2014年 08月 07日
花染め学びにアブルッツォ

こちらの花の模様も色も美しいドレスの、その布地に一目惚れしました。しかも、野の花を摘み取り、その色と形をそのまま布に移して、作り上げた作品だと言うではありませんか。

古い和歌にも、草を使って染め上げた布地の乱れに、自らの恋心を重ねたものがあり、また、中学校の教科書の随想に出てきた、えも言われぬ美しいピンクは、花が咲く直前の桜の木の皮から取れるのだという染色家の方のお話。そして、夫と一緒に野山を歩いては、出会う美しい野の花たち、さまざまな会合で聞いた、そうした野の花をはじめとするハーブの歴史や効用。

色と模様、デザインの美しさに、視覚を通して魅かれただけではなく、わたしの中に人生を通して蓄積されてきた、こうしたさまざまな知識や経験、育て上げられてきた感受性を通しても、この作品に、すっかり惚れ込んでしまったのだと思います。

ナヴェッリで、展覧会を準備していた人たちと夕食を共にしたときには、展覧会の主催者たちが村おこしにかける熱い思いや、イタリア各地から来た職人たちの自らの仕事への情熱に触れて感動しました。
そのためでしょう。8月半ばにナヴェッリで、この美しい花染めを学ぶ講習会があると知ったときには、ぜひ参加したいと感じたのです。講習は3日間で、費用は300ユーロ。公共の交通機関では行きにくいところなので、自分で行くとすると、車で片道約4時間。一人での長距離の運転に、まだ完全に自信があるわけではないし、家の改築費用に車の修理費用と出費が多くて、経済的には苦しいのですが、思い切って参加することに決めました。夫にもいいよと言ってもらい、主催者からはまだ参加可能と聞いて、参加すると連絡をしたのは今日のことです。11日夕食からの食事・宿泊代160ユーロ込みで合計300ユーロだと、よく読みもせず、うっかり思い込んでいたら、参加を告げたあとになって、実は講習の受講料だけが300ユーロなので、合計460ユーロだと知り、日本円にすると6万3千円だと、青くなりました。
それでも、ここまで心を魅きつけるものの、作り方を学ぶことができ、夢や情熱を持って、村おこしや自分の仕事に取り組む、あのすてきな人々とまた出会うことができるのだと、やっぱり参加することに決めました。車の事故が遭ったときも、倹約をしていたのですが、結局、それでも予想外の出費が必要になったりもしたわけで、命があるうちに、自分の心と可能性と未来に投資をするつもりで、行ってみようと考えました。運転はどきどきしますが、幸い大部分は夫と前回にドライブして、道の様子も分かっています。
明日は、前金を収めに行き、外国人大学の恩師が、一緒にしようと持ちかけてくれた、日本人学習者へのイタリア語の教材づくりについて、話を聞きに、中心街に出かけます。いろんな意味で、どきどきすることが多い今日この頃です。
Colpo di fulmine! Così ho deciso di frequentare
✿ il Corso di Eco-Printing “Florario d’Abruzzo” a Navelli (AQ) ✿
dal 12 al 14 agosto.
Parto da Perugia lunedì 11 agosto.
参照リンク / Riferimenti web
- 草花で布を彩り染め上げる / Corso di stampa naturale su tessuto Florario d’Abruzzo (19/8/2014)
↑ わたしが実際に草花染めの講習会に参加したあと、体験と感想を書いた記事です。
- Rosso di Robbia Associazione Colori Naturali – Corso di Eco-Printing “Florario d’Abruzzo” 12-13-14 agosto a Navelli (AQ)
アブルッツォ旅行関連記事 / Il nostro viaggio in Abruzzo
- アブルッツォ、グラン・サッソを訪ねて / Riassunto – Campo Imperatore, Navelli (AQ) & Orvinio (RI)
- 自然と美の追求 ~職人芸術展 / Mostra, Vivere Naturalmente a Navelli (AQ) (23/7/3014)
- 美しい古城は映画の舞台 / Rocca Calascio, un luogo magico (25/7/2014)
草木染めの記事に出てきた素晴らしい作品は印象に残りましたよ。その生地を求めるのではなく、染め方を勉強するというところがなおこさんらしいです(^-^)そちらには、たくさんの自然のお花がたくさんあって草木染めを学んでおけば自分で出来ますものね!そう言われて見れば古文には素敵ないろ、萌黄いろなど(藍と刈安で染めるそう)出てきますよね~☆現代小説にも出てきたりして私もちょっとやりたいな・・・と思ったことありました♪
より素晴らしい世界が待っていると思います、気をつけて講習行ってきてくださいませ(*^_^*)
私もなおこさんの記事を楽しみにしていますね♫
どきどき・わくわくの多い夏なのですね☆
素敵です!
花染め、楽しみですね~。
3日間もかけての講習でしたら、
本格的に多方面から、
植物と携わってのモノづくり、花染めの魅力を知ることができそうですね☆
充実の講習の3日間となられるといいですね☆
私も数年前、
今考えるとかなり著名で偉大な日本の染物師の方からお話をお伺いする機会があり、
その方の自然に対する思いの深さに、
染物とは、それほど深いものなのか・・・と、
当時は漠然と驚きに似た感情を抱いたことがありました。
考えてみれば、
そのあたりから、私の自然への見方、接し方がより深まるきっかけができたのかもしれません。
なおこさんの花染めのレポートも、楽しみにしていますね☆

そのまま染めているんですね!
まるで描いたかのようで驚きました。
花はいつか枯れてしまうけれど
こうして生地にしておけばずっとずっと
楽しむことができますね。
受講料、私もびっくりでしたが
貴重な体験ですし
なおこさんが興味を持っていること
これは参加の価値が大いにあると思います。


