2016年 01月 27日
映画、『La Corrispondenza』


ペルージャ隣町、コルチャーノにあるシネマコンプレックスで、上映室がたくさんあるため、左端に上映室(sala)の番号、10が大きく書かれ、続いてG列(fila)で座席(posto)番号が7であることが記されています。
映画の題(titolo)は、一番上に記されています。『La Corrispondenza』は、日本でも名画として名高い『ニュー・シネマ・パラダイス』(原題は、『Nuovo Cinema Paradiso』。詳しくはこちら)のジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品です。
まずは、予告編(trailer)をご覧ください。
corrispondenzaは、ここでは「文通、通信」という意味で使われています。この言葉から、わたしがすぐに思い浮かべるのは手紙のやりとりなのですが、この映画では、伝統的な手紙・小包と共に、現代らしい通信手段、スカイプによる会話やスマートフォンでのチャットもしばしば用いられています。
熟年で妻子ある教授と女学生が深い恋に落ち、直接出会えるわずかな機会とスカイプなどでの頻繁なやりとりを通じて、さらに互いへの思いを深めていきます。いつものように、長い別れのあとの再会を待ちこがれる女学生は、ある日突然、その愛しい教授が亡くなったというニュース報道に衝撃を受けます。亡くなったはずの日時以降にも、教授からの電話へのメッセージや手紙が届いていたから、なおさらのこと。報道で訃報を知ったあとも、亡くなったはずの教授からの手紙や電話へのメッセージは続きます。

そうして女学生が、死後であるにも関わらず、教授から届き続ける小包や言葉にいてもいられなくなり、謎を突き止めようとするけれども、果たして真実は……
というのが作品の内容です。友人二人のうち一人はとても感動したそうで、いい映画だと言うのですが、わたしも夫も別の友人も、この映画は道義的に、人情的にどうだろうかというわだかまりが残りました。
トルナトーレ監督作品は、『ニュー・シネマ・パラダイス』のみならず、イタリア語学習メルマガで、原作の戯曲を教材として使っている『海の上のピアニスト』もとても好きでした。(リンクはこちら)けれども、今回の映画とは別の意味で、最近の作品、『La Migliore Offerta』も、途中まではおもしろかったのですが、終わり方がひどく後味が悪くて好きになれませんでした。
まだこれから見る人のために、多くは申しませんが、『La Migliore Offerta』と『La Corrispondenza』は、熟年の男性のはるかに若い女性への思いと二人の関係を描くという点で一致するものの、女性が男性に対してどういう思いを抱き、行動に出るかという点では、まさに対極にあります。自分の若さや精悍さが失われることへに焦りや喪失感を味わう男性は、若い女性に思われることを通じて、自分がまだ若いのだと思おうとする、まだ人生に先があると感じようとする、そういうことを、それが監督自身の実感にせよ捉え方であるにせよ、描いているのであろうか、そんな気もしました。
参照リンク
- amazon.it - film DVD, "La Corrispondenza"
- amazon.co.jp - 映画DVD、『ある天文学者の恋文』
- amazon.it - film DVD, "La migliore offerta"
- amazon.co.jp - 映画DVD、『鑑定士と顔のない依頼人』
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G7 anche il mio posto nella sala cinematografica
come la mia nuova macchina fotografica Canon G7 X!!
Il Film, "La Corrispondenza"... purtroppo non mi è piaciuto molto;
mi sembrano sbagliati, egoistici i comportamenti del professore...
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恋愛もの、戦争もの、あと怖い映画が苦手な私ですが、これはなかなか面白そう。なおこさんのこの映画に対する内容文の微妙なニュアンスも完璧ですね。こりゃ多くの人が見たがると思いますよ。
『海の上のピアニスト』はちょっと懐かしい映画ですね。NOVECENTOでしたっけ?私はもう誰かの学生にあげちゃったと思うんですが、学生時代に先生がこの本を読むべきだとおっしゃっていました。イタリア語を学ぶには丁度いい文章だからと。その通りでした。
トルナトーレ監督作品、「海の上のピアニスト」は私も好きな作品です。
日本では、というより、家の近所では、ハリウッドの流行り映画が主流でなかなか見ごたえのある作品はやってこないのが残念です。
今日の映画については、私も多分、なおこさんと同じ気持ちになるかな(・・?と見てはないけど思いました。
映画は、同じ監督作品であっても、内容によってはあまり好まないものもあって当然だと思います。
席の番号って、縁があるとか思うところはあると私も思います(^^♪
とても好きでした。
この映画の音楽もとても好きで、
今でもたまにレッスンの際にもかけたりします♪
海の上のピアニストもいいですね。
なおこさんがご紹介くださる映画は、
いつも興味深いです。
このところなかなかブログに時間をとれなくて、
なおこさんの素敵な湖の夕景のお写真や月夜の風景など、
感激しながら拝見しました。
とても癒されます。ありがとうございます☆

