2015年 01月 23日
牛乳と異常な成長、美しい修道院
12月の初めに壁画のそれは美しい、トスカーナの修道院を訪ねました。
冒頭の写真で、階段を上ったところにある図書館の扉には、鍵がかかっています。小さいまるい穴から、遠くに見える本棚を眺めていたら、親切な修道士さんが、「訪問したいのであれば、どうぞ。」と、鍵を開けて、中を案内してくれました。
オランダ出身と聞いて、とても背の高い方だったので、「オランダには背の高い人が多いですね。」と、わたしが何気なく言いました。わたしがイタリアで初めて通った語学学校には、オランダやベルギーからの留学生が多く、その中に、2メートル近い長身のオランダ人男性がいたからです。ところが、何気なく言ったその言葉に、思いがけない返事が返ってきたので、びっくりしました。
なんと、オランダでは、数十年前に、世代間での身長の伸びが尋常ではない頃があり、その異常な成長は、乳牛に成長ホルモンを大量に投与していた時期と、重なるのだそうです。下記にリンクを付したRandal S. Olson の記事には、欧米の男性の1820年から2013年にかけての平均身長の推移を、国別に示すグラフがあり、確かにオランダについては、1860年頃にはほぼ底辺だったのが、今では最も高い平均身長を誇っています。そして、その原因は、オランダにおける生活水準が向上し、食生活が豊かになったためだという説を紹介しています。さらに、記事の発行後、読者の意見や感想を取り入れて、他の考えられる理由を追加しており、その一つに、「平均的オランダ人は、他の多くの欧州の国民に比べて、パンや肉、チーズを大量に摂取し、多くの牛乳を飲む。」とあります。読者から寄せられた多くのコメントの中には、修道士さんがわたしに言ったのと同様のこと、つまり、牛に成長ホルモンを与えたためだと、オランダで聞いたというのもあります。
その話を聞いて、ふと思い出したのが、たまに「ひょっとしたら」と考えていた、わたしの仮説です。牛乳や乳製品の摂取量が増えると、摂取量に比例して、胸が大きくなるのではないかと、ずっと感じていたのです。というのも、イタリアに来た当初、食事が変わって体重もかなり増えたのですが、日本で太ったときに比べて、かなり胸が育ち、5年ほど前に運動や食事療法でダイエットしたとき、体重は減っても、胸の大きさには、それほど変化がなかったように覚えています。それが、約2年前から、花粉症の症状を抑えるためにと、牛乳や乳製品の摂取量を極力減らすと、気づいたときには、胸がかなり小さくなっていたのです。13年間で、A⇒D/E⇒B(今はAとBの中間かも)と胸のサイズがかなり変化したのを、自ら身をもって体験したからです。
ただ、どちらの件についても、オランダの件については、「そういう話を聞いた」、牛乳・乳製品と胸の大きさの関係については、「自分でこういうことを体験して、こんなふうに感じた」以上のことは、今は言えないように考えています。
何か裏づけが取れないかと、インターネットで調べると、真っ先に検索結果に上がったのは、牛乳や乳製品の摂取と乳がんの関係でした。オンラインで見つかる、英語やイタリア語のさまざまな研究結果を読んでみると、大勢の女性を対象にして、摂取する人・しない人・摂取量の少ない人と、乳がんにかかる率や、乳がんや再発する可能性を追跡してみて、実際にたとえ確かな相関関係があるように見えても、ひょっとしたら要因は、別の食品や食生活全般、環境など、ほかにあるかもしれないと、結論を保留しているもの、断言しないものが多くありました。イタリアのがんの権威とされる医師が関わる施設の記事に、「牛乳・乳製品の摂取と乳がんの罹患率の相関関係は見つからないけれども、乳がんの再発率はかなり高くなる」という研究結果を書いた記事を見つけたのですが、そうかと思えば、同医師が率いる別の施設のサイトには、「卵、牛乳、乳製品、白身肉、魚については、今日の段階では、がんを発達させるという証拠は存在しない」とあるので、いったいどちらが本当かというところです。
ただ確証はないにしても、可能性はあり、わたしは今までどおり、時々誘惑に負けたり、事情でやむなく摂取したりことがあっても、できるだけ牛乳や乳製品の摂取は控えるようにするつもりでいます。日曜の朝のカップチーノや外出先でのピザやデザート、ジェラートはふだんはついつい口にするのですが、例年、花粉の飛散が始まり、症状が出始めると、特に外を出歩かなければならないときは、caffè macchiatoで我慢します。白砂糖も症状を悪化させるということなので、この時期だけは、甘いものもお預けにしています。
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Abbazia di Monte Oliveto Maggiore, Asciano (SI) - 5/12/2014
Bellissimi e interessanti gli affreschi che ornano l'abbazia.
