イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

栓抜きなければ打ってみな

 先月の週末、友人たちとミジャーナの改築中の家で過ごしたときの話です。食料品や調理道具などをうちからいろいろと持ち出したとき、せっかくの機会だからと、とっておきのモンテファルコ、サグランティーノの赤ワインの瓶も運びました。

 ところが友人たちが着いて、さあ昼食という段になって、ワインはあっても栓抜きがないことが判明しました。夫も友人も、日頃からワインの栓も抜けるスイスナイフを愛用していて、登山や巡礼どころか旅行のときも、たいていリュックに忍ばせています。飛行機で旅行先に向かうときに、大切なスイスナイフを機内預かり荷物の方に入れるのを忘れて、出発空港で泣く泣く捨てなければいけなかったことが、夫の場合は、二度もあります。ところが、このときに限って、二人ともスイスナイフを持っていませんでした。

 それで、昼食はワインなしで済ませたのですが、その日の夕方、わたしたちが夕食のしたくをしていると、「ワインの栓が抜けたよ」と、友人たちが威勢よくうちに入って来ました。

 いったいどうやって瓶を開けたのかしらと、友人が手にするワインの瓶をいぶかりながら見やってびっくりしました。

栓抜きなければ打ってみな_f0234936_4564040.jpg

 こんな瓶の開け方もあるんですね。「これではどうだ」とばかりに、ネジを3本思い切りコルクに打ち込んで、栓が抜けるようにしたわけです。ネジや工具が、当然のように備品として車の中にあることは、この友人は、家具づくりから水道工事、レンガ敷きまで何でも来いという人なので、分かります。けれど、ワインの栓を抜くのに、コルクにネジを打ち込むという発想にびっくりしました。

 いつか記事にしようと思いつつ台所の隅に置いていたワインの瓶を、明日はようやく、ガラス用のゴミ入れに収めることができます。栓とネジだけでは寂しかろうと、写真は昨日花壇のひなげしたちを背景に撮影しました。

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Un modo geniale e insueto per aprire una bottiglia
di vino
nell'assenza di un cavatappi
ideato ed effettuato dai nostri amici.
Viva la creatività! Viva il Sagrantino di Montefalco!
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by nagisamiyamoto at 2015-05-08 09:32
なおこさん、こんばんは
おー!これはすばらしい。いうなれば原理は一緒ですものね。私もどーしても呑みたかったら思いつくかもしれないですが、いいことを教えてもらいました。3本打つのがポイントなんですかね?
Commented by ムームー at 2015-05-08 16:18 x
なおこさん
こんにちは。
まぁ~発想が素晴らしいですね、色々な
ことをされる方は使いこなすことも
ご存じなんですよね、ネジと可愛い
ヒナゲシがまた、いい雰囲気を
出していますねぇ~♪
いつもありがとうございます。
Commented by suzu-clair at 2015-05-08 16:53
男性ならではのアイデアといった感じがして、
私などはうらやましいです^^
私事ですが、花の仕事をしていると、
とくにデザイン的な作品づくりには案外大工仕事のような要素も求められることもあったりして、
そういうことが得意な男性諸君が羨ましく思えるんです。
ねじやドリルを駆使したり、のこぎりで太い枝を切ったりする男前な仕事、憧れます^^
だからなおこさんのおうち作りのご様子も、いつもいいなあ~と思っているんですよ^^
お写真、なんだかアートな感じもしておしゃれに見えるのは、イタリアの風景だからかな~?

↓のさまざまなひなげしの花、本当にきれいですね。
毎朝ひなげしが次々に咲くご様子をご覧になられるなんて、
なんて気持ちのよい一日の始まりなのでしょう☆
お仕事に向かわれるお気持ちにも、弾みがつきそうですね♪
Commented by kazu at 2015-05-08 18:07 x
なおこさん、もう共感です!。恐らく誰もが一度は経験していることかも知れませんね。失敗すると、茶こしが必要で(笑)しかし、なんという機転の良さ!感心しきりです。呑兵衛の夫は、ワインオープナーがないときは、どこから仕入れた裏技なのか、バスタオルをボトルの底に当てて、壁にトントンと打ち付けます。すると信じられないのですが、コルクが少しづつ押し上げられてくるんですよ。半分くらい上がったところで、手で引き抜きます。さすが呑兵衛は何としてでも呑もうとするのですよね。私は、瓶が割れそうで怖いので、逆にもう中にコルクを押し込んでしまいます。こちらは抜くのがダメなら押してみな~かな。いろんな知恵が出て面白いですね。
Commented by milletti_naoko at 2015-05-09 06:32
なぎささん、こんばんは。おっしゃるように、確かに原理はいっしょなんですが、そうと思いつくところがさすが。3本しっかりねじ込むことで、1本だけだと浅いので抜けてしまいかねないものも、さっと抜けると考えたのかもしれませんね。
Commented by milletti_naoko at 2015-05-09 06:35
ムームーさん、思考が柔軟と言いましょうか、びっくりしました! ひなげしの雰囲気、絵をたしなめるムームーさんにそう言っていただけるとうれしいです。こちらこそ、いつもありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2015-05-09 06:42
すずさん、そう言えば考えたことがありませんでしたが、男性の仕事と女性の仕事の境界がようやくなくなりつつある今、お花のお仕事でも男性が活躍されているんですよね。そういう世界では、やっぱり男性だからという発想や工夫、技(大工仕事の技術も含めて)も独創的な工夫や作品のできに生かされるのでしょうね。すずさんのお言葉にこもる実感から何だか男性作品への興味がわきました。写真、おしゃれに感じていただけてうれしいです。かわいいひなげしたちのおかげです。

ありがとうございます。ひょっとしたら一度きりの出会いかもと思えるような珍しい花との出会いが多くて、今朝もついつい遅くまでカメラを構えていました。授業も楽しいですが、ひなげしのおかげで毎朝楽しみが増えました♪
Commented by milletti_naoko at 2015-05-09 06:47
あら、かずさんにもそういうご経験がおありなんですね。かずさんが試された方法、わたしもどこかで見たことがあるのですが、確かにバスタオルを使えば、衝撃も抑えられるでしょうね。なるほどなるほど。

いろいろ皆さん、考えるものですね~
by milletti_naoko | 2015-05-07 21:56 | Notizie & Curiosita | Comments(8)