2015年 09月 04日
今年のオリーブと昨秋の搾油場めぐり
我が家でも、昨年は、ペルージャ郊外のうちのオリーブも、テッツィオ山の改築中の家のオリーブも、すべて蝿の害に遭い、収穫を断念しました。義父も夫も、こんな年は初めてだ、この数十年間ほかになかったと言っています。
幸い今年は、昨年打撃を受けたためか、例年より実の数が少ないものの、今のところは、オリーブの実が順調に育っています。
3年ぶりに、モンテファルコでブドウ畑の美しい紅葉が見たいというわたしに、夫が賛同してくれたのは、
実は、モンテファルコのお隣、グワルド・カッターネオ(Gualdo Cattaneo)の村で、
搾油場(frantoio)をめぐって、新オイル(olio nuovo)を味見できる村祭り、Sapere di Pane Sapore di Olioが催されていたからです。
この村祭りでは、中心街を歩いて、パン(pane)やデザートの味見をし、バスに乗って周辺地域の搾油場をめぐることができます。
着いてすぐバスに乗り、最初に訪ねたのは、搾油場、Frantoio Rinalducciです。まずは、当時のオリーブの収穫状況、具体的には、多くのオリーブ園で、蝿の被害のために、収穫量が例年の35~40パーセントであるという説明を聞き、それから、搾油の機械や手順などを教えてもらいました。
そのあと、いよいよ新オイルの味見です。オリーブオイルをたっぷりつけたブルスケッタや、ヒヨコマメ(ceci)のスープと共に、ぴりっと辛い新オイルを、おいしく味わいました。
次に訪ねた農場、Azienda Agricola Casa Roccoでは、ブルスケッタのほかにいろんなケーキも用意してくれていました。
三つ目の搾油場、Frantoio Neriでも、当時の収穫状況や、機械による作業の流れなどを説明してもらったあと、ブルスケッタを食べて、新オイルの味を見ました。皆、気に入ったオリーブオイルがあれば購入していましたし、ここでは、オイルのほか、ジャムやワインも販売していました。ウンブリアの南にあって、ローマから比較的近い地域なので、わたしたちといっしょに回った訪問客の中には、ローマから来た人が大勢いました。フォリンニョ・トレーヴィ・スポレートといった町や、この祭りが催された村、グワルド・カッターネオなどがあるウンブリアの南東地域は、オリーブオイルの名産地であるウンブリア州の中でも、特においしいオリーブオイルができることで名高いのだと、常々、義弟や友人たちから聞いています。
最後に訪ねたこちらの農場、Azienda Agraria Bacci Noemioでも、オリーブオイルについていろいろな話を聞きました。ウンブリアのオリーブオイルは、おいしい上に、イタリアの他の地域に比べて、抗酸化作用があって健康にいいポリフェノールの含有量が多いのだそうです。
ここでも、これまで同様、ワインを試飲しながら、ブルスケッタ(bruschetta)を食べて、新オイルの味を見ました。ブルスケッタは、薄く切ったパンの両面を焼き、(我が家の場合は両面にニンニクをすりつけて、塩をふりかけ、)オリーブオイルをたっぷりかけたものです。我が家ではブルスケッタを、オリーブオイルの収穫が始まり、新オイルが手に入ったときに食べて、新オイル独特の辛味があるおいしさを楽しむほか、特に冬、オリーブオイルもニンニクも大好きな夫といっしょに、夕食時に時々食べています。
搾油場めぐりのあとは、村の中心街の市場の露店を見て、パンやデザートの味見をしようと楽しみにしていたのですが、搾油場めぐり中に、バスがなかなか来なくて足止めされたこともあり、ようやく村に戻ったときには、とっぷりと日が暮れて、中心街の市場はとうにお開きになっていました。そこで、夜の村を散歩してから、ペルージャへの帰途につきました。
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Sapere di Pane Sapore di Olio a Gualdo Cattaneo 22/11/2014
Visita dei frantoi aperti & assaggi dell'olio nuovo, bruschetta ecc.
Manifestazione gustosa e interessante
la prima Foto: Ora le olive stanno crescendo a casa nostra :-)
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- オリーブ凶作2014年、猛暑と来客 (12/7/2015)
↑ オリーブ収穫の様子や新オイルで食べるブルスケッタ、新オイル祭りなどの記事へのリンクが記事末にあります。
- サグランティーノの赤深く / Foglie Rosse del Sagrantino, Montefalco (23/11/2014)
- 新オイルでブルスケッタ / Bruschetta con l’Olio Nuovo (23/11/2010)
秋のイタリアでの、いえ、ウンブリアでの楽しみがイイですね!
搾油場(frantoio)をめぐって、新オイル(olio nuovo)を味見できる村祭り、Sapere di Pane Sapore di Olioが催されているのですネ(^^♪
さすがに、まだ、日本のツアーでもそのようなツアーはまだ出てないと思います。
ワインの美味しいところ巡りはあるみたいですが・・・(笑)
私は、やはり、アルコールが弱いので、ワインよりかはこちらのオリーブ巡りの方が向いてるかも?なんて思い嬉しく今日の記事を拝見しました!
ブルスケッタは、イタリアンレストランでお馴染ですが、イタリアの本場のは、日本で食べるものより、シンプルなのかな?と今日のなおこさんの記事を見て思いました。
よりオリーブオイルの味が引き立つように・・・。
ピリッと辛い、絞りたては、さすがに味わったことはないと思います。日本でも11月に都会(東京等)のデパートへ行くと、新オリーブオイルと称して、お高いイタリアのブランドオリーブ油を売っています(笑)
その時、味見のブルスケッタを置いていたかもしれないです♫
何年か前にその時ちょうどそういうイベントに出くわしましたが随分前なので忘れてしまいました(笑)
今年のなおこさん家のオリーブ、順調のようで安心しました(^^♪
なんでも、お家で採れたものは安心安全ですし、愛着もありますね!
アリスさんがおっしゃるイタリアレストランでおなじみのお料理は、切ったトマトなどが置かれて、前菜として食べるクロスティーニ(crostini)ではないでしょうか? ブルスケッタがシンプルなのは、ほかによけいな具がない分、オリーブオイルそのものの味をしっかり楽しみ、味わうことができるからです。日本でもデパートでも、イタリアの新オイルが販売されることがあるんですね! 義父母によると、料理をするにはやはりしばらく時が経って、まろやかな味になったオイルの方がいいとのことですし、せっかく新オイルを買っても、しばらくすると辛味はなくなってしまうので、新オイルを買うなら、大勢で買って皆で食事で楽しんで、1、2回で使い切るくらいの気持ちでいるのがいいような気がします。日本へ輸入するとなると、費用がどうしても加算されて高くなるのでしょうが、ウンブリアは、食もおいしいのに、物価が安いため、トスカーナに比べると、同等においしいものがかなり安く買えて、お得でもあります。
ありがとうございます。今のところはオリーブが元気で、安心しています。