イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

サフランとハーブ、ウンブリアで食農体験1

 昨日、8月9日日曜日は、朝、アグリトゥリズモ、Zafferano e Dintorniを訪ねました。一家3人が力を合わせ、サフラン(zafferano)を中心に栽培しているこの農場では、

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Come coltivare e utlizzare lo Zafferano

サフランの効用や、料理・健康のための利用法、そして、栽培方法などを学びました。

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 ベネディクト派修道会では、古来、境内の薬草庭園(Orto dei Semplici)で薬草を育て、病気や怪我の治療に利用していました。農場は、聖ベネデットの生地、ノルチャに近く、しかも、今農場がある場所は、かつては、ベネディクト派修道会に属する修道院の所有地でした。その旧修道院の建物と、教会は、農場のすぐ隣にあります。

 そういう歴史的・地理的事情がある上に、農場を営む一家が以前から、そうした薬草による療法に興味を持っていたため、農場では、4年前から薬草庭園を作り、さまざまな薬草を育てています。

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 薬草庭園では、いろんな薬用植物(piante officinali)を目で見て、葉に触ったり香りをかいだりもしながら、薬草としての効用や利用法を教えてもらいました。

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 最後には、農場で採れたリンゴや、薬草を使ったハーブティー、ラベンダーやサフランを使ったクッキーやリンゴのケーキなども、おいしくいただきました。

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 わたしたちは、農場で採れたサフランも購入しました。

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 農場からの見晴らしも美しく、すぐそばを、マルケに端を発し、やがてはテベレ川に注ぎ込む清流、ネーラ川が流れています。昨日は、Sant’Anatolia di Narcoの町のSuggestioni di gustoというイベントのおかげで、とてもいい体験ができました。

Agriturismo Zafferano Zafferano e dintorni
Località Castel San Felice – 06040 Sant’Anatolia di Narco (PG), Umbria
Tel. : (+39) 0743.613080
Email: info@zafferanoedintorni.it
Sito : Agriturismo Zafferano e Dintorni - HOME

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Come coltivare e utilizzare le piante medicinali, lo zafferano

all'Agriturismo Zafferano e Dintorni, Castel San Felice, Sant'Anatolia di Narco (PG)
Molto interessante, abbiamo imparato molto.
Degustazione delle tisane, dei dolcetti fatti con le erbe aromatiche e lo zafferano.
Buoni buoni.
Grazie mille a tutta la famiglia dell'agriturismo.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nagisamiyamoto at 2014-08-11 05:12
なおこさん、こんばんは
昔の修道院というのは本当にいろんなことをやっていて、すごいといつも思っていました。で、それが今に至っていろいろ残っているのも面白いしありがたいことです。
なおこさんはいい体験をなさったようですね。とても興味深く読ませていただきました。
Commented by ayayay0003 at 2014-08-11 07:45
おはようございます^^
薬草庭園、日本ではハーブ園とかいいますが、ハーブって薬用植物なんですよね!なおこさんの記事を拝見していて、何度かこういう植物についてふれてくれていたので、さらに勉強するためにこういったイベントに参加されたのですね~(^^♪
サフランは日本では高価であまり購入したことはありません。パエージャを作る材料ですが・・・(笑)スペイン旅行で少し買って帰りましたが、あちらだと少し安価だったような・・・。色がきれいなのでサフランライスとかにするといいくらいしか知らない私です。またいろいろと教えていただけると嬉しいです(*^_^*)
Commented by milletti_naoko at 2014-08-11 16:16
なぎささん、おはようございます。古代ローマ帝国が崩壊して、異民族が侵入し、混乱をきわめていたイタリアで、よりどころとなり、写本を通じて貴重な文化を後世に伝え、薬草で人々を癒していた修道院の役割は大きくて、ベネディクト派修道会の規則は、今でもイタリアでは、企業のリーダーが学びを得るものが多いものとして、リーダーへのセミナーで取り上げられたりもしているようです。(日本では論語がそうやって使われるのと似ているような)

夫が通っていた薬草栽培を学ぶ講座の勉強仲間が、このアグリトゥリズモを営んでいたので、誘ってもらって、こういう催しがあるのを知りました。暮らしに身近で、主に料理に使っているsalvia(セージ)も、傷口への応急処置に使えるなど、実際に役に立つ知識もいろいろ教えてもらって、興味深かったです。
Commented by あんずミャミャ at 2014-08-11 18:12 x
サフランというとサフランライスのように
色付けが目的だとばかり思っていましたが
薬草としての効能もあるんですね。

ヨーロッパでこうした薬草を利用するって
東洋的で親近感が湧きました。

*あんずの家族記念日へのお祝いコメント
 ありがとうございました!
Commented by suzu-clair at 2014-08-11 18:34
食農体験、素敵ですね☆
農場で、生活に根差した活用法や、薬用としての植物の効果のほか、
栽培法などを通じて植物のことを理解するのは、
とてもいいですね☆

