イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

逃げる鹿迫る鹿

 同僚の日本旅行の写真を見た生徒さんが、奈良で自由にのんびりと歩き回る鹿を見て、ひどく驚いていました。と言うのも、イタリアの野山では、鹿は「人間⇒猟師⇒危険」と考えるからか、遠くから見かけたり、足音をさせたりしただけでも、姿を消してしまうことが多いからです。「これはどこですか。うちの娘を連れて行きたいです。」という生徒さんに、奈良では鹿たちが「人間⇒エサをくれる」と考えているから、日本庭園の鯉といっしょで、人を見ると寄ってくるんだと言うと、「じゃあ、ベネチアのサン・マルコ広場の鳩みたいなものですね。」という返事が返ってきました。

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Nara, Giappone 2/4/2009

 確かに6年前に夫と奈良を訪ねたときの写真を見ても、最初はわたしも夫も、うれしそうに鹿せんべいをやっているのですが、

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指まで食べられるんじゃないかしらというくらい鹿に迫られてびっくりしたり、

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味をしめた鹿さんが、いつまでもどこまでもずっとついて来るので、動物にはとりわけ優しい夫さえ、あきれてしまったりするくらいでした。

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 奈良に鹿がたくさんいるのも、人を見れば寄ってくるもの、何となく当然のことのように思っていたのですが、

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 生徒さんの何気ない言葉に、実はそれが特異なことだということに思い至りました。

 異文化の接触は、こんなふうにわたしにとっての当たり前が、他の文化の人にとってはちっとも当たり前ではないこと、そうしてまた、その逆が真であることがあり得るので、興味深いです。

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In Italia i cervi scappano quando vedono gli esseri umani,
ma in Giappone a Nara i cerbiatti si avvicinano agli uomini molto volentieri,

perché per i cerbiatti di Nara l'uomo non è un cacciatore, portatore della morte,
ma chi porta loro da mangiare.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2015-05-13 22:54 | Giappone