2015年 01月 27日
繰り返してはならぬ悲劇
ショアを扱ったイタリア映画は数ありますが、多くの人々の幸せと命を奪い、残酷な死に追いやる恐ろしさを描きながら、なおかつ子供の笑顔を守ろうと必死な父親の、その愛や生き方が心を打ち、希望とユーモアが散りばめられた『ライフ・イズ・ビューティフル』(原題は『La Vita è Bella』)が、わたしはとりわけ好きです。
ただ現実には、今でも、世界各地でこうした虐殺や戦争が相次ぎません。イタリアには、ナチスやファシズムに追われるユダヤの人々の命を救った人をたたえ、ショアを糾弾する一方で、移民排斥を訴え、差別に満ちた発言をする政治家や市民もいますし、パリの新聞社襲撃事件以来、残念ながら、イスラム教の人々に対する差別的言動が、イタリアでも増加しています。ヒトラーもムッソリーニも、民主主義国家の中で、最初は国民の支持を得て、のちに独裁者となったのです。日本でも、原発が多くの人のかけがえのない命を奪う可能性があることを知りつつ、そうして、基地建設には反対という沖縄の人々の思いを知りつつ、行政が、そうした地元住民の意思や生活を、ないがしろにしています。「自爆テロ」のことを、イタリア語ではkamikazeと言うのです。一触即発の様相を呈してきた世界で、過去の過ちを二度と繰り返さぬためにも、この日は、世界中で、ショアと共に、宗教や人種、肌の色など、あらゆる差別や迫害について、そうして、自国がどれだけ民意を尊重しているかどうかについて、考える必要があると感じています。
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Mondo senza pregiudizi, persecuzioni, guerre
E’ una base fondamentale per non ripetere gli errori dell’umanità.
Mussolini e Hitler, prima di diventare dittatori, una volta
Ottennero il consenso dei popoli dei Paesi democratici.
Ricordiamo la tragedia sofferta dal popolo ebraico,
Impediamo la nascita, crescita di discriminazioni di qualsiasi tipo,
Affinché tutti possano vivere in pace.
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- 21世紀の独裁者 / Dittatore del XXI secolo
- 人生にほほえめば / la Vita è Bella – Noa, “Beautiful That Way”
↑ 『ライフ・イズ・ビューティフル』の名曲に美しい歌詞をあてて、ノアが歌います。歌は英語、YouTube映像の字幕はイタリア語で、記事ではわたしが前半部を日本語に訳しています。
- 生きるに値しない命
↑ ナチスの虐殺の対象は、ユダヤ人だけではありませんでした。
1月27日はそういう日だったんですね~
私はちょっと違うかもしれませんが、戦場のピアニストが好きです♪主人公のウワディストワがピアニストだったため、ドイツ人将校は彼のピアノに感動してかくまってくれ、その数週間後に終戦が来るというものでしたが、あの映画の中で主人公が弾く曲は3曲でいずれもショパンの曲というのもいいですね~♪その中でも将校の前で実際に引いたのが「ノクターン20番嬰は単ハ短調「遺作」」だそうです。映画の中では「バラード一番」になっているらしいです。
なおこさんの記事にある『ライフ・イズ・ビューティフル』はまだ観たことがないのでそのうちに借りてみたいと思います♪良い記事をありがとうございます♪
『ライフ・イズ・ビューティフル』、本当にすばらしい映画だと思います。機会があれば、ぜひご覧ください。
私は戦争映画を見ると、それが特にフィクションだとしても感情移入してしまって、とてもつらいんです。
祖父母から、さらに両親から戦争の話を聞いていたからかもしれません。でもこのような現実、事実を伝えるのには映像はとても便利な手段です。
今現在でも悲しい対立や出来事が世界のいたるところで起きています。どうかうまくいきますように。
そうそう「ライフイズビュティフル」は、いい映画ですよね。観るたびに心を打たれる場面が変わって、また違う感想を抱きます。悲惨なお話なのに、なおこさんが言われる通り、見終わった後は切なさと温かさが交錯する不思議な映画です。同じような背景で無垢な子供が登場する「縞模様のパジャマの少年」という映画があるのですが、こちらは、もう胸が潰れるような結末を迎えます。なおこさんはもう見られているかもしれませんね。いつだって、戦争は罪のない弱者が犠牲になる、あっすいません、映画のお話になると、ついのめり込んでしまいます(^^)
この映画、わたしも大好きです。昨夜、どうして放映されなかったのか、残念です。テーマがテーマだけに哀しい、恐ろしい結末の映画も多いですよね。いえ、わたしもそれを心に刻みけること、声高に叫ぶことが大切だと思います。弱者が犠牲になる戦争は決して起こしてはならない、と。