イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

災いに潜む幸せの兆し1、留学生活と共同アパート

 2002年9月末に、ペルージャで留学生として暮らし始めたとき、最初の半年はホームステイをしたのですが、その後は、外国人大学の語学講座の友人たちに紹介してもらって宿を決め、男女混合の共同アパートに住むことになりました。今当時の手帳を見ると、2003年12月20日に、日本に一時帰国するまでの約9か月間、そのアパートで過ごしたようです。
 
 最初のホームステイ先は、日本を出発する前に、ペルージャ外国人大学が当時紹介し、勧めていたアテナ・サービスという宿泊斡旋業者を通じて決めました。留学生との交流を好んだり心がけたりする家庭ではなく、高齢者が生活資金の足しとして下宿人を取るという感じだったのですが、すでにウルバニアでそういうステイ先に慣れていた上、外国人大学の授業やその予習・復習に忙しく、勉強や友人とのつき合いに専念できたので、特に問題に感じませんでした。

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Arco Etrusco & Palazzo Gallenga dell’Università per Stranieri di Perugia
Perugia 22/4/2015

 先の共同アパートを決める前に、「アテナ・サービスを通じて宿を決めると、毎月手数料を取られるから、掲示板や友人・知人の紹介で、次の宿を決めた方がいい」と、ペルージャに長く住むクラスの友人たちが助言をくれ、また、自分たちが住む共同アパートなどを紹介してくれました。そうして選んだアパートは、外国人大学のガッレンガ校舎と同じ広場に面していて、当時通っていたイタリア語・イタリア文化講座、V Gradoの同級生であった日本人女性の友人が、すでに長く暮らしているところでした。同胞の同じクラスの友人と暮らせる上、通学にも便利なので、他の3人がアラブ人男性だということも、あまり気にしませんでした。すでにいっしょに住んでいた友人が、多少癖はあっても、同居に問題のないいい人たちであると、宿を決める前に言ってくれたからでもあります。

 ところが、その秋か冬になって、困った学生が同じアパートに暮らし始めました。わたしは秋に、ペルージャ外国人大学の学位取得課程に入学をし、2年生に編入できるかどうかが最初は分からなかったため、その審査が終わるまではと、1年生と2年生の科目を、できる範囲ですべて受講し、授業に予習・復習と、慌ただしい毎日を送っていました。それまでにも、日本の友人やアラブ人学生が、同性・異性の少数の友人を招待して、同じ宿で食事をしたり、宿泊をしたりということも、時々ありました。けれども、よくアメリカのテレビドラマやイタリアの映画で見るような、家に入りきらないほどの友人を呼んで、家中に大音響でにぎやかな音楽を流し、深夜まで騒ぐパーティーはいっさいありませんでした。それが、この男子学生は、暮らし始めてすぐに、何度かそういうパーティを、わたしたちにいっさい連絡もせずに開いたので、うちでの生活は制限されるし、勉強の邪魔にはなるしで、とても困りました。それだけなら、たまのことならと水に流せたかもしれないのですが、その上、共同の生活空間であり、窓もない屋内の廊下でタバコを吹かし、注意をすると、かえって激昂するありさまです。(つづく)

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Arco Etrusco, Palazzo Gallenga dell'Università per Stranieri di Perugia & Piazza Forte braccio

Fino al dicembre 2003 ho abitato in un appartamento che si affacciava su questa piazza. Con l'arrivo di un nuovo coinquilino, sono stata costretta a trasferirmi in un altro appartamento, ma pensandoci ora forse è proprio questo trasloco che mi ha aiutato a conoscere meglio mio marito, collega di un'inquilina del nuovo alloggio.
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2015-11-04 08:42
おはようございます^^
留学生時代のアパートのお話は大変興味深いです☆
最初は、ホームスティというのは大抵皆さんが選択する方法でまあ無難に半年は過ごせたわけですね!
アパートというのは楽しそうですが、そんな困った人がやってきたというのは困りましたね(>_<)
ほんと、アメリカ映画で大勢でドンチャン騒ぎをするシーンはよく出てきますよね!あれは誇張かと思ってましたが実際にあるんですね(笑)
しかもそれだけならまだしも、そういうことがあって、開き直るなんて女性からしたら怖い人という感じもします^^;
続き楽しみなんて表現したらいけないけど、興味深々、お待ちしています。
Commented by suzu-clair at 2015-11-04 21:40
なおこさんのように、
それまでにさまざまな形で共同生活をご経験され、
少々のことは神経質にならずに受け入れられるような方でも、
そうしたちょっと困った方との出会いもおありだったのですね。
私も海外生活経験者の友人などから、
これまで何度か、
共同生活でのいろいろな話を聞いてきましたが、
いろんな人、いろんな考え方があるんだな~と思ったりしました。

タイトルからは、
なにかを乗り越えた先に得られたものがおありだったような
素敵なご経験談が聞けそうで、
続きが楽しみです。
Commented by milletti_naoko at 2015-11-05 07:38
アリスさん、こんばんは。最初はやはり、いざというときに頼れる人がいた方が心強いですよね。世界にはいろんな人がいるもので、相性もあるし、慣習の違いもあって、なかなか難しいです。どんちゃん騒ぎ、まさか身近に起こるとは…びっくりしました!!
Commented by milletti_naoko at 2015-11-05 07:39
すずさん、文化や育った環境、世代によって、生活の仕方や共同生活のルールがいろいろ違ってくるので、難しいときもあります。世の中はいろんな見方、生き方があるからおもしろいとは言え、こちらへの配慮がないのには困り果てました。

続きは今しばらくお待ちくださいませ。
by milletti_naoko | 2015-11-03 23:40 | Ricordi | Comments(4)