2014年 06月 25日
フィンランド国境警備からの返事、紙でも大丈夫
どうして紙製だからと家族用滞在証を無効扱いするのか等のわたしの質問に対する回答はいっさいありませんが、メールには、フィンランド国境警備がイタリア当局から情報を得たこと、そして、その結果、メール中に記されている2種類の滞在許可書に限っては、紙製であっても、出入国審査にあたって承認する旨が記されています。
“According to the information received from the Italian authorities the following residence permits in paper form are accepted exclusively in the following cases.
- Residence card with a permanent validity and issued before the entry into force of Legislative Decree No 3 of 8 January 2007, in line with Directive 2003/109/EC and made equivalent by the Legislative Decree to the EC residence permit for long-term residents
- Residence card for family members of EU citizens who are the nationals of third countries, with a five-year or permanent validity (implementation of Directive 2004/38/EC)
Best regards,
Max Janzon
Senior Inspector, Border Checks
Ministry of the Interior
Border Guard Department
Panimokatu 1
P.O. Box 3 00131 Helsinki
Tel: + 358 29 542 1195
Mob. +358 40 8289 264
max.janzon@raja.fi”
ただ、ここで二つ目に挙げられている、指令2004/38/ECを受けて、イタリアが発行した”Residence card for family members of EU citizens”(EU市民家族用の滞在証)が、イタリア語でこそCarta di soggiornoと記されているものの、英語表記がPermit of stayだったので、フィンランド国境警備では、それが家族用滞在証と気づかず、一般の滞在許可書と誤解して、ならば「EU統一様式でなければいけない」となったのではないかと思います。ともあれ、フィンランド当局は、シェンゲン手引きの添付書類Annex 22に、次のような改訂を加えることで、フィンエアー各社の空港職員や国境警備に、以下のような紙製の滞在証を、これからは承認してよいと、通達したのでしょう。
“SPECIAL POINT: PAPER FORM RESIDENCE PERMITS ISSUED BY ITALY
Annex 22(詳しくはこちら)
Italy:
2.b
1) YellowGreen -paper should be an indication of the existence of an EU citizen 's spouse / family member such as art 10D, LGS 30/2007 with the national regulations implement the EU Directive 2004/38/EC. New rule: a license is valid for 5 years, or it may be permanent ( with a five- year or permanent validity ) . In practice this means that if there is in the "yellowgreen" -paper mentioned in art 10D, LGS 30/2007, or if the form is otherwise expressed that it is a family member of an EU citizen as "Motivi Familiari " -question - permission must accept = Free Movement Directive on the basis of
2) Purple -paper form permit " Carta di soggiorno per Stranieri , "A tempo indeterminato - Permanent " should/must be accepted, a person can be a spouse of an EU citizen / member of the family or the person has resided for a long time (A -paced indeterminato - Permanent ) , Residence card with a permanent validity and issued before the entry into force of Legislative Decree No. 3 of 8 January 2007 , in line with Directive 2003/109/EC and made equivalent by the Legislative Decree to the EC residence permit for long - term residents, which is also mentioned in the previous Annex 22 listings."
以上は、フィンエアーが移民局から情報を得て、鍵コメントの方に送ったその改訂事項の詳細です。本来個人宛の文書なので、オンライン文書にこの改訂が反映されるのを待っていたのですが、それでは間に合わない方、不安な方もおいでかと思い、行政側が早く公表すべき情報を公にしていないと考えて、責任はわたしが負うことにして、鍵コメントの方の許可を得て載せることにしました。
Europe Directからの回答を受けて、わたしが非があるのはフィンランド当局だと確信し、ビザ・パスポート係および国境警備に直接メールで質問をしたのが週末だったため、両者がメールを読んだのは6月16日月曜日の朝で、国境警備からの回答はその1週間後にありました。回答には1週間を要しましたが、フィンランド国境警備は、おそらくはすぐにイタリア当局に問い合わせたものと思われ、6月18日水曜日には、鍵コメントの方がイタリアのフィンエアーから、「シェンゲン国境手引きの改訂によって、イタリアの滞在証に関わる問題が解決した」と連絡を受け、23日月曜午後には、とすかーなさんが同様に、フィンエアーの日本支社から、「Annex 22を訂正したので、紙の許可証が受付可能なものになった」という返事を受け取っているので、フィンランド側も、自らに非がある可能性に気づいてからは迅速に行動し、イタリア側に問い合わせ、すぐに間違いを正す手続きをし、フィンエアー各社および各地の国境警備に通達を徹底してから、わたしに返事をくれたのではないかと思います。
