イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

アドーネ山と熱い男たち、Via degli Dei2日目

 長距離を歩いた初日の疲れも、アグリトゥリズモ・ピッコラ・ライエーダのおいしい夕食や朝食で吹き飛びました。

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Agriturismo Piccola Raieda 20/5/2014 9.35

 親切な宿の主人と記念撮影をしてから、出発です。ルチャーノは先を急ぎ、このときにはすでに旅立っていました。アドーネ山の頂上を目指して、険しい山道を登っていきます。

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10.12

 岩が切り立つ山頂が見える場所で、夫たちは腰を下ろして、雄大な眺めを前に瞑想しています。

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10.27

 きれいな野の花もあちこちに咲いています。上り坂はさらに続き、振り返ると、前日に尾根道を歩いたMonte del Frateと、その絶壁が見えます。

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10.34

 ようやく頂の十字架が見えてきました。

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Cima del Monte Adone 20/5/2014 10.44

 標高は655mで決して高くはありませんが、頂上からの見晴らしは、格別です。

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10.59

 しばらく休んでから山を下り始めると、なんと前後に大きな荷物を抱えて、駆け足で登ってくる男性たちがいます。話をすると、ボローニャの消防団員の方たちで、非常時に人命救助を速やかに行えるように、訓練として登っているとのことです。

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11.25

 エニシダ(ginestra)の香りに包まれながら、アドーネ山を下りました。

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Brento 11.39

 山を下りてからは、かなり長い間、車道を歩きました。写真の左手に見える建物の辺りで、改築作業を行っているので、スピーディたちが尋ねると、なんと巡礼をする人などのための宿を建てているところだということで、まだ形ができ始めたばかりの部屋などを見せてもらいました。

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12.43

 野バラや見晴らし、緑の美しい車道をひたすら歩き続けます。先ほど山頂に登ったアドーネ山や、昨日尾根道を歩いた山、Monte del Frateが、もうこんなに小さく見えます。

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Flaminia Militare 187 a.C. 12.47

 白と青の標示は、古代ローマ人が紀元前187年に、軍事目的にボローニャからトスカーナまで築いた道であることを示しています。その右にはBO-FI、019と書かれた道しるべがあって、その同じ道が、ボローニャ(Bologna)・フィレンツェ(Firenze)を結ぶトレッキング・コースでありかつ、CAIの19番トレッキングコースでもあることが分かります。この先しばらくは、この古代ローマの道を歩きました。

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Gustavino&Passalacqua Selve, Monzuno, Bologna 14.31

 再び車道に出て、わたしたちを追い越したオランダ勢が、バス停で昼食休憩をしているのに出会いました。モンズーノの村の手前に、おいしいレストランがあると聞き、さらに車道を歩き続け、2時過ぎにようやくこの店にたどり着いたときは、ほっとしました。店の主人は、推理小説を書き、店を売ってコスタリカに移住したいと考えている、とてもおもしろい人でした。

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17.55

 さらに車道を歩いてモンズーノの村に着き、そこからまたなだらかな丘を登り、さらに森に入り、ひたすら歩き続けます。

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19.57

 途中、急ぐ友人について歩いていったら、間違った道だったりもして、この日は宿に着く前に日が暮れてしまいました。

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Madonna dei Fornelli 20.40

 宿泊地のマドンナ・デイ・フォルネッリに到着したのは、ようやく8時40分のことです。宿は、写真の教会の向かいにあるホテルです。

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 このホテルのバールで、今回歩いたVia degli Deiのガイドブックが売られているのを見て、すぐに購入しました。今回のトレッキングは、行き先が直前に決まり、ガイドがペルージャでは手に入らず、ボローニャを出発して以来、ずっと探していました。夫はコースの詳しい地図を、スピーディはコースの別のガイドを持っていたのですが、いろいろ見比べて、マヌエーラが持っていたこのガイドが一番よさそうだと考えていたのです。

Via degli Dei 2°giorno 20/5/2014

- Piccola Raieda - Monte Adone - Brento - Monzuno - Le Croci - Monte del Galletto - Madonna dei Fornelli

- Stupendo il panorama dalla cima del Monte Adone, dove abbiamo incontrato i vigili del fuoco di Bologna che facevano una esercitazione per soccorsi.

- Abbiamo continuato a camminare, a volte sbagliando la strada. Siamo arrivata a Madonna dei Fornelli alle 20.40!

- Ho acquistato la guida, ”Il sentiero degli dei. Da Bologna a Firenze” di Paolo Cervigni (Outodoor Editions) all’albergo di Madonna dei Fornelli. Mio marito aveva una cartina dettagliata del sentiero e un’amica aveva questa guida e un nostro amico l’altra, ”La via degli dei. Da Bologna a Firenze sull'antica strada romana e pe r sentieri di montagna” (Tamari Montagne). Tra questi tre secondo me il migliore è questa guida, “Il Sentiero degli Dei” di Paolo Cervigni. Le descrizione dei sentieri sono molto chiare; le mappe sono piccole ma segnano bene i punti fondamentali.

