イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

聖なる家、中世にパレスチナからイタリアへ

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 昨日は、マルケ州ロレートの町にある聖なる家教会を訪ねました。

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Santuario della Santa Casa di Loreto, Loreto (AN) 14/2/2015

 この教会の中に、聖なる家(la Santa Casa)、聖母が受胎告知を受け、イエスと夫と共にナザレで暮らしていた家が、大切に保存されています。

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Santa Casa, immagine presa da www.santuarioloreto.it

  言い伝えでは、1291年に十字軍がパレスチナから撤収したとき、この聖母の家が天使によって、まずは現在のクロアチア、そして、ロレートに運ばれたとされています。現在では、ナザレにおける考古学的発掘や文献学・図像学研究などの結果によって、聖なる家の建築に用いられた石が、船でナザレからロレートに運ばれたという仮説を、さらに裏づけし、確かなものとしつつあるということです。

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Le tre pareti della Santa Casa, da www.santuarioloreto.it

 イスラム勢力支配下で、聖なる家が破壊されることを恐れて、ナザレからイタリアに運んだのあろうと言われているのですが、ナザレにあった聖母の家は、四方を囲む壁の一面は岩壁となっていたため、この教会内にある聖なる家は、そのもともとあった三面の壁は忠実に再現され、もう一面は聖母の像を祀る祭壇となっています。

 この家を構成する石やレンガが、ロレート周辺には見当たらず、ナザレにある石やかつてナザレで用いられていた製法に近いことからも、この聖なる家が本当に聖家族が住んでいた家であることには、間違いがないと実証されつつあるようです。

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Le tre pareti della Santa Casa, da www.santuarioloreto.it

 16世紀に教皇ユリウス2世の命によって、この聖なる家は、美しい彫刻を多数施した大理石で覆われました。ルネサンスを代表する建築家、ブラマンテが設計を担当しています。聖家族が暮らしていた家の素朴さ、貧しさがその清貧と、清貧の中にありながら育てられ、守られた愛や信仰を、みごとな大理石の覆いは、主や神の勝利や栄光を象徴してあるのだと、教会内の説明に書かれていました。。

 聖なる家内では撮影が禁じられ、教会内でも撮影禁止だと思って写真を撮りませんでしたので、教会内の写真は、すべて教会自体のサイトから借用しています。教会内部のそれは美しい装飾の数々に興味がある方は、下記リンクにある教会のサイトをご覧ください。

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Presepe davanti al Santuario della Santa Casa 14/2/2015

  教会前には今もまだ、イエス生誕の場面を模したプレゼーペ(presepe)が飾られています。

 聖なる家の入口には、「わたしたちの家族もお守りください。正しく、人々や互いへの愛を忘れぬ家族でいられますように。」といった祈りの言葉が書かれています。教会内の土産売り場で、聖なる家に祀られた聖母像の写真と、家族の祝福を祈る言葉のあるマグネットを購入しました。昨日は、たまたま近くの町に行ったので、ついでにロレートにも寄ったのですが、バレンタインの日に、家族を大切にする思いを強くさせ、祝福してくれる教会を訪ねられたことが、うれしかったです。

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Loreto (AN) 14/2/2015

 今も昔も、このロレートの聖なる家教会を、数多くの信者が訪ねています。毎年初夏には、マチェラータからロレートまで、約27kmの道のりを夜通し歩くという旅に、全世界から多くの人々が駆けつけます。1978年に初めて行われた巡礼では、わずか300人余りだった参加者は年々増加し、昨年は約十万人もいたそうです。

 教会から離れた無料の駐車場に車を置いたおかげで、町の散歩や見晴らしも楽しむことができました。教会の高みにあり、外壁の周囲に張りめぐらされた柱廊を歩いて、教会の周囲を一周できるそうなので、またいつかこの散歩を楽しんでみたいと思っています。

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 なぜそのような貴重な家がマルケ州のロレートにあるかと言うと、家をイタリアまで運んで来たものの、当時はちょうど、聖なる家をどこに配するかなどを決定すべき教皇が退位したばかりで、次の教皇が決まっておらず、新教皇の選定まで、その任務を代行していたのがレカナーティの司教であったため、司教が自らの管区にあるロレートに、聖なる家を置くことにしたのだそうです。

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Santuario della Santa Casa di Loreto 14/2/2015

- Sono contenta di aver potuto visitarlo proprio nel giorno di San Valentino.
La Santa Casa è piccola e umile ma sarebbe stata piena d'amore, rispetto profondo e reciproco.
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LINK
- Santuariio della Santa Casa di Loreto – La Santa Casa (聖なる家)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-02-15 22:45 | Marche