イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

まるごとA1日本語形容詞

 先週、『まるごと 日本のことばと文化 入門A1』のりかい・かつどうの2冊を終えて、今週から、『初級1 A2』に入りました。これまで使ってきた日本語の教科書では、これから形容詞の学習を始めるという段になって、初めて形容詞が本格的に登場するのですが、『まるごと 入門 A1』では、早い段階から形容詞が小出しにしばしば顔を出していました。ただそのために、実際に「さあ形容詞をしっかり勉強しよう」という課に入ったときに、ではどれが新出、どれが既出の形容詞かが分かりにくい上、学ぶべき形容詞の全体像がつかみにくいという問題があります。というのは、インターネット上の『まるごと』のサイトでは、教科書で出てきた語彙の一覧表を見たり、各課で出てきた語彙を希望の品詞だけ選んで表にしたりすることができるものの、本そのものには、教科書に出てくる語彙をまとめた索引や一覧のようなものが、まったく存在しないからです。

 先週末の授業で、生徒さんが、形容詞の語彙を覚えられず、活用も複雑だと大変そうだったので、せめては、学んだ形容詞を一覧して見られるように、復習できるようにしようと、金曜から月曜にかけて、『まるごと 入門A1』のりかい・かつどうに登場する形容詞をすべて一覧にして、五十音順に並べたこんな表を作ってみました。

まるごとA1日本語形容詞_f0234936_5181352.jpg

 月曜の朝の授業中に、生徒さんが意味を思い出すのに苦労した形容詞や、思い出せなかった形容詞、間違った形容詞については、生徒さん自身も今後覚えようと努力するでしょうし、わたしもできるだけ、会話演習や練習問題の中に取り入れていくつもりでいます。

 こうして一覧にしてみると、他の教科書では見かけなかったり、入門期に学ぶべき語彙だろうかと疑問があったりする言葉が、はっきりと分かります。

 わたしが作った表だけ載せても芸がないので、せめてイタリア語で意味を書くか、あるいはわたし自身の勉強のために、フランス語やスペイン語で意味を書いたらいいのではありますが、今夜はまだ明日の授業の準備が残っていますので、とりあえずこの表だけ載せておきます。

********************************************************************************************************************************
Ecco la tabella degli aggettivi che compaiono nei manuali di giapponese, "Marugoto A1".

Nel fine settimana ho fatto questa tabella per il nostro allievo, ma poi volendo potrei usarla anche per studiare il francese e lo spagnolo. Purtroppo, in questi giorni non trovo il tempo per studiare il francese, ma forse se io mi sforzassi di imparare gli aggettivi francesi utilizzando questa tabella, potrei incoraggiare di più il nostro allievo ad imparare gli aggettivi giapponesi... Ma ora sto creando una nuova tabella; la tabella dei verbi giapponesi...
********************************************************************************************************************************

関連記事 / Link agli articoli correlati
- 『まるごと入門A1』考1 / Nuovo manuale di Giapponese, “Marugoto” 1 – i suoi Pregi
- 『まるごと入門A1』考2 / Nuovo manuale di Giapponese, “Marugoto” 2 – i suoi Problemi

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 記事がいいなと思ったら、ランキング応援のクリックをいただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

Commented by クロちゃん at 2015-05-20 06:39 x
なおこさん、おはようございます。♪
こうして並べてみると、最後に「い」がつくものが多いですね。
この一覧のアイデアいいです。(^^)/
Commented by milletti_naoko at 2015-05-20 07:13
クロちゃん、こんばんは。日本の国語の授業では、形容詞、形容動詞と教えるものを、外国語としての日本語の授業では、形容詞をイ形容詞、形容動詞をナ形容詞と教えるんですよ。形容詞の終止形は「い」で終わるのですが、過去形や否定形は「むずかしかったです」、「むずかしくなかったです」と互いに似ていたり、カ行が多かったりして、そんなことも形容詞の難しさをより大きいものにしているようです。ちなみにペルシア語で「ヤギをつかまえる」という表現と、「むずかしい」という日本語の響きがよく似ているとペルシア語の先生に聞いて、「確かにヤギを捕まえるのは難しそうですね。」と、顔を見合わせて笑ったりもしました。
Commented at 2015-05-20 16:35
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by milletti_naoko at 2015-05-21 00:22
鍵コメントの方へ

どういたしまして。暮らしていると当たり前だったり、だれかから聞いて知っていたりすることでも、来たばかりのときは知らなかったり、あまり当たり前のことのようでだれも教えてくれる人がいないことというのがありますよね。何だかひとごとのように思えなくてつい長々と書いてしまったのですが、お役に立てたようでうれしいです。こちらこそ、ごていねいにありがとうございます。
Commented by mitsugu-ts at 2015-05-21 00:59
こんにちは!この教科書「まるごと」、なおこさんのブログを通して知り、興味を持っています。いつもながら、とても有益な観察をありがとうございます!

「だいじょうぶ」や「まあまあ」はAggetivo in -naと言ってしまって良いのか、という疑問を持ちました。あと、「まずい」は「おいしい」の反意語として載せたかったのかもしれませんが、実際の場面で使うと強烈ですよね・・・。笑。

レポートの続き、楽しみにしています!
Commented by Masami at 2015-05-21 05:42 x
なおこさん、こんばんは♪

日本人であれば当たり前のように日々使っている形容詞でも
日本語を学ぶ外国人にとっては理解が難しいものも沢山あるのでしょうね!
形容詞の中にイ形容詞、ナ形容詞があるとは知りませんでしたが、見てみると確かに形容詞は大きく2つに分けることができるのですね。勉強になりました^^
Commented by milletti_naoko at 2015-05-22 01:36
みつぐさん、『まるごと』は難点も多いけれど、他の教科書にはない画期的ないい点も多くて、学習者の学習の目的や日本語を使用するであろう環境、学習習慣などに応じて、副教材ないしは主教材として使って、教員の方が文法などを説明したり、あるいはもう1冊文法などもイタリア語で説明する本を教科書として採用したりするのがいいのではないかと、今日も、この教科書をいっしょに選んで採用した同僚の先生と話したところです。

わたしも「まずい」を早期に教えて、もし生徒さんが実地に使ってしまったらどうしようと思いますし、「大丈夫」や「まあまあ」については同意見です。何より気になるのが、「日本人じゃないです/きれいじゃないです/うれしくないです」というふうに、口語で使う場によっては問題が生じうる否定形だけを教え、他の例やニュアンスの違いの説明がいっさいないことです。お役に立てたようでうれしいです。コメントをありがとうございます♪
Commented by milletti_naoko at 2015-05-22 01:39
まさみさん、こんにちは♪ わたしたちにとってはあたりまえの表現や言葉、文法のしくみが、外国の方にとってはひどく難しいことがあって、教えながら、わたしもいろいろと学ぶことが多いです。

ちなみに、外国語として日本語を教えるときはイ形容詞・ナ形容詞と言いますが、日本の学校で、少なくともわたしが高校で教えた頃まで採用されていた橋本文法では、それぞれを、形容詞・形容動詞としています。日本語の文法については、わたしたちも日本の学校で学んだ橋本文法以外にも、いろんな分類の仕方、とらえ方があって、大学で学んだときにとても興味深かったのを覚えています。
by milletti_naoko | 2015-05-19 22:21 | Insegnare Giapponese | Comments(8)