イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

日本・イタリアで病院・美容院

 「きゃ・きゅ・きょ、しゃ・しゅ・しょ」などの拗音は、日本語の勉強を始めたばかりの外国の人には、読むのも発音するのも大変です。今日は授業中、「びょういん」の発音が「びよういん」になっていたので、「読み方が違うと意味が違ってしまって、病院に行きたいのに、美容院への行き方を教えてもらうことになりますよ。」とホワイトボードに絵を描いて説明しました。

日本・イタリアで病院・美容院_f0234936_5312167.jpg

 「おお、これは写真を撮らなければ」と、生徒さんが言ってくれたので、調子に乗って休み時間にこっそり写真を撮り、今夜こうしてブログに載せることにしました。

 ちなみに「びょういん」という言葉および二つの例文が、次のまるごとのウェブページにあって、音声アイコンを押すと、すべての発音を聞くことができます。

- Marugoto Words & Example Sentences – びょういん

 ところで、イタリアでの病院・美容院について、わたしの体験はどうかと言いますと…… 留学生としてイタリアに暮らし始めた13年前は、病院も美容院も、イタリアで行くのは不安だからと、日本に帰国するたびに歯医者や眼科に通い、美容院で髪を切ってもらっていました。実際イタリアでは、私立の歯科医院で虫歯の治療を受けると、海外留学保険もイタリアの保健証も効かない上に、公立の歯科はどうかと言うと、保健証が使えるため料金は安目のようですが、何週間も待たなければいけないことがまれではありません。運や病院にもよるのでしょうが、「公立病院の歯科で大変な思いをしたから、歯の治療は私立病院で」と言うペルージャの人を何人か知っています。イタリアで歯の詰め物が取れたり、ひどい虫歯で緊急事態になったりという経験を通じて、今は料金こそ高いなと思いつつ、ペルージャのいい私立の歯科医を見つけて、いざと言うときにお世話になっています。人もいいし、腕もいいので助かっています。

 美容院も、ペルージャ外国人大学で出会った日本人の留学仲間から、「日本人とイタリア人では髪の質や頭の形が違うので、どうしようという困った仕上がりになることが多い」と聞いて、最初の数年は日本に帰国したときにのみ美容院に行っていました。数年前から結婚式の前も含めて、イタリアで、何度か義母の行きつけの美容院や、他の美容院を試してみたのですが、行ってみては、「ああ、行くんじゃなかった」とため息をついていました。基本的には単純なボブカット、そうでなくともショートカットなので、仕上がりそのものは幸い納得が行くものに仕上がっているのですが、髪や頭、そうして客の扱い方が、日本に比べてひどくぞんざいで、何だか乱暴に扱われているような、物扱いされているような気がするからです。しかも、そういう目に遭うために、長い間順番を待たなければいけないのです。2軒だけしか行っていないし、担当に当たった女性も全部で3人くらいですので、皆がみなそういう美容師さんではないのでしょうが、まずは髪を洗ってもらうときに頭を載せる台のその頭の載せ心地が悪くて首が痛み、髪を洗うときのお湯の温度も、ひどく熱いのです。そうして、髪を洗うのも、切るために髪を引っ張るのも、それは無造作にされているような印象があり、最後にかけるドライヤーもとんでもない高熱で近くから熱風を吹きつけられて熱くて困るくらいということも、まれではありません。2軒のうち一つは、義母がここがいいと決めて行きつけにしている店ではあります。けれども、長い間待ったあげくに、何だかやっつけ仕事のように、慌しく乱暴にさっさと髪を洗われ切られるたびに嫌な気分になり、最近はあきらめて、イタリアでどうしても髪を何とかしなければというときには、自分で髪を切るようになりました。

*********************************************************************************************************************
La grandezza fa la differenza... in lingua giapponese

びよういん con よ grande si legge /bijo:in/ ed è dove lavorano i parrucchieri.
びょういん con よ piccola si legge /bjo:in/ e significa OSPEDALE.
Ecco il link per la pagina web dove si può ascoltare la pronuncia di びょういん:
*********************************************************************************************************************

LINK
- 新しい日本語の教科書、『まるごと』1、長所 / Nuovi manuali di giapponese, “Marugoto” – parte 1: i suoi Pregi
- 新しい日本語の教科書、『まるごと』2、問題点 / Nuovi manuali di giapponese, “Marugoto” – parte 2: i suoi Problemi

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by Masami at 2015-04-30 06:08
なおこさん、こんばんは♪

「びよういん」と「びょういん」は私も昔イタリア人に日本語を教えたことがあるのですが、どのイタリア人も発音の違いに苦労していたことを思い出しました!それにしても、なおこさんは絵がとってもお上手ですよね~!!生徒さんはなおこさんの絵のお蔭で「びよういん」と「びょういん」をきっと視覚と合わせて忘れないようになるのではないでしょうか^^

そしてイタリアでの美容院・・・私も地元の美容院で何度かチャレンジしてみたのですが、その度に後悔する有様で、最近はミラノの日本人の方にお願いするか日本の美容院に行くかになりました!
Commented by milletti_naoko at 2015-04-30 06:58
まさみさん、こんばんは♪ 外国語を学ぶということはどんな言語であれ、やっぱり最初が大変ですよね。ありがとうございます。絵を楽しんでいてはくれたようですが、それを機にどうか記憶にも残りますように。