もともと私は、
植物が人間の心身を健康にする力を持っていることを感じて、
それを深く知りたくて花の世界に進んだので、
興味深く拝読しました。
ヨーロッパの、古くから教会などで薬草を育ててきた歴史に実際にふれることができるなんて素敵ですね☆

サフランは、スパイスとして活用するには、
ひと花につき3本しか採取できないから、高価なのでしょうね。
たくさんのサフランを栽培しているところでお話が聞けたり、
サフランを使ったクッキーやケーキがいただけるなんて素敵☆
美しい自然に恵まれた場所での、
自然の力にふれる素晴らしい一日ですね☆
Commented by kazu at 2014-08-11 20:01 x
アグリトッリズモは、観光本などにも農業体験宿泊施設として時々掲載されていますが、このような特殊なのもあるのですね。薬草の扱いは専門知識を要するし、どうかすると日本では法律に抵触することもありそうなので、少し怖い気もするのですが、自分の体質に合う薬草が見つけられて、上手く効用が発揮されたらいいですね。私もスペインで、サフランを買いましたが、本物はやはり高くて、少ししか買えませんでした。ガイドさんから教えて貰って、スーパーで、サフランもどきを買ってきましたが、パエリアには、それで十分だったことを思い出しました。

そうそう、先にありました、ペルージャのミニメトロなど、クリスマスの頃は運行されているのでしょうか?
Commented by ムームー at 2014-08-12 13:26 x
なおこさんこんにちは。
食農体験が出来るって素晴らしいですね。
栽培から収穫まで、そしてそれぞれの役割になるって
目の前で見て作り食べるというのはなかなか
出来ない貴重な体験ですね。
素晴らしい景色に癒され自然の豊かさ作用も
感じることが出来て素敵でしたね。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-16 03:58
あんずミャミャさん、サフランは味も香りもよくて、心身を元気にする作用があるようです。写真パネルにあった花が、クロッカスに良く似ていると夫に言ったら、なんとクロッカスの親戚だそうです。

わたしも薬草を使うのは東洋の文化かと思っていたら、実は西洋でも、近代医学や薬学が誕生し、発展するまでは、長いこと薬草を使った療法が用いられていたと、もうずいぶん前に知ってびっくりしました。

どういたしまして。こちらこそ、いつもかわいいあんずちゃん情報をありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2014-08-16 04:04
すずさんが、お花の道に進まれた背景には、そういう思いがあったんですね。ヨーロッパにも、薬草を医療や料理に活用する長い長い歴史があって、その歴史には、修道院が深く関わっているようです。長い歴史のあるパドヴァ大学の植物園も、できた当時に、療法に用いる草を間違えて病気が悪化したり亡くなったりすることも少なくなかったため、正しい薬草をきちんと見分けることができるように、薬草の分別を学べるようにという意図もあって、できたそうです。

昨日までいたアブルッツォもサフランの産地なので、サフランのリゾットやサフラン風味の肉料理を食べることができました。イタリアは自然や食文化が豊かな地域が多くて、ありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-16 04:09
かずさん、アグリトゥリズモと言っても、サービスから実際にどれだけ農業に関わる仕事をしているかまでさまざまなのですが、こんなふうに地域に伝統の農耕文化に情熱を持ち、そういう知識を後世に、人々に伝えるための教育的な活動も行う、そういうアグリトゥリズモも時々あります。よく似ているけれど実は毒がある草というのもあるので、薬草にも本当に注意が必要なのですが、セージやローズマリーをはじめ、うちで手軽に栽培することができて、料理にも使える薬草というのもあります。

かずさん、ひょっとして今年はクリスマスの時期にペルージャにいらっしゃるんですか? ばんざい! ミニメトロは、クリスマスは例年運行されています。というより、ストや8月の定期点検のとき以外は、日曜・祝日も運行されています。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-16 04:10
ムームーさん、こんばんは。自分たちが口にするもの、そうして散歩をしていて見かける草について、いろいろとためになる知識が、実際に栽培している人の口から、植物を見ながら聴くことができて、とても興味深かったです。

自然が豊かな地域に暮らすことができて、ありがたいです。
Commented by milletti_naoko at 2014-08-16 22:06
アリスさん、おはようございます。英語や日本語のハーブという言葉は、治療に使われる薬草や料理に使われる香草(ローズマリーやセージなど、料理にも薬草としても使われるものもありますが)も指しているようですね。ふだんからできるだけ、化学的に合成された薬剤よりは、古くから伝えられ、恐ろしい副作用の心配もない薬草を利用したいと考えていることもあり、そうして、このアグリトゥリズモを営む娘のマルタさんが、夫と一緒に薬草栽培講座に通って、催しについて教えてくれたので、参加しました。

サフランはイタリアでも高価で、このとっても小さな0.5g入りの瓶が13ユーロでした。料理にも使えますが、薬草として、心身を元気にするのにも使えるそうで、夫はそうやって使うつもりだそうです。5gで致死量になり、効用があるものも、使いすぎると体に深刻な害があるので気をつけなければいけません。
by milletti_naoko | 2014-08-10 23:54 | Umbria | Comments(12)