2015年 11月 17日
-iteはいてえよイタリア語
(例)
polmone m. 肺 → polmonite f. 肺炎
bronco m. (pl. bronchi) 気管支 → bronchite f. 気管支炎
meninge f. 髄膜 → meningite f. 髄膜炎
appendice f. 虫垂 → appendicite f. 虫垂炎
tendine m. 腱 → tendinite f. 腱炎
congiuntiva f. 結膜 → congiuntivite f. 結膜炎
以上、日常生活で時々耳にする病名を挙げてみました。ペルージャでの初めてのホームステイ先から義父母の兄弟まで、高齢の方が身近にいるため、「風邪だと思っていたら、こじらせて気管支炎・肺炎になってしまった」という話を聞く機会が、これまで少なくなかったのです。髄膜炎は、数年前に若い知人が突然命を落としたときに知り、以後、テレビや新聞で報じられる、発症や感染の危険を告げるニュースに、注意を払うようになりました。義父が十人兄弟の末っ子で、親戚づきあいが多いため、虫垂炎や腱炎も、だれそれが患ってという話を聞いてきました。結膜炎とは、花粉症にかかった約20年前から、長いつきあいが続いています。
この-iteという接尾辞は、イタリアで百科事典を出版するトレッカーニ社のオンライン辞書では、次のように説明されています。
身体の器官や組織を表す名詞のあとについて、「炎症」(infiammazione)を表すというのですから、用法も意味も、ちょうど日本語の「-炎」に似ています。
日本語の「炎症」の「炎」は「ほのお」を表しますが、イタリア語で「炎症」を表すinfiammazioneという言葉も、「炎」を表すfiammaを内包します。そうして、この語からinfiammare「燃え上がらせる、炎症を起こさせる」、infiammarsi「燃え上がる、炎症を起こす」という動詞が派生し、その動詞から、先のinfiammazioneという名詞が生まれているのです。
炎のように身を焦がすようにつらく、患部が熱を持つので、こんなふうに日本でもイタリアでも、炎という言葉を使うのでしょうか。
ギリシャ語起源の、イタリア語の接尾辞、-iteを含むこうした一連の病名は、イタリア語の発音の一般原則に従って、終わりから二つ目の母音であるiの上に強勢アクセントが置かれ、そのためにiが長母音となるため、「-イイテ」と発音します。
先日の超音波検査で、肩の周辺に腱炎(tendinite)を患う腱(tendine)が二つあることが分かり、その後の専門医の診療で、それまで見たことも聞いたこともなかった-iteがつく病気を肩が抱えていることが分かりました。母音の長さは長短が逆転しますが、-iteのつく病は本当に「いてえ」ものです。話すと長くなりますので、続きはまた次の機会に。
polmoniteの発音は、ラルース伊英辞典のpolmoniteの項(リンクはこちら)で聞くことができます。上のRechercherと書かれた欄に、イタリア語の単語を入れて、右手の検索ボタンを押せば、その他の後の発音も聞けますので、イタリア語学習中の方は、参考にしてください。今回紹介した言葉の大半が、できれば縁のない方が幸せな単語ではあるのですが。
*追記(11月20日)
わたしの肩の、日本語およびイタリア語の病名を、昨晩の記事に書きました。リンクはこちらです。
- 歯医者より痛いイタリア肩療治 (19/11/2015)
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INFIAMMAZIONE italiano vs. giapponese
In italiano -ite è un suffisso che indica 'infiammazione' e nel dialetto di Tokyo 'ITEE' significa 'Mi fa male/ Mi duole".
L'infiammazione si scrive 炎症(enshoo) in giapponese: sia la parola INFIAMMAZIONE che 炎症 contengono un componente che indica FIAMMA. Il carattere cinese, 炎 indica 'fiamma' e ha due fuochi (火) in sé.
E' interessante vedere che in entrambe le lingue l'infiammazione sia considerata come qualcosa che brucia e che casualmente i suoni, 'ITE' siano associate al male, al dolore in tutte e due le lingue.
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参照リンク
- Treccani.it – Vocabolario on line - -ite
関連記事へのリンク
- イタリアで痛みをこらえちゃいけません
- パエリアで迎春2014
日本語の炎は、確か炎症の炎ですね!(^^)!
今まであまり気にも留めなかったのですが、イタリア語でも同じように重い病気には炎と同じ意味の単語が使われるとは興味深いです!
病気になったらイテエ!というのは全世界共通は共通ですものね!
それにしても、肩に2つもの炎症があったとは、それは痛いはずで、よく我慢されましたね!
これからは、寒い時期、よけいに痛みが出やすい時期だから、くれぐれも無理されませんようにお願いします♪
炎症は炎のイメージという点が共通しているのですね。
他の国の言語はどうなんだろう?と知りたくなりました。
色彩心理でも、
炎症のある部分は、人は赤色のイメージをもつ、と言われています。
国境を越えた共通認識が、こうした言語の中にも表されているのを感じて、興味深いです。
なおこさんの肩、
腱炎をもっていたのですね。
それでかなりおつらかったのでしょう・・・
原因がわかったら、対処法も見つかったでしょうか。
よくなりますことを願っています。
どうぞお大事に。
一日も早く、痛みがとれますように、遠く~ですがお祈りいたします。
国はちがえど、言葉に同じイメージを持つとは面白いと思い、また当然の事のようにも感じます。
言葉っておもしろいですよね。世界中のさまざまな異なる文化や国の見方・とらえ方を反映していて、なのに時に同じだったり、まったく異なったりするところが興味深いです。