北イタリアでもやっぱりいい美容師の方を見つけるのは難しいんですね。日本の方の多い地域には日本人の美容師さんがいらっしゃるんですよね。うらやましいです。高校で教えていた頃は、「先生、切ったろか」と呼びかけてくれる女子高生が時々いたのですが…… 美容師志望の子が、トイレで友だちの髪を切っているのを見かけたときの話です。
Commented by ayayay0003 at 2015-04-30 09:40
なおこさん、おはようございます^^
びょういん、と、びよういんの発音の違いで両者をよく間違えるというのは、何かで聞いたことがあります(*^_^*)
そのとき、ああなるほど・・・と感心したものです!
やはり、外国人に日本語を教える上では避けては通れない言葉のようですね(^_-)-☆まあ、こういうのは住んでいるうちに慣れてくるような気がするので、そう問題はないかな?なんて思ったりもします☆なおこさんの絵がかわいくて、授業中にサラッとこういう絵が描けるなんて素敵です☆

美容院のお話は以前から少し伺ってたけど、そんなに違うのですね(・。・;自分で切るというの理解できますよ(^^♪
日本の美容院はありがたいですね♪住んでると当たり前ですが、感謝しないといけません(笑)
Commented by ムームー at 2015-04-30 11:43
のこさん
こんにちは。
言葉って紛らわしいですねぇ~
病院と美容院はまちがいますわぁ。
私はもう何十年も美容院は行かずに
自分で切っています。
言葉が通じていても色々な人が
いるもので、気に入った髪型に
なったことはありませんの。
接客する人も色々です、技術だけでは
なく勉強してほしいですわ。
Commented by milletti_naoko at 2015-05-01 01:36
アリスさん、こんにちは。「びょういん」と「びよういん」を言い違えて、困ったことになるという事態はきっとないとは思うのですが、読み間違えたら違う言葉になってしまうから気をつけましょうということを意識づけようと、あえてこんなふうに言って、間違えないように絵も添えてみました。絵へのおほめの言葉、ありがとうございます♪

イタリアの人は、美容院ってそんなものと考えているから、別に気にしないんだと思うのですが、ゆったりくつろげていい気分になれてもいいはずの美容院でお金を払って嫌な思いをするのもどうかなと、結局自分で切っているわたしです。なかなかうまいと義母は言ってくれるし、お金は浮くのではありますが、いい美容院があれば行ってみたいことは言うまでもありません。
Commented by milletti_naoko at 2015-05-01 01:37
ムームーさん、こんにちは。似たような言葉でこれだけ意味が違うのもおもしろいですよね。ムームーさんも、もうそんなに長い間、ご自分で髪を切られているんですね! 美容院選びは日本でも難しくなっているんですね。
Commented by ぷー at 2015-05-02 05:21
なおこさん、こんばんは。
こっちで美容院はまだまだ冒険っぽいですね。私はナポリで2度義母の通うところへ、1度友達の行っているモグリの美容師のところへ。ローマでVIPが通うところへ1度、ミラノで1度と、計6回イタリア人のところへ行きました。どこも腕は良かったです。一番気に入ったのはナポリの義母の通うところと、ミラノの美容院です。どれも出来が悪くなかった〜〜♡だけど、ナポリは、他のお客さんの連れている子供にジロジロ見られるのに耐えきれなかったのと(小心者でーす)、お義母さんが払ってくれるから気の毒ってのとで行かなくなりました。ミラノの美容院は、美容師さんたちの間ではセンスの良いところで有名らしく、実際私の髪を切ってくれた人も、とても腕が良かったです。お店の雰囲気も良かったし。でも、ミラノは今日本の方がされている美容室があるんですよ〜。ですので、そちらに専ら通っています(というほども行かないのですが。上客ではない・笑)。
でも、今の美容室に出会うまで、私も日本で切りだめ(笑)していたし、もしくは我慢ならなくなると自分で切っていました。良い美容師さんに出会うのは、イタリアでは難しいですよね。
さて、本題の発音の言い間違い・読み間違いですが、夫にも最近それを指摘したところです。しかも本当に「美容院」と「病院」の単語で。私にはホットな話題でした^^
Commented by milletti_naoko at 2015-05-02 07:15
ぷーさん、日本の方が行かれてよかったと思えるところがやっぱりイタリアでもあちこちの町にあるんですね。もっともっと度胸と根性で探したら、きっとペルージャでもこの店ならという店にめぐりあえるかもしれませんね。わたしは2軒目で根負けしてしまいましたが……

あらあら、くまさんにも、病院と美容院の発音は難しいんですね。でも、それだけ日本語を勉強されていて、語彙力もあるということですから、すばらしい♪ うちの生徒さんとくまさんが、時期を同じくして間違われるということは、よくある間違いなのかもしれませんね。
by milletti_naoko | 2015-04-29 22:31 | Insegnare Giapponese | Comments(8)