2014年 06月 14日
フィンエアー問題中間報告
以上の情報を、カンポさんの記事(リンクはこちら)で知り、まずは、紙で発行するイタリア側と、紙だからと搭乗拒否をするフィンエアーやフィンランド側と、どちらに責任があるかを知ろうと、Europe Directにメールで問い合わせ、メールで返事を受け取ったのは6月2日、メールでは疑問だった点を、さらに電話で問い合わせたのは翌6月3日のことでした。
3日の電話では、フィンランド当局に8営業日以内にわたしに直接答えるように伝えるとのことだったのですが(以上、詳しくはこちら)、実は翌4日に再びEurope Directからメールを受け取り、ひょっとしたら、フィンランド当局からのメールはないかもしれないと感じていました。というのは、このメールによると、前回のメールでは「紙でも有効」と言っていた家族証が、EU法に従って発行され、「EU市民の家族用の滞在証」と記載があれば、他のシェンゲン協定加盟国でも有効だけれども、そうではなくて、EU法の下ではなく、かつてのイタリアの移民法によって発行されたものであれば、生体認証ができるプラスチック製でないと無効だとあるからです。わたしの場合は申請が、EU法に基づいた滞在証が発行され始めたあとでもあり、滞在証にきちんとCarta di soggiorno familiari di cittadini UEという記載があります。その場合には、まずはフィンランド外務省のパスポート・ビザ課に、さらに詳しい事情が知りたければ、在イタリアフィンランド大使館に問い合わせるようにとのことです。
実は、3日に電話した際、担当者が「フィンランド当局に直接問い合わせます」と言ったとき、わたしは、「メールでも書いたように、わたしは直接被害を被った当事者ではないのですが」と言ったのですが、担当者は、「それは関係ありませんよ。」と答えていました。実際、3日の電話の際は、最初に電話口に出た人に頼んで、前日わたしのメールに答えた担当者に代わってもらい、その方は、わたしとのメールでの応答を画面で見ながら、質問に応じてくれていました。けれども、同じ方が書いたはずの最後に引用するメールで、電話の質問の要約を見ると、わたし本人がフィンエアーに搭乗を拒否されたことになっています。おそらくは、やはり、フィンランド当局に問い合わせるにあたって、質問者は当事者の方がいいと考えてのことでしょう。
それはさておき、日曜日を除いての8営業日目が昨日金曜日であり、おそらくフィンランド当局にはまだ連絡が行っていないことを確信しました。さらに、これまでの間に、ローマのまゆみさんの記事で、JALを利用して日本に向かう途中も、ヘルシンキ空港で問題が起こる可能性があると知り(リンクはこちら)、こういう場合どこに問い合わせたらいいかを尋ねても答えがまちまちでとまどっていたところ、とすかーなさんの記事で、やはり大使館ではなく、直接関係機関に尋ねないとらちがあかない(リンクはこちら)と確信しました。それで、昨晩質問のメールを書き上げ、今日何度か読み返して、フィンランド外務省のパスポート・ビザ課とフィンランド国境警備に、同一のメールを、今晩送付したところです。懇願調(困っています!)・丁寧調(早く回答をいただけるとありがたいのですが)・詩的攻略(かつては遠く美しい国と日本では感じていたフィンランドが)など、どんなふうに書くかいろいろ考えたあげく、単刀直入で、簡潔に質問やこちらの意図がすぐに伝わることを重視して書いたので、どうも失礼な文面になったという気はするのですが、虚飾を廃した方が、言わんとすることが理解してもらいやすいと考えました。
返事を待つ間、まずは皆さんに、6月4日にEurope Directから受け取ったメールを、下記に引用してご紹介します。
Having received this answer from Europe Direct, I wrote directly to the Finnish Border guard. Now I'm waiting for its answer.
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Oggetto: Domanda a La tua Europa - Consulenza n. 148884 04/06/2014 18:14
Da: youreuropeadvice-allocations@ec.europa.eu
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Egregio signore/Gentile signora,
le inviamo la risposta alla sua domanda. Le ricordiamo che le risposte di La tua Europa - Consulenza sono formulate da esperti indipendenti e non possono essere considerate come una presa di posizione della Commissione europea, di una qualsiasi altra istituzione dell'UE o del suo personale, né tantomeno sono vincolanti per la Commissione europea o qualsiasi altra istituzione dell'UE o nazionale.
Dear Sir,
Thank you for contacting Your Europe Advice.
The European Union has introduced a uniform format for residence permits for third-country nationals. Regulation 1030/2002 laying down a uniform format for residence permits for third-country nationals sets out the general characteristics of the uniform format. According to the Regulation, biometric identifiers are used in the residence permits to verify the authenticity of the document and the identity of the third-country national in question. The identifiers consist of a facial image (photograph) and two fingerprints.
Regulation 1030/2002 does not apply to third-country nationals who are family members of EU citizens who exercise their right to free movement.
