イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

トラジメーノ湖の水鳥たち

 群れをなして泳いだり、飛んだりする鳥が多い中、一羽でいることが多いのは、このカンムリカイツブリ(svasso)です。

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Sul Lago Trasimeno 9/2/2015

 写真を撮ろうとズームで拡大している途中に、魚を捕らえるためでしょう、水中に潜ってしまうことがよくあります。頭のてっぺんだけ黒くて長い毛が乱れているように見えて、浪人のざんばら髪を思い出します。

 一匹狼の浪人と言えば、いつだったか山を歩いているときに、友人から、イタリアでも『子連れ狼』が放映されていたと聞いて、びっくりしました。わたしは、息子を乳母車に乗せて歩く主人公と、「しとしとぴっちゃん……」という歌くらいしか記憶にないのですが、それでも友人の説明を聞いて、あああのドラマだと思い当たりました。


 というわけで、イタリアの友人たちのためにも、こちらの映像を載せておきます。

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 一方、オオバン(folaga)は黒づくめで忍者のような出で立ちをしていますが、たいていは群れをなしています。

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 カンムリカイツブリが孤高を保つその向こうで、オオバンがきちんと並んで、皆で同じ方向へと向かっていっているのが見えます。

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 いったいどこに向かっていたのでしょう。

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 ユリカモメ(gabbiano)は、一羽でのんびりと波に揺られていたり、空を飛んでいたりする場合もありますが、

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 オオバンと同じで、こんなふうに大勢が同じ場所に集っているのを、よく見かけます。

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 ちょうど夕日が沈む頃に、水面でも空でも、鳥たちが移動をし始めることはよくあるのですが、月曜、おもしろいなと思ったのは、オオバンたちが列をなして湖面をまっすぐに進んで行った、それとは逆の方向に、やはりほぼ一直線に列をなして、カモメたちが飛んでいたことです。

 トラジメーノ湖には、ほかにもいろんな鳥たちがいるのですが、今回は、おととい見かけた鳥たちをご紹介しました。

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Uccelli del Lago Trasimeno 9/2/2015

La testa dello svasso mi ricorda l'acconciatura di Ronin,
samurai senza padrone.
Sta quasi sempre da solo come Itto Ogami.
La folaga, vestita tutta nera, sembra ninja,
anche se sta sempre in gruppo e al tramonto
marcia diritto diritto in fila indiana.
I gabbiani a volte stanno da soli, a volte in gruppo.
Lunedì al tramonto volavano tutti in direzione opposta
a quella delle folaghe, chissà perché.
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関連記事へのリンク / Link all'articolo correlato
- 七色に光る湖ゆく夕日 / In Colori d’Arcobaleno il Lago Trasimeno al Tramonto (9/2/2015)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2015-02-12 10:27
なおこさん、おはようございます^^
トラジメ―ノ湖にはたくさんの鳥たちが暮らしているのですね(*^_^*)
そして、それぞれが、カンムリカイツブリさんは一羽でいることが多いとか、オオバンは群れをなしてるとか、観察すると楽しいですね~(^^♪
カモメさんは、その時によって違うのですね。
鳥たちもこの穏やかな春先の夕日を楽しんでいるのでしょうね(^-^)

イタリアでも『子連れ狼』が放映されているのには、びっくりしました(笑)
でも、なんだか嬉しいですね(*^^)v
Commented by nagisamiyamoto at 2015-02-12 11:00
なおこさん、こんばんは
相変わらず穏やかな湖ですね。『カンムリ・・・』というネーミングは日本らしさがでていていいですね。日本にもいるのかしら?しかしなおこさんは植物だけでなく鳥の名前もよくご存知ですよね。私もよくお客様に高速道路や道端でみかける植物の名前をきかれることが多いのですが、とんと出てこなくって時々恥をかきます。逆に日本の方から教えてもらうことも多く、日本人とはこれらのことにはるか昔から関心を持って生きている民族のような気がします。あら、そう言っちゃうと私って・・・
Commented by suzu-clair at 2015-02-12 13:16
美しい湖の夕景とともに、
水鳥たちもたくさん楽しめるなんて、
本当に素敵なところですね。
夕暮れ時は、
鳥たちも家路へ…というか自分たちのすみかへと
戻っていくのでしょうか。
群れをなす姿は、
鳥たちも、こうして仲間や家族と身を寄せ合いながら
一生懸命生きているんだな…
と、温かな気持ちにさせられます。

