イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

生まれた理由と生きる意味、映画『Hugo』フランス語版から

 自分の人生にどういう目的があるか分からないというイザベルを、ヒューゴはパリの町を見晴らせる、それは眺めのすばらしい場所に導いて、こう言います。



“Après la mort de mon père je venais souvent ici. Et j’imaginais que le monde était une énorme machine, les machines n’ont jamais de pièces qui ne servent à rien. Elles ont toujours le nombre exact de pièces qu’il leur faut. Alors je me suis dit que si le monde n’était rien qu’une énorme machine, je devais donc en faire partie. Et je devais avoir été mis au monde pour une bonne raison. Ça veut dire que pour toi aussi, il doit y avoir une bonne raison.” (film, "Hugo Cabret" en français)

 「父さんが死んだあと、よくここに来たんだ。そうして、世界は一つの巨大な機械だって考えていた。機械には、何の役に立たない部品なんて決してない。あるのはいつだって、ちょうど必要な数だけの部品なんだ。だから思ったんだ。もし世界がただ一つの巨大な機械だとしたら、それなら、ぼくも世界の一部であるに違いない。そうして、ぼくは、ちゃんと理由があって、生まれてきたはずだ。それはつまり、君だって同じことで、君が生まれてきたのにも、ちゃんとした理由があるはずだってことなんだ。」(映画、『ヒューゴの不思議な発明』から)

 与えられたかけがえのない命、人生を、大切に生きていきたいものです。

Notes
imaginer que + 直説法 …と想像する、思い描く、思う、考える
pièce n.f. (機械の)部品
servir à qn/qc …の役に立つ
servir - indicatif présent:
  je sers   tu sers  il, elle sert   nous servons  vous servez   ils, elles servent
exact, exacte adf. 正確な、的確な、厳密な
leur pron. pers. À eux, à elles.
se dire que + 直説法 …と思う、考える
rien que      seulment
donc conj. だから;つまり、要するに
faire partie de qc …の一部をなす、…に属する
mettre un enfant au monde  子供を生む
Ça veut dire que … それは…ということだ。
vouloir - indicatif présent:
  je veux  tu veux  il, elle veut   nous voulons  vous voulez   ils, elles veulent
devoir - indicatif présent:
  je dois  tu dois  il, elle doit   nous devons   vous devez  ils, elles doivent

生まれた理由と生きる意味、映画『Hugo』フランス語版から_f0234936_919066.jpg
Immagine presa dal sito, http://www.allocine.fr


 以上、フランス語のセリフについては、わたしが自分で何とか聴き取った文もあれば、インターネット上に見つかる、それぞれどこかしら間違いを含んだ、書き写されたセリフをつき合わせ、辞書や文法、自分の耳を頼りに、こう言っているのではないかと思うところを書いたものです。それを「  」内に、わたしなりに日本語に訳して書いてみました。フランス語は特に聴き取りと文法については、まだまだ初級の域を出ないという自覚はありますので、もしここは違っているとか、こうではないかというご指摘があれば、指摘をしていただけると幸いです。語注は、旺文社の『プチ・ロワイヤル仏和辞典 第4版』ラルースのオンライン仏仏辞典を参照してまとめたものです。

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LE VIE - dal film, "Hugo Cabret". Bellissime imagini & parole

"... j’imaginais que le monde était une énorme machine, les machines n’ont jamais de pièces qui ne servent à rien. Elles ont toujours le nombre exact de pièces qu’il leur faut. Alors je me suis dit que si le monde n’était rien qu’une énorme machine, je devais donc en faire partie. Et je devais avoir été mis au monde pour une bonne raison. Ça veut dire que pour toi aussi, il doit y avoir une bonne raison.”
***La lingua originale del film è inglese e qui in Italia l'ho visto in italiano sia al cinema che alla tv. Tuttavia, poiché la storia si svolge a Parigi e sto studiando il francese, volevo ascoltare e trascrivere queste parole in francese.
Ditemi per favore se ci sono errori. Li correggerò subito, grazie.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2015-01-14 20:05
なおこさん、こんばんは^^
「ヒューゴの不思議な発名」もう随分前に字幕で見たのですがこの映画、本当におもしろくて、感動したのを覚えています~(*^^)v
登場人物、主役のヒューゴはちょっとかわいそうな生い立ちでしたが、そんなことをものともせずに前向きに生きている姿、そしてハッピーエンドな物語は清々しくて気持ちのよいものでした♪
そう言えばフランスのお話でしたね~(^^♪
やはりフランス語でわかればまたもうひとつ違う感動があることと思います♪
Commented by milletti_naoko at 2015-01-14 20:22
アリスさん、こんにちは。アリスさんもご覧になって感動されたんですね! うれしいです。いい映画ですよね。わたしも数年前に映画館で見てよかったのは覚えていたのですが、細部や筋で忘れていたところも多く、年末にテレビで放映されていたのを見て、再び感動しました。ペルージャで復活した昔あった映画館の名前がCinema Meliesというのですが、この映画館がGeorges Mélièsの名を取ったものだということや、彼が映画界にどういう貢献をしたかも、今回見直したおかげで分かりました。ジュール・ヴェルヌへの言及も、映画中に2度ほどあって、これも今読書中だからこそアンテナに引っかかったわけです。同じ映画を見ても、そのときどきで気づくことや心を打つこと、残ることが違うので、興味深いです。

舞台がパリなので原作はフランスかと思い込んでいたら、映画も、さらには映画の元になった本もできたのはアメリカで、原語が英語だと知ってびっくりしました。それでも、パリではやっぱりフランス語という思いと、フランス語のいい勉強になるという思いから、フランス語で書き取るべく悪戦苦闘してみました。いい言葉だなと感動した言葉は、やっぱり聴き取りも辞書を引くのも、励みがありますし、後からも何度も聴いてみたくなるので、勉強にもうってつけです。
by milletti_naoko | 2015-01-13 23:59 | Film, Libri & Musica | Comments(2)