We are not aware whether your Italian residence permit has been issued pursuant to the Italian national immigration rules or the EU free movement rules. However, as you are married to an Italian and reside in Italy, it appears that your spouse is not exercising his EU right to free movement, and that your family member s residence permit has thus been issued pursuant to the Italian immigration rules rather than the EU free movement rules. If this is the case, the format requirements laid down in Regulation 1030/2002 apply to your Italian residence permit. Consequently, if your Italian residence permit does not fulfill the requirements laid down in Regulation 1030/2002, we would advice you to contact the Italian authorities again and request a new residence permit which fulfills the requirements of EU Regulation 1030/2002.
If, however, your spouse has exercised her EU right to free movement and your Italian residence permit has been issued pursuant to the EU rules on free movement (in which case the words Residence card of a family member of a Union citizen should be stated on your residence card), we would advice you to contact the Passport and Visa Unit of the Finnish Ministry for Foreign Affairs, and complain about the practices at the Finnish border. You can contact the Passport and Visa Unit by email at visas.passports@formin.fi. For further clarifications, you may also wish to contact the Embassy of Finland in Italy. For the contact details of the Embassy, please see http://www.finland.it/Public/Default.aspx.
For more details about Regulation 1030/2002 laying down a uniform format for residence permits for third-country nationals, please see http://europa.eu/legislation_summaries/justice_freedom_security/free_movement_of_persons_asylum_immigration/l33043_en.htm, and http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2002:157:0001:0007:EN:PDF.
We hope this answers your enquiry, and remain at your disposal should you require further information.
Per inviare un'altra domanda, la invitiamo a tornare al sito La tua Europa - Consulenza. Si prega di non rispondere a questa e-mail.
La sua domanda era la seguente:
Phone query:I am a Japanese citizen married with an Italian. When coming back from Japan to Italy, I had problems with the Finnish authorities who didn't accept my family member residence permit issued by Italy, as it was issued on paper. However, I checked with the Italian authorities who assured me that the paper document is completely valid. What should I do? Did the Finnish authorities had the right do not accept that document? I know that also several other Japanese spouses has some problems with Finnish authorities (when arriving to Finland) and sometimes already in Japan at the airport (where the Finnair crew doesn't allow them to board).
Distinti saluti,
La tua Europa - Consulenza
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*追記(6月15日)
あくまで専門外の一市民のわたしがという前提ですが、最近、フィンランドおよびEUの関連法に目を通していて至った結論は、紙であれ、どんな法に基づいて発行された滞在証であれ、わたしたち非EU圏出身のEU市民の配偶者、または家族には、EU圏のシェンゲン協定加盟国に出入りする権利はあるのであって、2007年4月の法施行以前に受領された方はおそらくPermesso di soggiornoという名目で取得されていたのを、新法に基づいたCarta di soggiorno per familiare di cittadino UEに変える必要があるかもしれないというだけのことではないかと思います。と言うのは、Directive 2004/38/ECでは、非EU圏出身のEU市民の家族(範囲に限定あり)には、EU市民同様に、必要な書類さえ所持していれば自由にEU圏内で移動・居住する権利があり、別項目で規定しているresidence card(イタリア語ではcarta di soggiorno)があれば、ビザ取得は不要としているからです。非EU圏出身者は、指紋など生体認証のある統一された様式の滞在許可証を所持していなければいけないと定めている項目は、この法律に確かにあるのですが、EU市民の家族は、明らかにその対象外として規定されています。フィンランド関係機関からの返事を待ちつつ、近日中にまた、そういうことが法のどこにどんな形で記載されているか、記事でお知らせするつもりでいます。フィンランドの国内法にも目を通したのですが、こちらには紙製がいけないという記載はいっさいありません。
関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- EU市民の家族用滞在証 / Carta di soggiorno per famiriare di cittadino UE / (27/6/2012)
- 紙の滞在証でも入国の権利あり / Italia vs Finlandia - Risposta da Euro Direct circa la Validità della Carta di soggiorno per familiare di cittadino UE cartacea rilasciata dall’Italia in altri Paesi Schengen (3/6/2014)
- Appeal to Finnish Authorities (14/6/2014)
↑ フィンランド外務省のパスポート・ビザ係と国境警備にわたしが直接問い合わせたメールの文面です。
- EU市民の家族とシェンゲン協定1 / Familiari di cittadino UE e Accordi di Schengen 1 (22/6/2014)
↑ ”Risolta la questione circa l’accettazione della Carta di soggiorno italiana per familiare cittadino UE con l’aggiornamento Annex 22” – così dice una email da Finnair ad una mia lettrice / フィンエアーから「イタリアの滞在許可書の承認に関する問題は、国境警備シェンゲン手引きのAnnex 22を訂正することで解決したと、フィンランド民局から確証を得た」と読者の方に連絡あり。
- EU市民の家族とシェンゲン協定2 / Familiari di cittadino UE e Accordi di Schengen 2 (23/6/2014)
- フィンランド国境警備からの返事、紙でも大丈夫 / Risposta - Tipi di carta e permesso di soggiorno cartacei accettati dalla Guardia di Frontiera Finlandese (25/6/2014)
Di seguito ho elencato gli articolo degli altri blog e la pagina della bacheca on line nei quali si raccontano in giapponese i problemi riguardanti
- けちけちイタリア徒然日記・甘辛い生活 - 行きはよいよい帰りは怖い。入国トラブル。 (2014/5/8)
- けちけちイタリア徒然日記・甘辛い生活 - やっぱりダメだった滞在許可証のカード化 (2014/5/29)
- ローマより愛をこめて - 誰も助けてくれない怖さ@ヘルシンキ! (2014/6/9)
- それでもイタリアなワケ NEW! in トスカーナ - フィンランド大使館のお返事 (2014/6/13)
- それでもイタリアなワケ NEW! in トスカーナ - フィンランド問題 最終報告 (2014/6/24)
こんなにたくさんのイタリア在住の日本人の方が、紙製の証明書によって搭乗拒否なんてひどい目にあっているなんて、私は関係のない部外者ですが、他の方の記事を読ませていただき同じ日本人として憤りを感じます!