2週間前にOnopyさんが在フィンランドイタリア大使館に電話で尋ねたときには、「2014年1月19日から紙の滞在許可証は禁止されている」、「イタリア大使館としてはなんの手助けもできない」という返事しか得られず、6月11日にとすかーなさんが在日本フィンランド大使館に問い合わせ、翌日に得た返事には、「シェンゲン協定国間でかわすシェンゲン国境規定の要件を満たしていないために認めることができなかったと伝えられている」が、大使館から国境警備に「指示はできない」とあったそうです。こんなふうに、Onopyさんやとすかーなさん、naoさん(下記リンク参照)など、実際にフィンエアーの航空券をすでに購入した方からは、大使館だけではなく、フィンエアーにも連絡を取られていて、こうした質問や苦情の殺到で、フィンエアーから国境警備に、「イタリア在住の方々にはご不便をおかけしているということをフィンエアーイタリア事務所で重く受け止め、少なからず働きかけ」ていたこともあり、Europe Directからは間違っていると指摘され、皆で四面楚歌に追いやったのが功を奏したと言えると思います。23日にパスポートと紙の滞在証で、何事もなくヘルシンキでの出入国審査を終え、日本に帰国されたOnopyさんのコメントへの返事にも書いたのですが、
~フィンランドではありませんが、北欧の人と仕事をしたことがある人が、「仕事が正確で、期日をきちんと守って、いつも穏やかで冷静だ」と言っていました。間違ったことを正しいと思い込んでいる間は断固として譲らなかったのが、間違いと分かってすぐに訂正したのだと思います。フィンランド国境警備からの最初のメールは、謝罪や説明は一切なく、「以下の紙の滞在許可書・許可証だけを承認する」という簡潔なものでしたが、今朝「心配している日本の方のためにも、メールを公表してもいいか」と尋ねると、15分後にOKと返事があり、しかも「この件についてのあなたの心配はよく分かります。私の名前入りで公表してもいいし、必要な方には知らせてあげてください」、「いい夏になりますように」と書いてくれていたので、何だかうれしくて、わたしもすぐにお礼の返事を送りました。謝罪の言葉がないのは、賠償責任の問題もあるし、謝罪はしない文化なのかもしれません~
もし配偶者がイタリア人で、それが理由で滞在許可書(2007年の新法以前)あるいは滞在証をお持ちの方で、ご自分がお持ちの紙製の書類で大丈夫だろうかとご不安な方は、上記の返事をくれたMax Janzonさんにメールでも英語での電話でも、直接問い合わせてみてください。
"Tra i permessi cartacei solo i due seguenti vengono accettati", mi risponde così la Guardia di Frontiera Finlandese. L'ispettore senior di Frontiera mi ha gentilmente concesso di rendere pubblico il contenuto dell'email, incluso il suo nome e mi ha augurato pure "a nice and warm summer".
Ora i giapponesi residenti in Italia e coniugi di italiani non dovrebbero avere problemi né volando con Finnair né passando la frontiera finlandese. Lo spero di cuore!
Finalmente posso chiudere questo cilclo di articoli.
関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- EU市民の家族用滞在証 / Carta di soggiorno per famiriare di cittadino UE / (27/6/2012)
- 紙の滞在証でも入国の権利あり / Risposta da Euro Direct circa la Validità della Carta di soggiorno per familiare di cittadino UE cartacea in altri Paesi Scengen (3/6/2014)
- フィンエアー問題中間報告 (14/6/2014)
- Appeal to Finnish Authorities (14/6/2014)
↑ フィンランド外務省のパスポート・ビザ係と国境警備にわたしが直接問い合わせたメールの文面です。 / Le email che ho inviato alle autorità finlandese per i chiarimenti della questione il 14 giugno 2014.
- EU市民の家族とシェンゲン協定1 / Familiari di cittadino UE e Accordi di Schengen 1 (22/6/2014)
↑ ”Risolta la questione circa l’accettazione della Carta di soggiorno italiana per familiare cittadino UE con l’aggiornamento Annex 22” – così dice una email da Finnair ad una mia lettrice / フィンエアーから「イタリアの滞在許可書の承認に関する問題は、国境警備シェンゲン手引きのAnnex 22を訂正することで解決したと、フィンランド民局から確証を得た」と読者の方に連絡あり。
- EU市民の家族とシェンゲン協定2 / Familiari di cittadino UE e Accordi di Schengen 2 (23/6/2014)
- それでもイタリアなワケ NEW! in トスカーナ - フィンランド大使館のお返事 (2014/6/13)
- それでもイタリアなワケ NEW! in トスカーナ - フィンランド問題 最終報告 (2014/6/24)
良い結果が出て良かったです~(*>∀<*)
まあ、謝罪がないというのは、ヨ―ロッパの方ではそういう風習なので仕方ないかもしれませんね(^^;
実際に被害(そう呼んでいいかどうかわかりませんが…)にあわれた方からしたら謝罪がないのは納得しかねるかもしれないですが、これから先にフィンエア―を利用する時にもう恐怖を感じなくていい、いや堂々と利用できるというのは、本当に良かったです(*^^*)
なおこさんや被害に遭われた方やこれから利用する方達の努力
が報われて私も嬉しいです~(^-^)
いろいろありがとうございました。これでいろんなことが解決しましたね。法律はいろいろ変わるし条例もいろいろあるしで私はよく判りませんが、沢山の方の不安を取り除いたと思います。
なおこさん、さすが!!!
いろいろ気をもんだりあちこちメールしたりしましたが、EU憲法やシェンゲン規定を読むいい機会にもなりました。(今だからそう言える(笑))
なおこさん、大きなお力添え、本当にありがとうございました。おかげで助かりました!