カンムリカイツブリさん、
頭の毛が可愛らしいですね。
やんちゃな男の子のようです^^

子連れ狼が、イタリアで!
私も、歌くらいしか知らないほど、
かなり古いドラマだと思いますが、
最近になってイタリアで放映されたのでしょうか?
イタリアの人たちには、
どのように映ったのか、知りたいです^^
Commented by milletti_naoko at 2015-02-12 17:55
アリスさん、おはようございます。他の鳥たちと比べて、カンムリカイツブリは一羽でいることが多いのですが、たまに夫婦か恋人どうして二羽いっしょにいて、うち一羽だけが一生懸命に餌を取って、もう一羽にやる様子が見られたり、夫婦が小さい子供たちを連れているように見えたりして、鳥たちを観察するのもおもしろいです♪ カモメは夏は岸辺や桟橋の近くにいることが多いのですが、この日はどういうわけか、皆が沖に大集合していました。

「時代劇にもいろいろあるのに、どうしてまた『子連れ狼』が?」とびっくりしました。教えてくれた友人の口ぶりからは、番組を楽しんで見ていたようです。
Commented by ムームー at 2015-02-12 18:01 x
なおこさん
こんにちは。
わぁ~素敵な眺めですね、鳥さんの様子って
和みますね、可愛いです~
湖面で遊ぶ鳥さんたち、後ろに見える建物
など、素晴らしいですわぁ~
昨日はようやく白鳥さんに出会えましたの、
でも道路からですから、はっきりとは
写せなかったです、でも感動しました。
いつもありがとうございます。
Commented by milletti_naoko at 2015-02-12 18:04
なぎささん、おはようございます。前日は風景が美しい写真を選んだら、水鳥たちの写真を載せられなかったので、同じ日、月曜日に撮影したものの中から、鳥の写真を選んでみました。おっしゃるように、この日は風もなく水面も穏やかなので、鳥たちが日ざしの下で、こんなふうにくつろいでいたのでしょう。

わたしは日本では見た覚えがないのですが、どうやら日本にもいるようです。わたしがざんばら髪のようと書いた部分、確かに冠のようにも見えるので、日本語名は大和言葉の響きもいいし、鳥の姿をうまく言い表していますよね。この鳥に限らず、日本では名前を知らずに、イタリア語で夫から聞いて名前を知って覚えていて、記事を書く段になって、「あれ、日本語では何と言うのだろう」と思って、辞書やインターネットで鳥や草木、花の和名を調べることがよくあります。どういう動物、植物かはちゃんと知っているけれど、対応する日本語名が分からないという…… 民族というよりも、人にもよるのではないかと思います。うちの夫は歩く植物・動物図鑑で、他にもそういうイタリアの友人が何人かいますが、日本の、たとえばこのブログのお友だちでも、お花をお仕事にされていて、植物に精通されている方がいますから。 
Commented by milletti_naoko at 2015-02-12 18:14
すずさん、島は緑が多いので、アオサギにも時々出会えますし、高く茂った葦の間にはさまざまな種類の鳥たちが隠れているようですが、湖で一番よく目にするのは、今回ご紹介した鳥たちです。夕日が沈む頃になると、不思議と移動する鳥が多いのは、すずさんがおっしゃるように、きっとすみかへと戻っていくのでしょうね。鳥は違いますが、こうやって夕暮れ時に群れて飛び立つ鳥を見ると、秋ではありませんが、『枕草子』の「夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて」というくだりを思い出します。

そうそう、カンムリカイツブリ、何だか頭に愛嬌がありますよね。イタリアでの『子連れ狼』の放映は、かなり昔だったようで、友人はなつかしそうに話してくれました。楽しんで見ていたようです。
Commented by milletti_naoko at 2015-02-12 18:17
ムームーさん、こんにちは。自然が豊かで、魚や鳥たちがたくさんいて、おっしゃるように、鳥たちを見ていると心が和みます。「寒くないのかなあ」と、夫も感心しながら鳥たちを見ていました。

白鳥さんに出会えたんですか。それはよかったですね! 機会が少ないし、優雅な美しい鳥なので、会えるととってもうれしいですよね♪ こちらこそ、いつもありがとうございます。
by milletti_naoko | 2015-02-11 23:59 | Umbria | Comments(8)