自分の個人的な勉強のための出費には私もよく悩みます! 倹約したいときと受けたいときがよく重なるし。でも、これは価値あると思います。こちらに来てから、何度か草木染め講習の問合せをしたことがありますが、悩んで、悩んで問合せ止まり。でも、こちらは花をそのまま布に移すだなんて本当に珍しくて、私だったら問合せだけじゃなくて、がんばって行きたくなってしまうと思います!充実したコースになりますように。
私は5月末にヨガの講習を受けにロンドンに行きました。物価の高いロンドン。イタイ出費だったので夏はどこにも行けませんが、本当に知識の深い素晴らしい先生に出会えたことや友人に出会えたことは掛け替えのないものです。それに、19年越しで私の手元に届いた個人的なイギリスの思い出もありました(そのうち、ブログに書こうと思ってます)。学びの場、新しいこと、何が起きるか分かりませんもんね。人生の中のちょっとした自分への投資。いいのではないのでしょうか!

そう言えば、この和歌に限らず、昔は日本でもああいう美しい色とりどりの衣装の色は、植物を使っていたのですよね。初めての世界でどきどきしています。そうして、とっても楽しみです♪
すずさんもそんなすてきな出会いを通じて、学ばれること、感じられることが多かったんですね! 講師の一人は、染色で世界的に活躍されている日本の方のワークショップに、フランスで参加されたこともあるそうです。野の花に、いろんな角度から触れ、暮らしの中に取り入れることができる、そのアプローチを学ぶという意味でも楽しみです。
受講料、3日でこの値段とは(まあ2泊3日の宿泊・食事代込みですが)驚いたのですが、新しい世界に触れ、すてきな人たちに出会えることを考えて、今回はすでに、長いこと参加するしないと悩んだ末に決めたあとに値段を知ったことでもあり、思いきって参加することにしました。最近いろんな点で煮つまっているという思いもありますし、「なおこも歩けば棒に当たる」ということで♪
ヨーロッパには長く、薬草を用いた療法もあれば、森の実や花、キノコを暮らしに取り込む伝統があり、この草花の染色も、デザインや色の美しさと共に、そういう文化や伝統、環境や自然を大切にする姿勢と接点が多い気がします。
まったく未知の分野なので、できるかなできるかなという思いも大きいのですが、そういうすてきな世界を垣間見られて、すばらしい作品を創り、仕事をされている方たちに接することができることも楽しみです。
Totoさんもロンドンまでヨガの講習を受けにいらしたんですね!! でも、そんなにすばらしい出会いや経験ができて、本当によかったですね。わたしにも励みになります。フランス語を学びにフランスに行くには、お金がないし、フランス語学習をさぼってしまっているので、そういうこともあって、今度は、新路線、新境地に挑戦します。ありがとうございます。何だかTotoさんのおかげで、どきどきよりわくわくが増えてきました♪
イタリアは、石造りの町が多いので、基本的には古い建築物は残ることが多いのですが、後世の人が作り変えたり、戦争で破壊されたり、過疎化で崩れたりするので、こういう古い素朴な美しい教会が、村の中にそのまま残っているということは、ありそうでなかなかないですよね。観光地でありすぎないおかげで、かえってそういう建物に感動する気持ち、わたしもよく分かります。
いよいよイタリアでの車運転デビューですね。お互いに安全運転に気をつけましょう。案ずるより産むが易しなのですが、やっぱり、運転が荒い人、大ざっぱな人も多いので、かなり注意しながら運転する必要があります。
おお、69話というと、ちょうど半分あたりですよね。楽しんでご覧になっているようで、ご紹介したわたしもうれしいです♪ ありがとうございます。みわさんも、よい週末を!
お話を聞いているとどうやら日本の心に通じるようなお稽古事ですね。自然を通して生活を楽しむような感じ。なおこさんにぴったりです。やるからには是非楽しんでください!!できればなおこさんの作品も見てみたいです。
シロちゃんは元気ですか??
シロは元気です。旅行から帰ったら、以前にも増して甘えん坊さんになっていて、カメラを構えたりして片手間ではなくて、なでなでしてやるのですが、まれに撮っても動いてしまって、なかなかいい写真が撮れません。また写真を載せますね♪

ほんと、こういう自然の命をそのままいただいた美しいものって
古今東西、それを愛でる心に変わりはないものなんですね。
みちのくのしのぶもじずりたれゆえに・・・
これって、語感も手伝って、妙に頭に残って、
色々情景や心情を想像させる歌ですよね。
教科書に載っていたさくらの染色の話、
わたしはずっと女性の随筆だと記憶違いしていましたが、
いまなんとなく調べたら、大岡信氏著で、
染色家のかたが女性だったんでしたね。
長年の勘違いを正せてよかったです(笑)。
この話も非常に印象的で、毎年、花見をする度に、
この木の中にあの桜色が眠っているんだなと嬉しくなりますよ。
百人一首や伊勢物語の和歌も、昔は、こうして布地が染められ、そういう知識を皆が持ち、さっと自らの恋心になぞらえる歌を詠めたというそういう風情を思います。わたしはこの大岡信さんの随筆は、中学校で教育実習をしたときにも教えたので、ことさらに覚えているのかもしれませんが、めめさんも覚えていらしたんですね! 美しい色が咲く直前の幹の皮から取れるというその話は、中学生の頃に驚いた記憶が今も残っていて、そういうすてきな作品が教科書に載っているのはありがたいことだなと思います。
この講座の体験記事、楽しみにしています!