北欧の国というのは一度こうと決めると、そして何が正し以下分かると、連絡も迅速で、いい意味でも悪い意味でも、実施が徹底しているようです。というわけで、もう二度とこれまでのようなことが起こらないよう願っています。
これで、本格的に雑草退治や掃除に取り組み、フランス語の勉強も再開することができます♪
終わりよければすべてよし! おかげで、わたしも錆がつきかけていた英語の錆を取ることができました。とすかーなさんも、お忙しい中、本当にお疲れさまでした。
どういたしまして。Onopyさん、とすかーなさんをはじめ、直接関係者で問い合わせていた方もきっと大勢いて、その連携プレーの成果だと思います。Europe Directからは外務省のパスポート・ビザ係に問い合わせるように聞いて、そちらにも質問メールは出したのですが、とすかーなさんの記事で、直接関係者は国境警備と分かり、ここに直に問いただせて、以後はひょっとしたら、ビザ・パスポート係から国境警備への追及もあって、対応が早かったのではないかと思います。
それにしても日本の大使館の対応にはがっかりです。他の方たちのブログも読ませて頂きましたが、困っている日本の国籍を持つ人達を助けようという気持ちが感じられなくて、自分たちの仕事ではないと言わんばかりですね。どなたかが、日本に住む人には関係がないので、ブログは読み飛ばして下さいと、優しいお気持ちで謙虚に書いておられましたが、私は人ごととは思えませんでした。実家のある神戸の震災の時にも思いましたが、やはり自分の身は自分で護らないとならないのですね。とにもかくにも、一件落着してほんとに良かった。私も万歳していますよ。
こちらこそ、どうもありがとうございます。そうやって、ECCに賠償請求の可能性をお問い合せをされていることも、今回の国境警備の態度の豹変(遅すぎますが)の一因となっていることでしょう。どうか損害の賠償費用をお受けになることができますように。
そもそもは各大使館や内務省、フィンランド国境警備が市民を思って互いに連絡を取り合って話し合えば、搭乗拒否という精神的にも金銭的にも大きな被害を受ける方もなく、また、料金を払って航空券を買い、ちゃんと書類も持ちながらひどい対応を受けたり、不安に思っていろいろと調べるのに労力や気力、費用を費やしたりする必要も一切なかったのに、加盟国がそれぞれ「自分は正しい」と話をしようともせず、肝心の大使館が窓口になる代わりにく、玄関払いをしたり、本当に市民の立場に立って解決してくれないようでは、困ったものですね。EUと言っても、まだまだ横のつながりや連携が弱く、足並みがばらばらで、今回の件は日本人旅客がその連携の粗さの被害になったと言えると思います。本当に大変でしたね。もう二度とこんなことが起こることのありませんように。
先ほどフィンエアーで名古屋〜ヘルシンキ〜ミラノで帰ってきました!
ヘルシンキのイミグレではEU市民用のラインに並び3分くらいで通過できました
パスポートと滞在許可証以外は何も要求されませんでした
今までルフトハンザしか使用していませんが、入国時に特に問題がなくなると
空港はコンパクトでトランジットの時間が短くて済むのはとても魅力的です
ちなみに中部国際空港のカウンターの女性も本件について知っていましたし、イミグレの職員も私が書類をしまっている間息子と窓越しに遊んでくれるなど好意的でした
この度はあらためて本当にありがとうございました。
どういたしまして。こちらこそ、ごていねいに早速のご報告をありがとうございました。
こちらのサイトにたどり着くことが出来たおかげで、旅の不安もかなり和らぎ、またしっかりと書類の準備をして行くことも出来ました。本当に貴重な情報をありがとうございました。取り急ぎ、感謝とご報告をさせていただきます。
問題があったことは知っていたので、ブログ読ませて頂きました。とっても参考になりました。ありがとうございます!
さぞかしかなりのエネルギーをお使いになったと思います。
今回は報告までに、とコメントさせてもらいます。
今回結果的にはちゃんと帰ってこれたのですが、日本のチェックインカウンターで待たされること30分、ヘルシンキでは10分、やっぱりすんなりとは通してもらえませんでした。理由は書類をチェックしなければならないからという理由。通れただけ良かったかなと思いましたが、まだまだ情報が行き渡ってないのかと感じて少しがっかりしました。
待たされる不安感から、残念ながらフィンはもう使いたくないといった感じになりました。
無事の日本、イタリアへのご帰国、よかったですね。わたしもほっとしました。紙の新しい滞在証でも、無事に通過されたと知って、わたしだけではなく、これからフィンエアーを利用する方で、ほっとされる方も多いことでしょう。せっかく英語表記を正しく改めたのに、Parmanentの英語表記を取ってしまうなんて、困ったものですね。ヘルシンキの担当官の方がそうやって覚えてくださるといいのですが、やはりイタリア側が、英語でも「無期限・永久」だと明記するべきものだと思います。
どういたしまして。情報がお役に立ったようで、わたしこそうれしいです。ご報告をどうもありがとうございました。