なおこさんが、ご自分が直接の被害者というわけではないのにこうして問題解決に向けて動かれていることも気持ちはよ~くわかります(^o^;)
どうか皆様にとって良い方向に解決されることをお祈り申し上げます♪
我が家は6月8日で娘が夏休みに入り、
今週からサルデニアの海で休暇を過ごしています。
休暇前はバタバタですっかりご無沙汰してしまいました!!
滞在許可証ですが、プラスチック製が出回っていることは知っていて、携帯するにも便利だし早く切り替えた方がいいなとは思っていたのですが、警察署に行かなくてはならずそれが億劫で後回しにしていました。でもフィンエアーの状況を耳にし、私も一度現地できちんと調べる必要性を感じました!なおこさん、いつも貴重な情報をありがとうございます~!!
滞在証を紙かプラスチックか選べるのは、各県の警察の解釈によるようです。ヨーロッパの他国でも行き来に問題があるようであれば、またイタリア側にプラスチック製への更新を要求しなければいけませんが(その場合、わたしはこれは個々にではなくて、根拠を示して、イタリア人を配偶者に持つ非EU圏出身の家族滞在証所持者が協力して、イタリア内務省に呼びかけるべきものだと考えています)、とりあえずは法を行使しようという善意(?)から理不尽で非人道的な振る舞いにおよびがちであると思われるフィンランド側の回答を心待ちにしています。
EU Directの方が電話させますといってくれたけれど、私も、フィンランドからはかかってこないだろうなと思っていました。強制力はないし、向うは個人、しかも外国人に説明するために電話をするとは思えなかったので。
在イタリアフィンランド大使館の方に連絡を取られた日本の方がいらして、教えてくださったんですが、婚姻証明書があれば問題ないはずと返答されたのですが、実際それを見せても(北京にある事務所が判断するんですが)フィンエアーに搭乗拒否をされたそうです。
私の送ったメールにフィンエアーからまだ返事もないし、帰国まであと1か月になったのに、先が見えず、予定通り帰国できないかもしれません。。。もしくは帰国するのにとっても嫌な思いをしそうです。
許可証、この記事を読んですぐにチェックしてみました。私のもCarta di soggiorno familiari di cittadini UEという記載がありました。目的が家族の場合は、カードに変えてもらえないのが常ですが、ダメもとでもう一度明日クエストゥーラに行ってきます。ときどき、気分が沈みますけど、フィンエアーのチケットを買ってしまったから仕方ない。返金してほしいなぁ。誰かフィンエアーの日本の社長と知り合いの人がいたら、話が前にグッと進みそうですけど。。。
一市民がお願いしても無視するかもしれませんが、「こうこうこういう理由で、紙製でも入国できるはず」、「フィンエアーの搭乗に必要な書類にも、在イタリアフィンランド大使館のサイトの入国に必要な書類を記したページにも、こういう問題が起こっているという記述や、紙ではいけないという記述は一切ないので、こういう問題が生じ続けて、犠牲者が出続けている責任は、あなたたち自身の怠慢によるものではありませんか」とかなり挑発的な書き方をしています。法を厳密に施行しているつもりの人たちですから、ここまで書かれたら返事は来るはずと、爆弾を投げ込んだわたしです。早く返事が来ますように。
具体的にどうすればという質問は、前回の記事にあるEurope Directで電話で問い合わせるのが一番早くて、こちらの言わんとすることを理解して、答えてもらえるのではないかと思いますが、書いてあって分かりやすいのはメールかもしれません。部外者の専門家で、法的拘束力はないとは言え、すでにとすかーなさんが電話で相談をされているようですし、一応EUと協力をしている専門家なので、同種の質問が相次ぐようであれば、直接フィンランド当局に働きかけてくれる、あるいはEU機関に働きかけてくれる可能性もあるかと期待しています。
フィンランド当局から、わたしの方には連絡がまだないものの、そちらにフィンエアーから突然そういう連絡があったということであれば、フィンエアーが自らの取った処置を間違っていたと認めていたということであり、フィンエアーはフィンランド当局からの罰金などを恐れて言われるままに従っていたと考えられるので、結局、フィンランド当局自体が自らの過失に気づいたということではないかと推察します。というよりは、そうであると願いたいものです。どうか早く問題が解決しますように。