Volevamo soggiornare, ma nessuno ci ha risposto né al tenefono né via email nonostante diversi tentativi.
Un gentile monaco ci ha consentito di visitare la biblioteca e la farmacia.
Sorpresa! Secondo il monaco olandese, i suoi connazionali hanno avuto una crescita anormale in altezza da una generazione all'altra negli anni passati, dovuta alle iniezioni di ormoni alle mucche ... sarà vero? Me ne sono informata. E' vero che gli olandesi siano passati dal penultimo posto al primo negli ultimi 150 anni riguardo all'altezza media maschile tra i Paesi Occidentali, anche se rimane un punto interrogativo sul perché. Mentre ne cercavo le informazioni, ho trovato diversi articoli che discutono la relazione tra il consumo di latte e la salute. Alcuni dicono che danneggiano la salute, altri no. Continuerò a limitare comunque il consumo di latte, anche perché ora si avvicina anche il periodo dell'allergia ai pollini e l'assunzione del latte e dei latticini aggravano i suoi sintomi.
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関連記事へのリンク
- 負けるな花粉症
- 花粉情報、イタリア&ウンブリア
- 食の安全と酪農の危機
LINK
- Abbazia di Monte Oliveto Maggiore, Asciano (SI)
- Randal S. Olson – Why the Dutch are so tall (23/6/2014)
- Fondazione Umberto Veronesi – Oncologia – Seno: la dieta corretta dopo la diagnosi di tumore
- IEO – Istituto Europeo di Oncologia – Prevenzione - Alimentazione
- MNT – Lactose-intolerant people have lower risk of certain cancers – but why? (7/11/2014)
オランダ人の身長が高いのがそんな説があるのに驚きました。
もしそれが事実だとしたら、何と恐ろしいことでしょうか^^;
そして、花粉症の季節がやってきましたね~(・。・;
去年からなおこさんの記事を読んで、乳製品や甘いものがよくないというのを知り、びっくりしました。
そして、今度は乳製品と胸の大きさの関係・・・(@_@)
食べ物って日々のことなので、身体に大きく影響するのだなあ・・・とあらためて認識させられました。
毎日の食生活を大切に生きていきたいと思います♪
今回の記事はとても面白かったです。それに比べなおこさんの疑問に対する探究心に改めて感動しました。『疑問は全て解決させる』、しかも自身で探し出すなおこさんの一途な性格が特に出ていた回でしたね。私は疑問があるとまず人にききます。沢山の人にきいて、自分の結論を出すタイプですので、ある意味他力本願です。ちょっと恥ずかしく思いました。
特に健康面などの話題では、私は他の人に比べ異常な健康体ですのでいよいよ知識がありません。なおこさんの記事で栄養補給をすることにします♪ありがとうございます。
書いてみようと考えた以上は、どれだけ裏づけがあるかを調べたかったのですが、結果的には「何が真実だか紛糾して分かりかねる」という結論に至ったものの、とりあえず書くことにしました。書くのに迷いもあったので、なぎささんがおもしろいと感じてくださったと知って、うれしいです♪ こちらこそ、ありがとうございます。
私も考え改め、最近は出来る限り乳製品を控えてるように生活をしていることもあり、大変興味深い内容でした。
