イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

守れ命、守れ表現の自由

 表現の自由は、わたしたちの大切なかけがえのない権利であり、表現のために命を奪われることがフランスで起こる、フランスで表現の自由が脅かされることは許せない。断固として表現の自由を守っていかなければならない。

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Hôtel de ville de Paris 14/6/2012

 つたないフランス語力ではありますが、昨日、新聞社襲撃のほぼ直後のフランスのニュースで、大統領がこのように言っているのを聴きました。許しがたい犯罪に憤り、犠牲者の方々の冥福を心から祈り、大切な方々を失われた方の深い嘆きを思うと同時に、フランスの政治家や国民が、表現の自由を、市民の大切で基本的な権利と考えて行動するのに対し、表現の自由どころか知る権利も脅かされつつある日本を思いました。生命の尊厳や自らや未来を引き継ぐ世代の幸せを自分たちで守っていくためにも、表現の自由や知る権利は守らなければ。日本では、この二つの自由に対する束縛と攻撃が、国の内部、上部から静かに確実に始まり、広がっているようで不安を覚えます。大切な譲れない権利を守り、取り戻していきましょう。

De l'allocution du président de la République:
« Aujourd’hui, la France a été attaquée en son cœur, à Paris, […] Je veux ici leur dire que ce message de la liberté, nous continuerons à le défendre en leur nom. […]
Aujourd’hui, c’est la République toute entière qui a été agressée. La République, c’est la liberté d’expression. La République, c’est la culture, c’est la création, c’est le pluralisme, c’est la démocratie. C’est cela qui était visé par les assassins. […]
Enfin, nous devons être nous-mêmes conscients que notre meilleure arme, c’est notre unité, l’unité de tous nos concitoyens face à cette épreuve. Rien ne peut nous diviser, rien ne doit nous opposer, rien ne doit nous séparer. […]
La liberté sera toujours plus forte que la barbarie. La France a toujours vaincu ses ennemis quand elle a su justement faire bloc autour de ses valeurs. C’est ce que je vous invite à faire. Le rassemblement, le rassemblement de tous, sous toutes ses formes, voilà ce qui doit être notre réponse. Rassemblons-nous face à cette épreuve. »

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Dobbiamo difendere la libertà d'espressione, la cultura, il pluralismo, la democrazia",
"Dobbiamo combattere tutti uniti." - il discorso di Hollande ci insegna molte cose.

In Italia e in Giappone i nemici che minacciano questi valori fondamentali
stanno pure dentro il Paese, tra i leader politici.
Probabilmente anche prevedendo le discordie, i pregiudizi e le discriminazioni possibili
dopo l'assalto, ha detto così Hollande: "Enfin, nous devons être nous-mêmes conscients
que notre meilleure arme, c’est notre unité, l’unité de tous nos concitoyens face à cette
épreuve." Parole sagge e coraggiose.
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LINK
- Public Sénat – Hollande: «La liberté sera toujours plus forte que la barbarie» (7/1/2015)
- OnlineNews – Charlie Hebdo, Holland: “La nostra arma migliore è la nostra unità” (8/1/2015)
↑ 上記の記事では、それぞれフランス語、イタリア語で、大統領の言葉の多くを引用しています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2015-01-09 11:52
おはようございます^^
先日のパリでの銃撃事件には心が痛みました(-_-;)
そして今日のなおこさんの記事を拝見してあの事件にある奥深さを考えさせられました。昨日の私の記事、杉原記念館を訪ねた記事ですが、あの頃ともしかしたら日本という国は何ら変わってないのかもしれませんね!海外在住のなおこさんだからこそ、それを感じとることが出来るのかもしれません!
今日の記事を読んでいろいろと考えることができました。ありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2015-01-09 18:39
アリスさん、こんにちは。隣国ということもあって、当日12時半頃だったか、テレビをつけてクリスマスツリーなどを片づけていたら、今回のニュースの速報があって驚きました。概要を伝えるイタリアのニュースのあと、すぐFrance24に切り替えて、詳しい状況やオランド仏大統領の言葉を聴きました。命を失った新聞社員や警官にもイスラム教徒の人がいたとは言え、ふだんからの移民問題やイスラム過激派のテロの恐れに加え、今回の襲撃で、移民やイスラム教徒に非難の矛先が向けられることも十分予想されたことでしょう。(現にイタリアの極右ですぐに無責任な根拠のない差別・攻撃的発言をした政治家がいました。)そんな中で、十分な安全・警戒態勢を取ると市民を安心させると同時に、表現の自由のみならず、さまざまな文化・宗教・民族の共存や共生、民主主義をフランスの根幹として、それが攻撃を受けたのだとし、市民が一丸となってこうした価値を守るべく立ち上がること、団結こそが最高の武器なのだと語るオランド大統領の、偏らない、すべての国民や国によかれと考えた洞察力の深い言葉に、感銘を受けました。あえて異なる宗教や民族という言葉を使わず、pluralismeを国の大切な守るべき原理として掲げ、市民すべてのunitéを呼びかけ、それこそが必要だと訴えることで、市民を共通の旗、思いのもとに団結させる。大統領自身が、風刺の対象となったことも多かったことでしょうが、「ジャーナリストはすべて共産主義」と糾弾していた元イタリア首相の利己的、短絡的で浅薄な意見や非難とは雲泥の差のある、すばらしい言葉だと感銘しました。

