イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

チョコレート祭り ペルージャ2015

 日本ではよく見かけたイチゴ味のチョコレートを、どういうわけかイタリアではめったに見かけないので、わたしは、チョコレート祭りのたびに、露店の間を回っては、おいしそうなイチゴ入りのチョコレートを探しています。

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 そうです。わたしはイチゴが大好きなのです。いろいろ品定めをした挙句、こちらのトリノの店の乾燥イチゴ入りブラックチョコレートを購入しました。右手に見えるピンクのチョコレートも、イチゴ風味のホワイトチョコレートなのですが、原材料を見ると、イチゴ(fragola)と書かれておらず、aromi(aroma「香料」の複数)としか記載がないので、買いませんでした。

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Eurochocolate Perugia 2015      22/10/2015

 今日の夕方、夫と二人で中心街のチョコレート祭りを訪ねました。町の中心広場、大噴水(Fontana Maggiore)の脇に建てられたテントの中に、大きな茶色い口ひげが描かれているのですが、今年のチョコレート祭りのシンボルがこの口ひげで、パンフレットの表紙には、この口ひげの下に、こんなスローガンが書かれています。DA LECCARSI I BAFFI。baffiは「口ひげ」を表すbaffoの複数形で、(da) leccarsi i baffiは、「とてもおいしい(とみなす)、舌づつみを打つ」という意味の慣用句です。直訳は、「自らの口ひげをなめる」という意味で、「あまりにもおいしいので、口ひげについたその部分までなめてしまうほどだ」というところから、前述の意味で使われることになったのでしょう。

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 こちらの店でも、この砂糖漬けのオレンジをチョコレートで包んだお菓子などを買いました。イタリアの量り売りで、よく使われる単位は、100gに相当するettoです。店にもよりますが、今日見かけた表示で多かったのは、1 ettoあたり、つまり100gあたり4.5~5ユーロというものです。値段が高いので、どのチョコレートがいくつほしいかをはっきり言わないと、料金を聞いてびっくりすることになります。この店でも、わずかな量を頼んだつもりだったのに、軽そうに見えても200gを超えてしまっていて、10ユーロ払うことになりました。ちなみに冒頭のイチゴのチョコレートも4ユーロしました。

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 チョコレート十戒を箱に記した商品も、昨年同様に売られています。

  NON DESIDERARE LA CIOCCOLATA D’ALTRI.
  「他人のチョコレートをほしがってはならない。」 (「 」内は石井訳。以下同様。)
  NON DESIDERARE LA TAVOLETTA D’ALTRI.
  「他人の板チョコをほしがってはならない。」
  NON DIRE CHE NON TI PIACE IL CIOCCOLATO.
  「チョコレートは好きじゃないと言ってはいけない。」
  NON FARTI PRENDERE DAL RIMORSO.
  「後ろめたいと感じてはいけない。」

 いったいだれが考えたのでしょう。「人のチョコレートをほしがらず、好きじゃないなどと言わずに、チョコレートを買いなさい。良心の呵責など感じず、思いのままに買って食べなさい。」という心でしょうか。

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 ちょうど栗(castagna)の季節なので、こんなふうに焼き栗を売る店も、町のあちこちで見かけました。

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 ペルジーナのバーチチョコレートの露店もあれば、

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年中営業しているペルジーナのチョコレート専門店もあります。この店には、ペルジーナ自体が製造・販売しているバーチや箱入り商品のほかに、店が、ペルジーナのチョコレートを、美しい陶器やかわいらしいぬいぐるみなどと組み合わせて、独自に販売している商品も多いと、ペルジーナのチョコレート工場で働く義弟から聞いています。

 わたしも、ペルージャを観光で訪れたお客さんの買い物に、通訳として同行して、この店に入ることがあります。キーホルダーやティーカップ、美しい箱など、もらった人が思わず笑顔になりそうなものとチョコレートがいっしょに売られていて、真夏でなければ、いいおみやげ候補の一つだと思います。

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 花や蝶に飾られた、こんなかわいらしいチョコレートもありました。