乳製品や牛乳を摂取すると胸が大きくなる、というなおこさんの仮説ですが、私個人的には、かなり高い確率で正しいのではないかと思います。なるほど!!と思いました。
牛乳と言えば、最近日本でも、やっと牛乳が体に悪いとう認識が広まっていているようで(ラクトースを日本人の体質で消化するのが難しいようですね)給食での牛乳の在り方が問われているようですね。
私は幸いなことに(?)火を通さない牛乳が嫌いなので、ベシャメルソースを作る時以外は基本的に買わないのですが、パルミジャーノやヨーグルト、様々なチーズやジェラートなど、イタリアでは乳製品は欠かせないものなので、100%避けるのは難しいですよね。。。
なおこさんも書かれているように、私も砂糖は白砂糖は使わず、お菓子作りでも三温糖を使うか、または蜂蜜で代用するように、また少量を心がけています。
乳がんについてですが、私は乳製品は癌を助長するというのは正しいと考えています。
私の祖母が乳がんになっていて癌家系というこもあり、また私は陽性のしこりが胸にあり、お医者さんから腫瘍が出来やすい体質だから気を付けるように、と言われているのです。。。その乳がん専門のお医者さんが言っていたのですが、欧米は乳がんが多いようですね。
それなので、乳製品を摂取していることと少なからず関係しているのではないか?と私は思います、。最近は日本も食文化が欧米化しているので、乳がんが年々増加傾向にあるようですよね。
癌については、乳製品だけ出なく、食べ物、添加物、低体温、電磁波、運動不足など色々な要素が関係しているようですが、私たちの体は、食べるもので作られるので、食べ物には出来る限り気を配りたいなと思っています。
なおこさんの記事中で出てきた内容ですが、魚も癌を発達させるという感が方があるのですか。お肉は体に悪いらしいですが、魚は体に良いものだと思っていたので驚いています。
今回の記事はとても勉強になりました、ありがとうございました。
なおこさんも色々と食事などに気を使われているとのことで、これからも色々情報交換出来たら嬉しいです。
牛乳はがんを助長する上、骨粗鬆症も引き起こすのだなど、牛乳が引き起こしうる疑いのある健康障害はいろいろあるようですが、論争があったり、害がないと言われたりするのは、酪農産業からの圧力が大きいからではないかという気がしています。因果関係はないというよりは、あると断言できないというだけの研究結果も多いのに、その可能性の多い理由として挙げられないのはなぜだろう、と。わたしの書き方というか、訳し方が分かりにくかったでしょうか、わたしが引用したサイトには、赤身肉については特に摂取しすぎるといけないけれども、「卵、牛乳、乳製品、白身肉、魚については、」食べたからがんになったり、がんが進行したりするということはないと、書かれています。ただし、魚も、養殖場では魚に与える餌が、そうして、海などで収獲される魚や魚介類については、海洋汚染など、魚が暮らす環境における環境汚染が問題になるかと思います。わたしは自分では肉を避けたいと思い、たまに外食や散歩のパニーノで買う以外には買いもしないのですが、日曜日の大家族の昼食では肉がどんと出て、翌日はその残りがあって、今日はうさぎ肉を料理したからといただいて……と、こちらに二世代住宅で暮らすと、どうしても食べる機会ができてしまいます。量は極力控えめにしているのですが。
どういたしまして。健康に関しては、いろいろな情報が錯綜していますが、自らの、そうして大切な人たちの健康を守るために、いろいろと気をつけて、情報も交換していきましょう。
魚の下りについて、再度ご説明ありがとうございます、私の理解が間違っていてすみません、理解出来ました!
実は最近義母は、健康のことを考え始めているようで、砂糖は三温糖を使っているようで良い兆しです。
あとは、恐らくなおこさんの義理のお母様もそうかもしれませんが、義母含め私の周りのイタリア人は、バターは体に悪いと考える人が多いので、少し助かっています。
ただ、三温糖なのはいいのですが、量も問題で、イタリアのお菓子のレシピは驚くほどの砂糖が入っていますよね。。^^;
乳製品、特に牛乳については、義母は体に良いと思っているようで話をしても、全く埒が明きません。
なおこさんが書かれいるように、自分で避けてる材料があっても、義家族と食事をすると「食べません」というわけにもいかないですし、なかなか難しいですよね。。
あとは、お菓子屋さんのお菓子類も、たまにはいいかな、と甘やかして食べてしまっています。。^^;
なおこさんは牛乳の代用としてほぼ豆乳を使われているのですね。なるほど。
なおこさん、お菓子作りはどうされていますか?
私はバターの代わりにヨーグルトを少しと少量の油を使うことが多いです。(ヨーグルトも結局乳製品なのですが…^^;)手に湿疹があったのですがバターを排除してから手の湿疹が治ったのでバターが原因だったのかな、と思っています。
私は、お肉は生ハム、サラミ類含め、週に1,2度くらいにどめるようにし、基本は野菜で生活しています。なおこさんは徹底的に排除するように生活されているとは素晴らしいですね!!
色々また教えていただきたいです!