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- Via degli Dei ~歩いてボローニャからフィレンツェへ / Trekking da Bologna a Firenze (25/5/2014)
- ボローニャ出発、Via degli Dei1日目 / 1°giorno – Partenza da Bologna (19/5/2014)

Riferimenti web & bibliografici
- ”Il sentiero degli dei. Da Bologna a Firenze”, Paolo Cervigni (Outodoor Editions)
- ”La via degli dei. Da Bologna a Firenze sull'antica strada romana e per sentieri di montagna” (Tamari Montagne)
- Agriturismo Piccola Raieda – Via Brento, Sasso Marconi, Bologna

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2014-06-09 11:27
なおこさん
こんにちは♪
素晴らしい、古代ローマ人も歩いたであろう道を歩くなんていいですね~(*>∀<*)皆様揃っての昼食は、和気あいあいとして美味しかったでしょうね~♪
素晴らしいトレッキングをされましたね~(*>∀<*)
Commented by milletti_naoko at 2014-06-09 14:57
アリスさん、おはようございます♪ このトレッキングコースは時々その道と交わったり、その古代の道を進んだりします。古代ローマ人が築いた石の道がまだきれいに残っているところも時々あって、興味深かったです。

ブレントで、店のあるモンズーノまでの距離を聞くと、人によって4キロ、7キロ、10キロと答えが違い、予想以上に長い距離を歩いて、ようやくこのレストランにたどり着いたときは、本当にほっとしました。ピーマンなどの野菜とじっくり煮込んだ肉料理がおいしかったです♪
Commented by ムームー at 2014-06-09 18:25 x
のこさんこんにちは。
古代ローマの道だんなてロマン溢れますね。
こんなに見晴らしがいい山道を歩かれたのですね。
お花が咲き山々や街並みが見えて素晴らしい~
レストランの美味しいご馳走でほっとしますね。
素敵な生活を見せていただいて嬉しいですわぁ。
いつもありがとうございます。
Commented by toto at 2014-06-09 21:09 x
なおこさん、こんにちは。歩いてますね〜。低いと言えど、登ると高く見えますね。お天気が最高に良くて気持ちよさそう!
こういう山歩きのときにいただくお食事は格別でしょうね!
サンチアゴの巡礼で出会ったというイタリア人とスペイン人のカップルがいますが、「人は必要なときに巡礼の道を歩いているという。だから僕たちは出会ったんだ!」と言ってました。
なおこさんたちも、何かに呼ばれて巡礼の道をたどっているのかもしれませんね!
Commented by milletti_naoko at 2014-06-10 01:12
ムームーさん、古代ローマ人が敷きつめた石の大部分は、おそらくは家を建てるなど他のことに使うために持ち去られて今はもうないのですが、そういう石がまだきれいに残っているところも時々あり、かつて大勢が移動していた様子を想像して、ロマンを感じました。野バラやエニシダなど、野の花や風景がきれいで、励まされながら歩きました。こちらこそいつもありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2014-06-10 01:18
Totoさん、目前に平野や山並みが広がって、眺めがすばらしいので感動しました。標高は高くありませんが、傾斜がかなり急で、上り坂が続くので、重いリュックを背負っていたためもあり、苦労しました。ようやくありつけた食事は本当にありがたかったです!

わたしもサンティアーゴへの巡礼中に出会った結婚した、日本人とイタリア人のご夫婦を知っています。人生や出会いって本当に不思議ですよね。今回一緒に歩いたうちの3人はすでにサンティアーゴまで歩いたことがあり、もう何度も巡礼をしている人さえいます。わたしはラヴェルナ巡礼から始めて、ローマからリエーティまで、スビアーコからモンテカッシーノまでと、これまでは聖フランチェスコや聖べネデットの足跡をたどるまさに巡礼をいくつかしたのですが、今回の旅は、宗教が主目的ではないとは言え、修道院に宿泊したりもして興味深かったです。いつかサンティアーゴにも行くつもりでいます。
Commented by nagisamiyamoto at 2014-06-10 04:45
なおこさん、こんばんは
最近の猛暑を考えるととてもいい時期に巡礼をされたと思います。先週、私はフランチジェーナを通る巡礼の方々(だと思うんですが)に出会いましたが汗びっしょりでしんどそうでした。
いずれにしても何かをやり遂げるって達成感が自分の自信になったりするものです。私もまた何かに挑戦してみようかしら。
Commented by milletti_naoko at 2014-06-10 06:30
なぎささん、こんばんは。本当に、暑さもですが晴天続きで花粉症がぶり返したりもして、いい時期に歩けてよかったなと思っています。6月に入ると暑くなるので、重荷を背負って歩くのは大変ですもの。わたしたちもたいていは5月頃・10月頃に巡礼をしています。

初めてラヴェルナまで歩いたとき、大丈夫かなと思ったのですが、やってみると意外と歩けるものです。夫との山登りでも、これだけ歩いた、登ったという達成感は、おっしゃるように自信にもなるし、どんなに大変なことでも、一歩一歩進んで行けば、いつかは目的に到達できるんだという確信もできます。ああ、フランス語を放りっぱなしでいけません。
by milletti_naoko | 2014-06-08 23:28 | Via degli Dei(BO-FI) | Comments(8)