イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

Sej, Yappari ~なぞの歌い手、なぞの歌

 「車の中で、ラジオから突然日本語の歌が流れて、びっくりしていたら、娘が携帯電話の、音声を通して歌を認識する機能を使って ―そんなことができるなんて、僕も知らなかったんだけど― それで、歌と歌手の名前が分かったんだ。それがどんな歌か、今度教えてほしいから、メールででも曲名を連絡するね。」

と、例の、「きよしこのよる」を暗唱して歌えるようになった生徒さんから、年末から何度か聞いていたのに、授業のたびに、催促するのを忘れていました。今日帰り際に思い出して聞くと、携帯電話を見せてくれたのではありますが、

Yappari di Sej

と書いてあるのです。Sejなどという名前は日本人の名前としては考えにくいから、Seijiか何かの間違いだろうと、うちに帰ってから調べてみました。そもそも日本に住んでいた頃から、流行の歌には疎かったので、わたしが知らないだけかと思ったら、日本語で検索しても見つかりません。日本語を知らず、なんと歌っているか分からない人の方が圧倒的に多いイタリアのラジオで、歌が流れるということは、それだけイタリアで、イタリアではなくともヨーロッパで、人気を集めつつある歌なのでしょう。

 なんとかYouTubeに歌が見つかりました。
(*2021年2月2日追記:かつて掲載した映像が視聴できなくなっているため、同じ歌の別の映像のリンクを見つけて張りました。)


 小泉今日子を思わせるような、なつかしい声、メロディーで、ゆるやかにゆったりと歌い上げていて、名前は不思議ですが、日本の方ではあるようです。インターネットで調べて、ベルリン在住の日本のピアニストの方だと分かり、CDは、2005年4月発表ですから、もう約10年前の話です。うちではあまりラジオは聞かない上(フランス語やスペイン語学習用CDを聞くからです)、歌番組もサンレモ音楽祭くらいしか見ないせいかもしれませんが、わたしは今日初めてこの歌を聞きました。

 日本の皆さん、ヨーロッパ在住の皆さん、歌い手のSejさんやこの歌をご存じでしょうか。イタリアでは、いつ頃から流れるようになった、人気が出始めたのでしょうか。教えていただけると幸いです。

Sej, Yappari ~なぞの歌い手、なぞの歌_f0234936_7265318.jpg
Immagine presa dal sito, www.phazzadelic.com


*追記(2月3日00:50)
 根気よく調べていたらなぞは解けて、本名も分かったのですが、クラシック音楽を演奏する著名なピアニストの方で、ポップスターにはなりたくないという旨が、下記に掲げた最初のリンク先のページ(今はページが存在しないため、リンクは削除しました)に書かれていますので、情報はとりあえず伏せておきます。

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"Yappari" - Sej ~ Canzone & cantante giapponesi misteriose

Sorpresa! - qui in Italia, d'improvviso si sentiva una canzone
in lingua giapponese alla radio nella macchina che guidava il mio allievo;
sua figlia ha avvicinato il cellulare alla radio ed esso ha dimostrato
i nomi della canzone e della cantante.
Oggi lui mi ha fatto vedere questi nomi di cui non ne sapevo niente,
e ora ho cercato le informazioni su Internet.
Risulta che la cantante è una pianista giapponese residente a Berlino,
la canzone è uscita nel 2005, ma stranamente sembra che
in Giappone non siano conosciute né la canzone né la cantante.
Poi perché ora si sente alla radio dieci anni dopo l'uscita della canzone?
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LINK
- PHAZZ-A-DELIC – Female Future - Info: FEMALE FUTURE (V.A., Compilation) (pdf)
- PHAZZ-A-DELIC – Female Future - Tracklisting & Details (pdf)
- Amazon.co.jp - CD, "Female Future" (Various, Artists, Import)
- Amazon.it – CD, "Female Future" (Various Artists)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by クロちゃん at 2015-02-03 07:44 x
なおこさん、おはようございます。♪
ご無沙汰しています。(*^_^*)
謎のというのが、どこか惹きつける魅力を感じます。
YouTubeの画像をクリーック!
あれ?
「この動画はご利用いただけません。」のメッセージが出てしまいました。
これも謎だー。(^^)/
Commented by milletti_naoko at 2015-02-03 08:07
クロちゃん、こんばんは。お久しぶりです。あれ、ご覧になれないんですか!? わたしは再生できるのですが、日本ではできないということでしょうか。不思議です!
Commented by ayayay0003 at 2015-02-03 10:44
なおこさん、こんにちは^^
私もトライしたけど再生できませんでした^^;
ので、直にユーチューブで探して再生しました(^^♪
なかなかイイ曲ですね~♪
で、こちらで調べると、「Sej」と言う人の「Honey」というアルバムの「Yappari」と言う曲というところまではわかりましたが、私もこの方は存知ません^^;
もっとも、私は歌番組どころか、午後11時台のニュースを見るくらいしかTV見ないのです^^;なのであてにありませんです。申し訳ありません。
でもイイ曲なのは間違いないですハイ(*^_^*)
Commented by milletti_naoko at 2015-02-03 22:47
アリスさん、こんにちは。皆さんにご迷惑をおかけして、申しわけありません。リンクはいつもと同じように貼っているようなので、日本では聞けないのか、わたしの貼り方が悪くて、わたしのパソコンでしか再生できないのか不思議です。Privacy avanzataを選んでクッキーを排除したリンクを作成したのですが、それは毎度のことですし……

