2015年 01月 10日
夫婦でジュール・ヴェルヌ

わたしが読んでいるのは、原書、フランス語版の『海底二万里』、夫が読むのは、イタリア語訳の『神秘の島』です。
わたしが小学校高学年頃から、夢中になって読んだのは、アンシリーズやシャーロックホームズの物語でしたが、ちょうど同じ年頃に、夫が夢中で読んで、大好きだった作家がジュール・ヴェルヌであり、そうして、中でもお気に入りの作品が、『神秘の島』だったのです。

幼い頃に夫が読んだ『神秘の島』は、漫画や、子供向けに訳された100ページあまりの本でした。フランス語学習のためにと、わたしが取り寄せて読んでいた、完全版の『神秘の島』が、序や注を含めて900ページ以上あるのを見て、かつて自分が読んだのが、実は簡約本だったと知り、「いつか自分も完全版を読みたい」とずっと言っていました。それで、昨年のクリスマスの贈り物の一つとして、わたしが完訳のイタリア語版を探して、贈ったのです。フランス語の完全版と違って、初版に採用されていた絵が表紙にしかないのが残念なのですが、夫も昔をなつかしみながら、読書を楽しんでくれているようです。

ちなみに、わたしは、わたしにとっては2冊目のヴェルヌの作品であった『神秘の島』を、あと数十ページだけ残るところで読みさしたまま、3冊目の『海底二万里』を読んでいます。『神秘の島』の終わりに近いところで、今は年老いて死を目前にしている、『海底二万里』の登場人物が現れ、その人生が語られ始めたからです。
"Et le capitaine, en quelques phrases nettes et pressées, fit connaître sa vie tout entière.
Son histoire fut brève, et, cependant, il dut concentrer en lui tout ce qui lui restait d’énergie pour la dire jusqu’au bout. Il était évident qu’il luttait contre une extrême faiblesse." ("L'île mystérieuse", p. 805)
「人生をすべて語った」とあっても、「短かった」とあるしと、しばらくは気にせず読み続けたのですが、実際には、船長の人生が、微に入り細にわたって語られていて、「これは、このまま読み続けていては、すでに買ってある約700ページの『海底二万里』を読むおもしろみも励みもなくなってしまう。」と考えて、そこで『神秘の島』を読むのをいったんやめ、前作である『海底二万里』を読み始めたのです。途中で、日本語の本を数冊読んだり、スペイン語の勉強に浮気したりしていたためもあるのですが、『海底二万海里』は、昨年の6月29日から読み始めたというのに、今ようやく305ページあたりを読んでいるところです。
イタリアでクリスマス休暇中に、テレビで放映された名画の中に、この『ヒューゴの不思議な発明』
今のところ、わたしにとって一番おもしろいジュール・ヴェルヌ作品は、『八十日間世界一周』です。読みかけの2冊を早く読み終えて、今度は同じフランス語でも、別の作家の、違う分野の作品を読んでみたいなと考えています。本文だけでも、『海底二万里』があと337ページ、『神秘の島』が63ページ残っています。ちょうど合計400ページですから、1日10ページずつ毎日読み続ければ40日間かかる勘定になります。2月末までには、2冊とも読了して、別の本を読み始められるように、頑張ります。
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JULES VERNE
- sì sto ancora leggendo "Vignt mille lieues sous les mers".
- L'ho iniziato a leggerlo sei mesi fa, ma a volte mi sono allontanata dal romanzo
leggendo i libri giapponesi o studiando lo spagnolo e poi il libro di 700 pagine è
troppo pesante per portare nello zaino per il pellegrinaggio.
- Quanto ai libri di Jules Verne, ora mi rimangono 337 pagine di "Vignt mille lieues
sous les mers" e 63 pagine di "L'île mystérieuse". Ho abbandonato la lettura di
quest'ultimo perché solo alla pagina 805 ho scoperto che dopo aver letto l'intero
libro avrei perso la curiosità e la motivazione per leggere "Vignt mille lieues sous
les mers". Entro febbraio penso di finire questi due romanzi.
- Ero contenta quando il protagonista del film, "Hugo Cabret" ha detto che
anche lui amava (oppure leggeva) i libri di Jules Verne :-)))
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LINK
- Bibliothèque nationale de France – gallica – L'île mystérieuse / par Jules Verne ; ill. de 154 dessins par Férat ; gravés par Barbant -J. Hetzel (Paris)-1875
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- 離れ島でサバイバル、仏語で読む『神秘の島』 (7/3/2014)
- 806ページ目の悲喜劇 (30/6/2014)


