イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

柿は食べずに愛でるもの?

 11月に入って以降、イタリアの野山をドライブすると、道すがら柿がたわわに実った木に出くわすことが多くなりました。我が家では、最後の実を木から摘んだのが11月の半ばだったでしょうか。渋柿なので、完熟して実がとろとろになり甘くなってから、ゼリーのようにスプーンですくって食べています。熟す前に鳥がつついてしまう恐れがあるからと、以前から義父母は、まだ実がかたい頃に少しずつ収穫し、リンゴの近くに置いて、早く熟すようにして、食べ終わる前に、また別の柿を摘んでくという方法で、収穫しているようです。

 ところが最近ドライブ中に、いい色をした柿の実がいっぱいになっているのに、一つも実を収穫した気配のない柿の木に出会うことが、よくあるのです。この秋は、柿がいかに健康にいいかを、イタリアのテレビでもさかんに訴えていたので、夫はこういう木を見かけるたびに、「ああ、もったいないね。実の色を楽しむために、観賞用に植えたのかなあ。」と言い、わたしも、おいしそうなのにと思いながら、柿の木を見やります。

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Gubbio 26/11/2015

 土曜日にグッビオを歩いたときにも、もう食べ頃の時期はとうに過ぎたであろうに、まだ実がたくさん残った柿の実を見かけたので、撮影しました。中世に築かれた町らしく、塀も壁も家も、皆付近で採掘されたであろう同じ色調の石を用いているので、柿の実のオレンジが、いい彩りを添えていてきれいです。食べたらどんなにおいしかろうと思いつつも。

 日本では花を愛でるために、サクランボの実がならない桜の木を好んで植えるのだと言うと、「実のならない桜なんて」と驚くイタリアの人、庭に桜の木を植えるのは、もっぱらサクランボを食べるためというイタリアの人が、柿の木に関しては、観賞用、あるいは家や庭の装飾用に植えている場合が少なくないようで、何だか不思議です。

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Mangiare o non mangiare, questo è il problema.

In inverno quando giriamo in macchina o in piedi, incontriamo spesso gli alberi di cachi pieni di frutti maturi e pare che i proprietari non abbiano nessuna intenzione di mangiarli.
Saranno ornamentali, ma sono anche molto buoni. Peccato.
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関連記事へのリンク
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Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2015-12-30 09:02
なおこさん、おはようございます^^
柿のお話、日本でもよく見かけます。
私は、ある年輩の方から、もう歳なので、柿の木の高いところの柿は取れないと言ってるのを聞いたことがあります。
最近は、少子高齢化、親と同居する子供が少ないため、庭の柿もそのままというところが多いようです^^;
でも、鑑賞用にというお家も当然あるとは思います♪
家も、あまり高いところのは、鳥さんへのお裾わけとなっています(笑)
グッビオの柿の木、建物に映えて美しいですね☆
Commented at 2015-12-30 17:58 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Penta at 2020-12-06 22:13 x
なおこさんに、「日記に色を」の古い日記によくイイネを押してもらっているので、僕もなおこさんに倣って以前の書き込みを読ませてもらいました。(笑)

イタリアに柿の木があるんですね。
以前、Mixiと言う会員制のブログにカンツォーネのHPを開設している時、イタリア在住の日本人夫妻がおられたんですが、何かのきっかけでお知り合いになって、お互いのページに書き込みするようになりました。
そのときに、イタリアでも柿が売られているんですが、柿でも複数の時はカキと言うそうですが、単数の1個の時はカコと言うと教えてもらったことがありました。
なぜか、その女性も名前が直子さんで、Mixiではなこさんがハンドル名でした。
ひょっとしたら、なおこさんはなおこさんをご存知かも、、、?(笑)

柿の前の記事に梅干しはウィルスの病気には効かないそうですが、日本人にコロナ患者が少ないのは梅干しの効果かなと、一瞬考えました。(笑)
Commented by milletti_naoko at 2020-12-07 20:31
Pentaさん、やはりサンレモなど、イタリアについて書かれた記事が気になって、過去記事を拝見していました。

単数1個のその言い方は、伊伊辞典にはpopolareと注記があるのですが、これは文法的規範から見ると、正しい言い方ではないけれど、例えば方言などの影響や勘違いからこういう言い方をする人もいるということなんです。イタリア語では男性名詞の単数形の語尾が-oで、その複数形は語尾が-iとなる場合が多いので、まだ目新しい名前になじんでいないために、cachiもbarやfilmなど、他の外国語から来た名詞と同様で不変化なのですが、うっかりイタリア語の文法を応用して、そういう単数形にしてしまう人がいるのです。ご存じのなおこさんも、きっとイタリア人がそう言うのを身近で聞かれたのでしょうね。

詳しくはこちらの記事に:https://cuoreverde.exblog.jp/27169087/

残念ながら、わたしはMixiは使っておらず、そのなおこさんは存じ上げないのですけれども。

梅干し! なるほど、検査数が少なく、国民の自制に任せている割には確かに感染が少ない理由は、わたしも気になっています。
by milletti_naoko | 2015-12-29 23:14 | Fiori Piante Animali | Comments(4)