イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

イタリア留学フェア2015@東京、イタリア文化会館、11月6日・7日

 旅行情報サイトの利用者の評価を参考にして、とっておきの宿やレストランを選んだつもりだったのに、実際に行ってみると、とんでもない宿・店で、せっかくの旅行がだいなしになった。報酬を支払い、自店に有利な虚偽の評価をインターネット上に書かせて、旅行者を欺く犯罪とその被害者がイタリアでも年々増加しています。

 イタリア留学で学校や町を選ぶ際も、現在は情報があふれすぎていて、自分にとって必要な情報や、正確なあてにできる情報を精選することが難しくなってきているのではないかと思います。わたしがイタリアでの留学を決心して情報収集を始めた2001年に比べて、現在では、イタリアでの日々の暮らしや留学生活、学校の様子などを、過去の経験として、あるいは現在進行形のできごととして発信する人が大勢います。

 ただ、町の治安や学校のよしあしは、年によって変化がある上、書く人の主観が入るため、だれか一人の言うことをそのままうのみにできない部分もあります。映画でさえ、仲のいい友人がとてもよかったと言うので見に行ったら、ちっともおもしろくなかったという経験をお持ちの方がいることと思います。町や学校も、同じ場所であっても、それぞれの人のそれまでの人生経験や、暮らす町、学ぶ学校に期待するものによって、評価が分かれてきます。

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IIC Tokyo2014©

 個人がそれぞれ書いている留学経験は、もちろん大いに参考になるのですが、そういう意味で、すでに留学についてさまざまな経験を積み、情報を持つ人や団体が、多くの学校や町の中から精選して、紹介する留学フェアや留学説明会は、いずれはイタリアに留学をと考える人にとって、かけがえのない機会だと思います。わたし自身も、留学する前の年には、すでにインターネット上の情報や本を通じて学校に目星をつけていたものの、県立高校教員という安定した職業を投げ打って、将来を賭した留学であったため、実際に体験した人や学校の関係者の話を直接聞きたいという思いがあり、愛媛県からはるばる京都まで赴いて、イタリア留学説明会に参加しました。そのときに聴いた、今は同僚となった東城先生のペルージャ外国人大学での留学体験談のおかげで、それまで漠然と思い描いていたイタリアでの留学が、確かなもの、安心できるものと感じられ、留学準備も、もっと肝が座った状態で進めることができるようになったと覚えています。

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IIC Tokyo2014©

 わたしの場合は、すでに社会人で、2週間ですが英語の短期留学の経験がありました。イタリア語は通信講座の上級を修了し、イタリア語を聞き取って話すのにはまだ慣れていなかったものの、かつて英語を真剣に勉強して、実用英検1級に合格していたこともあり、言葉で生活に困ることはなかろうという自信がありました。と言うよりは、親に反対されても退職をし、単身でイタリアに乗り込んで、一から新しい人生に踏み出すのだから、イタリア語で困ることがないように、日本にいる間にできるだけの勉強をして力をつけようと励みました。日本では高校で国語を教えていたこともあり、言葉は自分の人格や知性を表すものでもあるので、きちんとしたイタリア語が話せるようになりたいと考えて、勉強していました。ですから、町も学校も宿泊先も、日本からの出発前に、自分でインターネットで情報を集め、学校や外国人大学、宿泊施設の斡旋業者などとメールや手紙を交わして、ここというところを決めて、申し込み、支払いを済ませました。

 けれども留学の動機や在り方はさまざまで、わたしのように将来を賭すという大げさなものではなく、就職する前に、あるいは、人生経験として、イタリアで留学をしてみたい、イタリアで料理や音楽、美術を学んでみたい方もいるでしょうし、それぞれのイタリア語の力や留学動機に応じた学校があり、日本人スタッフがいて留学を手助けしてくれる学校もあれば、留学を支援してくれる業者に頼むという手もあるでしょう。

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IIC Tokyo2014©

 前書きが長くなりました。今回は、東京のイタリア文化会館から、11月6日・7日に行われるイタリア留学フェア2015を、イタリア語やイタリア留学に興味のある人に伝えてほしいという依頼を受けて、記事を書いています。「いつかイタリア留学を」と漠然と思い描いている人にも、すでに心に決めて学校を絞り始めている人にとっても、情報収集のための、またとないいい機会だと思います。

 第15回世界イタリア語週間中の留学イベントとして開催されるため、ほかにもイタリア文化に関するさまざまな催しや展示があり、イベントへの参加は無料で、通訳や日本人スタッフがいるので、日本語でも留学相談が可能とのことです。詳しくは、以下のイタリア文化会館の案内をお読みください。今回の記事の写真はすべて、紹介に使ってほしいと、文化会館から送付されたものです。