アリスさん、杉原記念館も訪問されたんですね。原発の再稼動にしても、特定秘密保護法についても、市民の安全や幸せ、希望がないがしろにされ、企業や一部の政治家の利益や思惑が優先され、ただでさえ情報が規制されていた日本での国民の知る権利や表現の自由が奪われつつあるようで、日本の行く末がとても心配な今日この頃です。
Commented by patata at 2015-01-10 19:36 x
なおこさん、こんにちは。
シャルリー・エブド社のテロ、まずはびっくりしていると同時に多くの方々が亡くなられて、とても心を痛めています。
私は今回のテロ事件について(なおこさんの書かれている観点からずれるのですが・・)イスラム教徒の行ったことは、決して許される行動ではないですが、彼らがこういう行動をするのには理由があるはずだと思っていて、その1つに、欧米が歴事上、イスラム教徒に今まで行ってきた数々とこの事件は少なくとも関連しているのだろう、と思いながら報道を見ています。
また、罪の無いイスラム教徒も多くいる中で、「イスラム=悪」と決め付けるような報道の仕方は良くないのに、と思いながら、ニュースを見ています。そういう意味ではメディアというのは良い意味でも悪い意味でも、影響力が大きいのだな、と改めて実感しています。
Commented by milletti_naoko at 2015-01-10 22:30
Patataさん、こんにちは。まずは今回、そうして時々こうした残虐なテロ行為に及ぶのは、多くのイスラム教徒の中のごく一部の極端な過激派であり、多くのイスラム教徒の方が、今回の襲撃に心を痛めている上に、最初の襲撃で亡くなった12名も、警官1名、そうして新聞社内で亡くなった1名はイスラム教徒であったということを、しっかり念頭に置いておく必要があると思います。日本の大震災の頃、そうして今回のパリのテロに関しても、イタリアの報道は、ふだんの執拗な殺人事件報道からしてそうなのですが、むやみに扇情的で、映像や人々の感想や意見で恐怖や心配、好奇心をあおるわりに、事実や全体像、客観的情報が分かりにくいので、好きではありません。どうしてもイタリア国内のニュースを見るときは、そういう傾向が少ない、客観性が高いLa7やRai3のニュースを見ることにしていますが、今回にせよ、東日本大震災にせよ、一般の国際・日本のニュースについては、フランスのFrance24や英米の報道(インターネットで)を通して、情報を得ることにしています。イタリアの一部極右が、今回の件で移民やイスラム教徒に対する偏見や排斥の姿勢を強くしているらしきこと、そういうあからさまな、無知な発言をしていることをFBで知り、あきれる一方、フランスの報道では、もともと旧仏植民地であった国からのイスラム教の移民も多い国であり、葛藤をはらんでいたこともあって、こうした犯罪に及ぶのはイスラム教の中でもきわめて過激なごく一部であること、国内の一般の信徒やパレスティーナからも襲撃とテロに関する怒りや糾弾があることを、強調していました。わたし自身は、今回の件を通じて、もともと政教分離とは知っていたフランスで、政教分離がいかに徹底しているかを知り、今もカトリック教会に政治的にも思想的にも、市民の権利に関しても、影響を受け、振り回されすぎているイタリアを思いました。そういうイタリアだからこそ、そういう差別的報道や偏見を持ち知ったかぶりをして排斥を唱えるような政治家が後を絶たないのでしょう。嘆かわしいことです。
by milletti_naoko | 2015-01-08 20:56 | Notizie & Curiosita | Comments(4)