イタリアで妙に元気がいいというか、音量の大きい歌に聞き慣れているためもあって、こんなふうにしっとりと歌う歌が何だかなつかしいです。いえいえ、大衆が理解できない異国語の歌なのにイタリアのラジオで流れるくらいですから、たぶんもし同じくらいの知名度があれば、すでにアリスさんの耳にも入っているかと思います。わたしの生徒さんもテレビはたまに映画を見る以外は、ほとんど見ない人なのです。
Commented by kazu at 2015-02-03 23:43 x
なおこさんが紹介されたサイトを見ますと、この方は富山の方のようですね。沢山のコンクールで良い成績を納められておられるようですが、残念ながら私も全く知らない方でした。日本よりも外国で活躍される音楽家は沢山おられるので、そんなピアニストのお一人なのでしょうね。でも、ジャズのコードを取ったようなyappariの曲調は、とても素敵でした。サイトの中に、「XINOWA SEJ」と名付けたトリオを結成したとあったので、探してみると、女性三人のピアノ演奏が何曲か見つかりました。いやぁ素晴らしいです。知人ももうすぐドイツに音楽留学をするのでとても興味のあるお話でした。謎のピアニストが判明して生徒さんもきっと喜ばれますね。
Commented by milletti_naoko at 2015-02-04 03:31
かずさん、わたしも昨晩遅くにおっしゃるページまでたどり着いたのですが、もう夜遅かったので、ピアノ曲の演奏までは聴けませんでした。明日の夜、仕事が一段落したら、またゆっくり聞いてみますね。今日は早朝から学校で研修があったので、昨夜の間になんとかなぞを解こうと、ついつい夜更かしをしてしまいました。ドイツに行かれるお知り合いがいるのですね。わたしも、昨晩なぞを突き止めようとインターネットで検索している最中、ドイツで活躍されている、著名な賞も数多く受賞された日本のピアニストの方が多いのを知って、びっくりしました。
Commented by nagisamiyamoto at 2015-02-04 09:28
なおこさん、こんばんは
ふうーん、面白いことがあるもんですね。私はお店でラジオを流しているので、ラジオはよくきくことがあります。日本の話題は結構出るのですが、歌となるとさすがに・・・数年前に『日本で人気のある歌手』というかたちで、いきなり安室奈美恵さんの名前と曲が紹介されました。あれはびっくりしましたね。
Commented by milletti_naoko at 2015-02-04 22:39
なぎささん、こんにちは。日本語の歌がイタリアのラジオで流れたことにも驚いたのですが、日本ではそれほど知られていないということにもびっくりしました。おもしろいことがあるものですね。安室奈美恵さん、久しぶりに名前を聞きました。いったいどういうきっかけでか分かりませんが、なぎささんの驚きが、わたしもそうぞうできます。よく考えてみたら、日本で洋楽が好きな人も、皆がみな英語をよく知っていて、歌の内容や言葉も好きだというのではなくて、単に声やメロディーが好きだという人もいるでしょうから、この歌も同じように、言っていることは分からないけれど、いい歌だということで人気が出てきたのかもしれません。
Commented at 2016-10-01 06:09 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2016-10-02 23:47
鍵コメントの方へ、ごていねいに、うれしいコメントをありがとうございます。あれからもう1年半以上も経っているんですね! 生徒さんからいい歌だからと聞いて、わたしも優しいすてきな歌だなと思いながら聞いて、生徒さんのために、イタリア語にも訳しました。イタリアの人は、音楽をイタリア語の歌詞であっても、あまり歌詞に頓着せずに好きで聞くこともあり、そういう意味で、この歌は、何語とも知らず、意味も分からないのにも関わらず、歌声や曲調の甘いなつかしい魅力がイタリアやヨーロッパの人の心をつかんで、この頃ラジオでしばしばかかっていたのではないかと思います。バック音楽が妙ににぎやかで、がんがん歌うような歌が好まれがちな昨今だからこそ、こういう歌の魅力に、わたしも含めて皆が魅かれたのではないかなと思います。

パソコンの不調でお返事が遅くなりました。どうかよい1週間を!
by milletti_naoko | 2015-02-02 23:34 | Film, Libri & Musica | Comments(10)