<第9回イタリア留学フェア2015開催のお知らせ>
11月6日(金)と7日(土)、イタリア文化会館(東京都千代田区)にて「第9回イタリア留学フェア2015」が開催されます。大学・語学学校・専門学校・高校留学や留学手配の関係者からイタリア留学の最新情報が入手できます。この他にもイタリア映画の上映会、イタリア人大学生との交流会など、様々なイベントを通して、気軽にイタリアを楽しんでいただけます。皆様のご来場をお待ちしています。

■イタリア漬けになる一日

イベントへの参加は無料。各ブースには日本人スタッフや通訳もいるので、日本語でのやりとりが可能。最新の留学情報が得られ、留学相談もできます。ゼロからわかるイタリア留学コーナーやイタリア留学体験談コーナーなど内容も充実。

当日会場内でのプログラムにご参加いただいた方には、アリタリア-イタリア航空の航空券などのプレゼント抽選会も予定しています。他にも、音楽留学トークイベント、旅行セミナー、映画上映会、展示、食材やCD&DVDの販売もあり、多彩なイタリアの魅力を体感できるイベントです。

■大学、語学学校、専門学校など多彩な参加校

「イタリア留学フェア2015」には、国際的な大学として定評のある「ボッコーニ大学」「ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学」が参加。両校は、英語での学位取得コースも充実しているため世界中から留学生が多数集まっています。また、外国人へのイタリア語の専門教育を行う国立教育機関の「シエナ外国人大学」をはじめ、全国各地から語学学校20校と専門学校、高校生留学や留学手配関連団体がブースを設置しています。

この2日間に開催される「イタリア留学フェア2015」のほかにも、「第15回世界イタリア語週間」のイベントとして、イタリア映画の上映会、 オペラで見るイタリア語の展示、イタリア語学習者の交流会、音楽留学トークイベントなどが予定されています。世界遺産の登録数が最も多く、文化芸術の面でも歴史あるイタリアをさまざまな角度から体験することができる貴重な機会です。

【第9回イタリア留学フェア2015】
会期:11月6日(金)10:30-19:00、7日(土)10:30-19:00
場所:イタリア文化会館1階エキジビションホール(東京・九段下)*入場無料
問合わせ:03-3262-4500(イタリア文化会館 語学コース受付)
URL:https://www.iictokyo.com/ryugaku/fair/

【第15回世界イタリア語週間】
会期:11月1日(日)~18日(水)
場所:イタリア文化会館
URL: http://www.iictokyo.com/ryugaku/fair/events.html
Tel:03-3262-4500  Fax:03-3262-4510 e-mail: corsi.iictokyo@esteri.it」

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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by mitsugu-ts at 2015-11-02 19:46
こんにちは!本当に、今はネットで色んな方が色々な事を言っていて、逆に決め手に欠ける気がしますね。僕は心に決めた先生と音楽を勉強したいがために企業を退職してしまったんですが、いま考えてみるとまったく向こう見ず、準備不足でした。さらに当時は音楽院が大学システムに組み込まれつつあった最中で、大使館の日本人の方もイタリアから助けてくれたイタリア人も、みんなが戸惑っていたように思います。このようなフェアで最新の「正式な」情報に触れられるのは素晴らしいですね。ご盛会お祈りします!
Commented by milletti_naoko at 2015-11-04 03:08
みつぐさん、こんばんは。情報は多いとありがたいけれど、偽の情報や誇大広告もある上に、学校や先生は、個人的に好き嫌いや合う・合わないが分かれる上、たまたまそのときのクラス仲間がどうだったかなどの条件によって評価が分かれてくるため、インターネットの個人的情報は参考にはなるけれども、うのみにはできず、難しいところですよね。わたしはペルージャ外国人大学の語学講座やペルージャ市内の私立学校の教育実習・授業参観をかなりの時間させてもらったのですが、同じ大学・学校でも、先生によって教授法や授業の際の生徒の様子をどれだけつかみ対応できるかが、かなり違うという印象を受けました。

みつぐさんはそういう移行期の難しい時期に留学をされたんですね。情報が少なかったとは言え、関係者の方がいろいろと助けてくれたようで、本当によかったですね。わたしも、せっかくの機会なので、多くの方がイタリア文化のさまざまな側面に接することができ、留学を希望する方は、留学について必要な情報を得られたらいいなと願っています。
by milletti_naoko | 2015-10-28 19:26 | Lingua Italiana | Comments(2)