴重だと思います。
日本にもエニシダが咲いているんですね!! イタリアでは5月にあちこちの野山や道端で見かける花で、わたしはイタリアに来て、初めて知りました。
かずさんは、イタリア各地をたびたび旅行されているので、いろんな場所にそれぞれの思い出があって、すてきですね。初めての個人旅行で、最初にそんなことがあっては、さぞかし不安に思われたことでしょう。わたしたちはできるだけ早くボローニャに到着するべく、フィレンツェからやむなくFrecciaArgentoを利用したのですが、高いけれどもフィレンツェからなんと37分! 時間にも正確でした。トンネルの中ばかり走っているようで、風景が見えないのが残念でした。そうして、着いたボローニャ駅が改築中で、友人たちと待ち合わせていた駅前がどこか分からず、従来の駅前まで行くのにも苦労しました。(つづく)
ありがとうございます。2009年に初めて巡礼をしたときは、あれは聖なる森林を歩いてラヴェルナを目指す旅でしたが、自分にもできるかと不安だったのですが、意外とできるものです。あのときは6日で約90kmだったけれど、標高差が激しく、2011年10月にリエーティからローマを目指して、聖フランチェスコの足跡をたどって歩いたときは、今回同様道路が多く、標高差もそれほどないので、約125kmをやはり6日で歩き通すことができ、そうやって少しずつ経験を重ねて、自信と体力がついてきました。わたしもいつか、ボローニャをゆっくり訪ねてみたいです♪
サン・ペトローニオ聖堂に見えるのは、イタリアの教会では、祭壇に時々見かける天蓋(baldacchino)です。バチカンのサン・ピエートロにもありますよね。確かにこの天蓋は、中央が屋根のように持ち上がっていて、そんなふうにも見えますよね。写真では遠いので分かりにくいのですが、壁はなくて、四本の柱だけで支えてあります。