御夫婦揃って同じ作者の本を読むって素晴らしいですね~(^^♪
外国語の訳本だと、「かつて自分が読んだのが、実は簡約本だった」なんていうことがありうるのだと、なおこさんの記事を読んで初めて知りました^^;
やはり、その国の言語で読めればそれにこしたことはないのでしょうね~(^.^)
今の時代は、昔よりは便利になり完全版も出ているとのことなので、読み直した方がよい本もたくさんあるかも?なんて私も思いました。よい記事をありがとうございます♪

ジュールヴェルヌの小説は、過去にもなおこさんから何度か伺っていますので、重なるかも知れませんが、その昔、私も夢中になって読みました。本の挿絵にも随分ドキドキさせられた記憶があります。物語は多分、ご主人様と同じく、子供用に端折られたストーリーだったのでしょうけれど、ワクワクした気持ちは今でもしっかり覚えています。そして、もしかしたら、これらの本に、私の一人旅への冒険心が刺激されて、今に至っているのかも知れないと、なおこさんがジュールヴェルヌを取り上げて下さる度にそんな思いに駆られています。
それにしても、長い小説を読破されるなおこさんの力には感服します。ほんとに素晴らしいですね。

ジュール・ヴェルヌ!
「海底二万里」と「神秘の島」は、日本でひと昔前に放送されたテレビアニメ「ふしぎの海のナディア」の原案になった作品ですね。なつかしいです。どちらも原作は読んだことないんですけど・・・・。
凸ぽち!
かずさんも、ジュール・ヴェルヌファンだったんですね! すみません、わたしもひょっとしたらすでにかずさんからコメントをいただいているのに、忘れているかもしれません。ジュール・ヴェルヌの作品を通して、かずさんが旅心や冒険心を触発されたということはあるかもしれませんね。夫やフランコは違うと言いますが、わたしは、夫が自然の草花や動物に興味を持ち、フランコが何かと作ったり発明したりするのや歩くのが好きなのは、どこかで二人が少年の頃に読んだ『神秘の島』に影響されているからだと思います。世界各地の文化や風俗、海底の生物たちの様子を、テレビや映画の映像で見ることができる今の時代ならともかく、ちょうど日本が明治維新を迎えた頃に、ジュール・ヴェルヌがこうやって想像力を大いに働かせて、見てきたように(アメリカへの旅行などは実際にしたようですが)生き生きと物語の展開と重ね合わせて語ってくれるのは、おもしろいですよね。当時の人にとっては、さらに、予想もしなかったような未知の国や海底の様子を小説を読みながら知ることができる、数少ない手段だったのではないかと思います。幼い頃に読んでおかなかったのは残念ですが、おかげで、いったいどうなるのかと先を気にしながら小説を楽しむことができます。『風と共に去りぬ』や『項羽と劉邦』など、日本でも世界でも、思わず先を読み続けて夢中になれる長編小説は多いですよね。かつては『風と共に去りぬ』の続編、確か約千ページほどあった『Scarlett』の原書を、あまりおもしろいので夢中になって、年末年始にほとんど眠らずに3日間で読破したことがあり、そもそもあの本がわたしがダブリンを訪ねてイタリア人に出会い、イタリアとイタリア語に興味を持つきっかけになりました。半年かけてまだ300ページとはカタツムリの歩みですが、亀の歩みでも、読み続ければ、いつかは読み通せるということで……

新年おめでとうございます。
大部なフランス語小説も読み進めておられ、着々とフランス語を継続されていますね。
私のブログに御挨拶をいただいておりましたのに、返信が遅れてしまい、大変失礼いたしました。昨年12月は海外からの来客が毎週のようにあり、会議、アテンド、行事、会食などがあり、フランス語は休止状態になってしまいました。新年に入っても、その状態が続いてしまいました。ご存じのとおり、英語のオンラインレッスンを受講しているのですが、12月から最近は、何とかそれだけは継続しているという状態でした。
英語の方ももっと力を入れないといけないという状況の中で、再び長期休止にならないように、フランス語はここが踏ん張りどころかなという感じです。欲張らず、少しずつでもいいので継続していこうと考えているところです。
今年もよろしくお願い申し上げます。
わたしも、いろんな仕事や用事が入ると、ついついフランス語学習を脇に置いてしまいがちなのですが、細々とでも何らかの形で継続することの大切さをつくづくと感じています。こちらこそ、今年もよろしくお願い申し上げます。
わき道にそれてすみません。Oliva16さんも『海底二万里』を手にされているなんて、そうして、手に入れられたきっかけも興味深いです。そういうご自由にお持ちください、いいですね♪