イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

映画、『神は存在し、ブリュッセルに住んでいる』もとい『新・新約聖書』

 冒頭から最後まで、笑ったり、意表をつかれて驚いたり、息もつかせぬ展開で、とてもおもしろかったです。わたしたちが月曜に見たイタリア語版の題名は、『Dio Esiste e vive a Bruxelles』ですから、そのまま日本語に訳すと、「神は存在し、ブリュッセルに住んでいる」となります。実際、物語はそのブリュッセルに暮らす神の、時に陰湿、時に愉快、時に残忍な人間世界のプログラム作りの場面から始まります。

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Dalla Foto di I Wonder Pictures in Foto del diario su Facebook

 愉快なのは、入浴やスーパーでの買い物に関して、神が定めつつ書いている法則(legge)です。どちらの法則も、次の予告編の冒頭20秒間に、映像つきで語られています。


 予告編を見たときには、コメディとは言え、設定が奇抜で、物語の展開もぶっ飛んでいすぎではと感じたように覚えているのですが、友人からおもしろかったと聞いて、見に行きました。冒頭の写真の左上に書いてあるように、言葉では言い表せず、見て初めて分かるおもしろさ、魅力が、この映画にはあります。

 映画の原題は、フランス語で、『Le Tout Nouveau Testament』です。日本ではまだ公開されていないようですが、オンラインメディアでは、『新・新約聖書』という邦題をいくつか見かけました。こちらは、原語であるフランス語版の予告編です。


 イタリア語版と重なる部分が多い上、イタリア語音声に吹き替えた映画をすでに見たというのに、聴き取れない箇所がところどころにあります。最近はすっかりフランス語の勉強をさぼってしまい、読書どころか音声のながら聞きさえしていないので、勉強を再開しなければと、つくづく感じました。

 予告編の英語版では、フランス語音声に英語字幕がついていて、字幕がフランス語の聴き取りを助けてくれます。(2018年追記: リンクは、無効となっているため削除しました。)

 カトリック教徒である夫も友人も、とやかく考えずに楽しんだようですし、もともとこちらの人やメディアは、風刺やパロディに寛容な気がします。映画の楽しみが半減するので詳しいことは控えますが、人生や生き方について、深く考えさせてくれる、そういう教えや感動もあります。

 日本で公開されるのは、いつのことでしょう。世界の各地にお住まいの、あるいはお出かけ予定のある皆さん、興味があれば、ぜひご覧ください。特に信仰心の篤いキリスト教徒の方は、クリスマス前に見て、衝撃を受けてはいけないので、見るのを控えた方がよろしいかと思います。

 こちらの映像では、ボローニャの映画館から出てきた観客が、インタビューに答えて、映画の感想などを語っていますので、参考にしてください。最初に数秒、業者が挿入した広告があります。


LINK
- amazon.it - Film DVD, "Dio esiste e vive a Bruxelles"
- amazon.co.jp - 映画、『神様メール』 [DVD]
- amazon.fr - Film DVD "Le Tout Nouveau Testament" (FR, EN)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by London Caller at 2015-12-20 08:13 x
イタリア語がわかったら、
いろいろな映画も鑑賞できますね。^^;
フランス語は、
いやドイツ語はもっと便利だと思いますね、
ヨーロッパでは。
Commented by ayayay0003 at 2015-12-20 10:17
なおこさん、おはようございます^^
海外のコメディーは、宗教からみのものも多く、ヨーロッパの方は、そういうコメディーに関しては、日本人よりも寛容かな?と感じる映画は確かに多いですね(^^♪
なおこさんの文を読んだだけで、おもしろそうだな?と感じました(^_-)-☆
日本では、今の時期はまた特にハリウッド映画が花盛りの時期なのでこういうシックなコメディーものはなかなか上映されなくて残念です^^;
また、時期はずれなんかにひっそりやってくることもあるのでみつけたら観たいと思います(^^♪
Commented by milletti_naoko at 2015-12-20 19:26
London Callerさん、いろいろな言語が分かると、楽しみも情報源も広がっていきますよね。フランス語を学ぶためにロンリープラネットのポケット・フランス語旅行会話集を買ったら、フランス語が使用されている地域を色で塗って示した地図があったのですが、その範囲の大きさに改めて驚きました。まあ、英語もフランス語も、その使用国の多さは、かつての戦争や侵略や植民地政策を反映しているのではありますが。
Commented by milletti_naoko at 2015-12-20 19:33
アリスさん、こんにちは。性格も口も悪く、人が困るようにたくらんで喜んだり、傲慢で人に対して悪口雑言。そういう神を主人公とした映画を作る人がいて、売る人がいて、キリスト教であってもパロディーとして楽しんで見る観客がいる。そういうびっくりするような寛容さが、今脅かされつつある表現の自由がちゃんと大らかに認められているところが、やはりヨーロッパにはあるな、と改めて思いました。

日本では、海外の映画と言っても、アメリカ映画の占める比重が大きいですよね。イタリアでは、お隣りのフランスやドイツを始め、世界中のさまざまな映画を、ペルージャのような比較的小さい町でも、映画館で楽しめるのがありがたいです。
by milletti_naoko | 2015-12-19 23:05 | Film, Libri & Musica | Comments(4)