ニューシネマパラダイス、大好きな映画の一つです。
同じ監督と聞いて気なっていた映画の一つです。
映画を観賞するのは、大好きで。。しかし、アメリカの商業映画は、余り好きではありません。小さい映画館で上映している様な映画が好きです。ヨーロッパの映画、韓国映画も商業的でなく、味わい深い映画を時々作られていますね。
そんなひっそりと、ぐっとくる、味わい深い映画が好きです。その国の言葉で、映画を味わえたら^^それは、とっても素敵な事でしょう。ほんの少し、寒さがやわらぎましたね。木々のつぼみが、ふっくらしてきました。
イタリアも同じですね^^
こんばんは。湖と夕日、感動を共有していただけたようで、うれしいです。こんな美しい情景というのが世の中にはあるのだと本当に幸せな気持ちになれました。
英語ではよくシャドウイングを勧めますが、イタリア語でも、語や文・発話全体の正しい、適切な発音を身につけるため、リズム感覚を学ぶために必要だと思います。ラジオ講座でも、この映画予告編の言葉で分かりやすいものでもいいですから、イタリア人になったつもりでまねてみてください♪ なるほど日本語の題名は作品の内容から来ているのですね。監督はイタリア人ですが、俳優さんや設定は…見たのがかなり前なのではっきり覚えていませんが英語圏だったような気がするので、映画は英語で製作されて、イタリアではイタリア語に吹き替えられたのかもしれませんね。『La Corrispondenza』も舞台は主に英国でメッセージのやりとりは英語です。ただし二人が時々いっしょに過ごす思い出の場所として、イタリアも少し登場します。
テレビの講座は、わたしが日本で見ていた約15年前は、年間の時間数に比して、学習内容がちょっと少なすぎるのではないかという印象はありましたが、映像が多く、役に立つ簡単な構文が多くて、入門者の方にとっつきやすいし、映像を通しての食などの文化や観光地の紹介も多く、やる気をかき立て、継続もしやすいようにうまくできているなと感じました。楽しいことがやっぱり行動のエネルギーになると思うので、そうやって楽しみながら頑張ってください。あ、わたしも……(って、いつもこればっかり。)
『海の上のピアニスト』、音楽もすばらしいですよね。最後は悲しいですが、とても好きな作品です。なぎささんの先生も勧められたんですね!
映画は感想は見る人それぞれで、だからいろんな作品があるし、それでいいのだと思います。ただ、殺人や暴力が多い映画やテレビ番組ばかり氾濫しているようで、それは気になっています。G7! 本当に偶然なのですが、ちょうど手元に届いたばかりだったこともあって、とってもうれしかったです♪
ウンブリアの美しい風景をすずさんが喜んでくださったと知って、わたしこそうれしいです。ありがとうございます♪
少しずつすこしずつ春が近づいているんですね。イタリアでは本来一番寒いはずの2月の前に急に気温が上がったので、義父は心配しています。わたしはちょうど遠出をしなければいけないところだったので、寒くなくて助かりました。