牛乳はなおこさんが書かれているように、酪農産業の圧力、あとは多少考え方が偏りますが、アメリカの圧力というのもあるのかなと個人的には思っています(小麦の最大の産地のアメリカが、パン文化を日本に広めるので、牛乳も進むという構図)
肉は徹底的に排除というわけではなく、週に2、3回にとどめたいと思うのですが、日曜は皆と肉を食べ、翌日も残った肉を皆で食べなければならず、山歩きに行く際、パニーノはイタリアで頼むと、サラミかチーズしか選択肢がないことが、山の食料品店では多いので、どうしても生ハムかスペック(せめては腸詰めを避けて)を入れてもらうことになり、ピザの具にも好きなピザにはスペックが載っていたりなどなど、なんだかんだと食べる機会はできてしまうのです。ただ、量は控えるように気をつけています。甘いものも、わたしも結局好きなので、ついつい口に運んでしまいます。まだパネットーネの残りがあって、今夜も一口食べました。昨日の残りのティラミスは何とか食べずにやり過ごしましたが……
日本での牛乳については、わたしもアメリカの圧力は大きいと思います。遠い昔でうろ覚えなのですが、確か、アメリカの酪農産業の圧力で、本来牛乳を飲む習慣がなく、しかも牛乳を消化できない子供もいる日本の小学校の給食に、毎日牛乳が導入されることになったのではないかと……
医学的に見ますと、この説には幾つか疑問が出てきます。乳牛に与えたのが成長ホルモンか(オランダ人が大きくなった?)、所謂女性ホルモンか(胸が育つ?)、私は知りませんが、
成長ホルモンなら:
成人の体内に成長ホルモンが入ると、それ以上成長できませんから、額や下顎が張り出した(ゴリラを思わせるような)人相になり、手足が異常に大きくなります。子どもが大きく育つ程の量の成長ホルモンが牛乳に含まれていたのなら、成人にそういう病人が増える筈でしょう。
また、大きな親の子は大きく、小さな親の子は小さく、と、勿論例外はありますが大体のところは遺伝で既に決まっています。ホルモン異常で大きく成長しても、遺伝子に書き込まれている情報は変わりませんから、次世代はまた本来の大きさに戻るでしょう。
(ただ、乳牛に成長ホルモンを与える理由が私には思いつきません。肉牛ならわかりますが。)
女性ホルモンなら:
女性の胸が育つ程の量の女性ホルモンが牛乳に含まれていたら、それを飲んだ男性や子どもの胸も育ったり、男性がインポテンツになったり体毛を失ったり・・・という事が頻出するのではないかと思います。
という訳で、南より北の国の人達の方が体が大きい傾向がありますし、オランダの場合はもともと大きくなるポテンシャルがあったのが、生活水準が低かった時にはそれが抑圧されており、栄養状態がよくなったら爆発的に発現した、というところではないかな、というのが私の想像です。
大雑把な長文、失礼しました。
ドイツはオランダのお隣りですし、ドイツ語とオランダ語はかなり似ているそうですので(言語学者の中には、オランダ語がドイツ語の方言ではなく独立した言語として認められているのは、単に独立した一国の公式言語であるからという政治的理由からだと言う人もいます。)、もしオランダの方に会われる機会や、オランダの関連記事が目に触れましたら、また教えていただけると、うれしいです。
ケーキ作りに、果汁を使われているのですね、これは良いことを知りました、教えて下さりありがとうございます。
イタリアは、朝食が甘いものなので、どうしても朝食用にケーキのようなものを焼く必要があるので、悩んでいたところでした。
ヨーグルトに関しては、確かに様々な意見がありますよね。個人的には、なおこさんと同様に、ヨーグルトもなるべく摂らないことに越したことは無いのかなとは思っていますが(とはいいつつ使ってはいるのですが^^;)
澄ましバターという言葉を初めて聞きました。火にかけると有害な物質が層になって浮き出るのですね!!
知らないことがたくさんあり、勉強になります。
なおこさんと同じく、私も甘いものを食べるの事は大好きなので、どんなに健康に悪いとは言っても、たまのご褒美程度には、食べたいものですよね!
給食の牛乳は、お米に牛乳という、良く考えると甚だおかしい組み合わせですよね。私は牛乳が嫌いなので、毎食、鼻をつまみながら嫌々飲んでいた記憶があります。。^^;
メディアコントロールに負けず、段々、日本でも牛乳が体に悪いものだ、との認識が少しずつ広まってきているようで良い兆しだと思っています!
これからも色々情報を教えて下さい、宜しくお願いします。
http://cuoreverde.exblog.jp/14887437/
バター代わりにオリーブオイルを使う上、いろいろ試してみて分かったのは、牛乳は同量の果汁などの水分、たとえばオレンジ二つ分の果汁や、リモンチェッロ(レモンジャムと混ぜる場合)、ラム(マロンクリームを加えるとき)などで置き換えても、きちんとおいしく焼けることが分かりました。サクランボやリンゴなど、季節の果物を加えて焼くこともあり、そういうレシピはブログ内を検索していただければ出てくると思いますが、失敗することがほぼないので、ちょうどいい分量の配合になっているのだと思います。
最近は、寒くて鶏が卵を産まないので、パネットーネの残りを食べているのですが、砂糖はやめた方がいいと知りつつ、でもおいしいですよね。こちらこそ、これからもよろしくお願いします。