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 パオリーナ城塞(Rocca Paolina)では、カステッルッチョのレンズ豆(lenticchie)やノルチャのサラミ類など、ウンブリア各地の名産物も展示・販売されています。

 ほかにも、中心街には特に小さい子供向けのお楽しみ行事が多く、男性向けにはひげそりやその無料教室があり、女性に限らず、美容センターでチョコレートエストを体験できる上、ペルージャ郊外のペルジーナのチョコレート工場でも、歴史博物館や工場を訪ねたり、チョコレートを味見したりできるようです。

 ペルジーナの上記の専門店や工場は、チョコレート祭りのときに限らず、年中訪問することができますし、ペルージャにはほかにも、外国人大学の近くに、職人さんが作る、それはおいしく美しいチョコレートを売る店もあります。ペルージャには、エトルリア時代の遺跡から中世の教会・建築物、国立美術館・考古学博物館など、見るべきものが多いのですが、チョコレートがお好きという方は、祭りでなくてもペルージャでチョコレートを楽しめる場所がいくつかあることを、覚えておいてください。

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Eurochocolate Perugia 2015 23/10/2015

- Amo il cioccolato, amo le fragole, diversamente dal Giappone in Italia è difficile trovare il cioccolato alla fragola. Oggi ne ho comprato uno in uno stand torinese :-)
- E' animato il Centro di Perugia; si vendono anche le castagne arrostite. Diversi prodotti tipici umbri nella Rocca Paolina: lenticchie di Castelluccio, salami di Norcia e non solo...
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- チョコレート祭り、ペルージャ2014 / Eurochocolate Perugia 2014
- ルイーザ・スパニョーリとバーチ、アンゴラ / Luisa Spagnoli, Baci & Angora
- 第1回 ペルージャとっておき散歩コース / 1. Bella Perugia
- 連載魅力のウンブリア / Fascino di Perugia & Umbria
↑ 記事末にペルージャ観光情報を書いたブログ記事一覧へのリンクあり(ミニメトロ利用法、ローマ・ペルージャ間高速バスの時刻表・料金など)


Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2015-10-23 07:53
おはようございます^^
いよいよチョコレート祭りが始まりましたね(*^^)v
毎年、テ―マがあるっておもしろいですね!日本語では「ほっぺたが落ちる」という表現をヒゲに例えるのは国民性の違いかな(・・?どちらにしても、それくらい美味しいという表現はイイですね(*^_^*)
なおこさんの好みはチョコレートでもイチゴなんですね♪
やはりイチゴは、どんなものにも合うし、色も綺麗ですし、果物の女王様的な感じはありますものね☆
そして、それがトリノのものというのにも納得できます!
北イタリアを旅行した時、トリノはチョコレートの有名地でチョコレート店がひしめいてたのを思い出します。ペルージャのチョコも有名というのはなおこさんのブログで知ったのですが。地元のものは、いつでも手に入るから他所のをというのはこういう機会ですネ(^_-)-☆
栗のシーズン、焼き栗の屋台もいいですね☆
いつか、このシーズンのイタリアを訪ねたいという野望がメキメキと湧いてきました(笑)
Commented by milletti_naoko at 2015-10-23 20:05
アリスさん、ひげはだれにでもあるわけではないのですが、おいしくてついひげをなめてしまう、そういうことがあったのでしょうね。ほっぺた、舌づつみに対して口ひげ、慣用表現にも文化や国民性が表れているようで、興味深いです。

オレンジ入りのブラックチョコレートもとてもおいしいので、時々食べるのですが、チョコレート祭りのときは、びっくりするくらい多種多様なチョコレートが店先に並ぶので、これを機会にとばかりイチゴチョコ探しを始めます。アリスさんはトリノでもチョコレート店がひしめく(!!)ところを訪ねられたんですね。昨日も、トリノの店がたくさんありました。

この季節のイタリアは、ワインにトリュフ、サフランにオリーブオイルと、収穫、そしてそうして得られた品を味わったり購入したりできる村祭りがたくさんあって、天候と気温は不安定で当たりはずれの可能性がありますが、「おいしい」んですよ。機会があれば、ぜひ!
by milletti_naoko | 2015-10-22 23:51 | Umbria | Comments(2)