イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

蜜蜂の毒で制する関節炎

 冬の寒さが厳しくなり、湿度が高くなると、手の指のあちこちに関節炎の痛みが出て、ちょっとした手仕事がつらいことがあります。

蜜蜂の毒で制する関節炎_f0234936_7182014.jpg

 昨年12月の初めには、まだ暖かかったからか痛みは出ていなかったのですが、トスカーナで、伝統の薬作りが有名だという修道院の薬局を訪ねたときに、いい薬はないかと聞いてみました。「関節炎にはこれを」と、すぐに指し示して説明をしてくれたのが、蜜蜂の毒を使ったこちらの塗り薬です。

 蜜蜂の毒にそんな効果があるなんて聞いたことがないけれど、と半信半疑のわたしに、店の人は、「古代ローマ時代から使われていたんですよ。」と、その効果と信頼性の高さを説明します。

蜜蜂の毒で制する関節炎_f0234936_7182040.jpg

 店の方の確信を持った口ぶりに、わたしもそれならと購入を決めました。常々、合成化学薬品は頼らず、自然にある素材を利用した伝統的療法の利用を心がけているからでもあります。容器には、ご覧のように蜜蜂(ape)毒(veleno)を成分とした軟膏(pomata)だと記されてています。

蜜蜂の毒で制する関節炎_f0234936_719101.jpg
17/5/2012

 年末だったか気温が急激に下がり、屋内の湿度が高くなって、指が痛み始めてから、この塗り薬を使っています。当初や昨年に比べると、痛みはかなり和らいでいるのですが、最近天気がいいからか、薬が効いたからか微妙なところです。どちらも症状の緩和に貢献したというのが、本当のところでしょう。

 今日になって、記事にするために初めてインターネットでいろいろ情報を調べてみると、蜜蜂の毒を用いた療法に長い歴史があるのは本当のことで、しかも、古代ローマよりもさらに昔、古代エジプトの紀元前2世紀のパピルスに、蜜蜂の毒を患部に塗りつけるという療法が記されているそうです。紀元前4~5世紀に生き、医学の父と呼ばれる古代ギリシャのヒポクラテスも、関節炎などの治療に、蜜蜂の毒を用いたようで、古代ローマの歴史家や医学者もこうした療法を語るほか、カール大帝が通風の治療に用いたとも言われるようです。

 記事末でご紹介しているイタリア語の記事によると、現代医学では、研究結果や医者の意見が分かれるものの、蜜蜂の毒には、関節炎の炎症の緩和や症状の悪化を抑える働きがあることが認められつつあるという印象を受けます。ただ、そういった効果が期待できそうな有効成分が複数あって、いったいそのどれが具体的に効力を発揮しているかということは限定できていないようです。

蜜蜂の毒で制する関節炎_f0234936_7191916.jpg
Abbazia Monte Oliveto Maggiore, Asciano (SI) 5/12/2014

 昨年12月、シエナ県にあるモンテ・オリベート・マッジョーレ修道院を訪ねたとき、離れにあった薬局には、他の修道院の薬屋では見かけないようなめずらしい薬やリキュールがいろいろ置かれていて、蜜蜂の毒入りの塗り薬は、ここで購入しました。

蜜蜂の毒で制する関節炎_f0234936_7193272.jpg

 残念ながら、現代の薬局の写真が見当たらないので、親切な修道士さんが案内してくれた昔の薬局の写真を添えておきます。昔さまざまな薬や薬草が入っていた陶器の壺や、薬づくりに必要だった道具が並んでいました。

********************************************************************************************************************************
Veleno d'Ape contro l'Artrosi

Mi ha convinto il signore dell'erboristeria dell'Abbazia di Monte Oliveto Maggiore. Ha detto che il rimedio era conosciuto e praticato pure nella Roma antica. Dunque, ho acquistato la pomata al veleno d'ape e sembra che essa mi avesse alleviato il dolore delle dita.
Sorpresa! Secondo Repubbilica.it "l’uso terapeutico del veleno d’ape risale ad almeno duemila anni fa. Secondo il ricercatore egiziano Ahmed Hegazi, su uno dei primi rotoli di papiri egiziani risalente al 2000 prima di Cristo, sarebbe già menzionata l'apiterapia tramite strofinamento del siero tossico sulle parti dolenti. Il veleno d’ape sarebbe stato conosciuto sotto questo aspetto anche in altre antiche civiltà, come quella assiro-babilonese. Il greco Ippocrate, considerato il “padre della medicina” e vissuto tra il 460 e il 377 avanti Cristo, l’avrebbe utilizzato per guarire artrite e altri problemi alle articolazioni e infiammatori definendolo “medicina strana e misteriosa”. Ne parlano anche il romano Plinio il Vecchio (23-79 dopo Cristo) nella sua Naturalis Historia, e il greco Galeno (129-216). Carlo Magno l'avrebbe invece usato per guarire dalla gotta."
********************************************************************************************************************************

LINK
- Abbazia di Monte Oliveto Maggiore - HOME
- 美しい壁画に飾られたシエナ県の修道院、Abbazia di Monte Oliveto Maggiore, Asciano (SI)
- Repubblica.it - Dalle rughe ai reumatismi, ecco tutti I benefici dll’apiterapia di Monica Rubino (20/1/2013)
↑ 法外な値段の美容のための利用に次いで、関節炎や関節症、通風などの痛みを和らげる効果やその四千年という長い歴史についての説明もあります。

- Tossicologia dei veleni di imenotteri e loro impiego terapeutico (apiterapia) – Dott. Franco Feraboli Divisione di Ortopedia Azienda Ospedaliera di Cremona
↑ artrosi(関節炎・関節症)という言葉を探すと、関節炎に古来どんなふうに用いられ、かつ実験報告や効果を説明する部分が、長い説明中どこにあるかが分かります。
- Italiasalute.it – Il veleno delle api per contrastare l’artrite. Studio scientifico conferma la credenza popolare sui benefici del veleno di Andrea Sperelli (28/6/2010)

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

by milletti_naoko | 2015-02-20 23:20 | Notizie & Curiosita