2016年 02月 06日
エトルリア墳墓遺跡と早春の花、ブレーラ
今日は思いがけず、散歩中にマツユキソウ(bucaneve)に会うことができました。
訪ねたのは、ヴィテルボ県の村、ブレーラ(Blera)です。村の人に道を尋ねて、エトルリア時代の墳墓遺跡へと向かうと、村はずれでは、凝灰岩(tufo)の石を切り出して築いた家や門が、やはり凝灰岩で自然にできた岩と溶け合うようにして並んでいます。
坂を下ると、アーモンドの花がきれいに咲いています。
ふり返ると、村の中心街もアーモンドの木(mandorlo)も、小さく見えます。
さらに進むと、エトルリア時代の岩壁の墳墓遺跡(necropoli rupestri)が、道の両側に次々に現れるようになりました。ブレーラには、なんと千以上もこうした墓があるそうです。
凝灰岩でできた岩を切り崩してつくられた道は、静けさと緑に包まれて美しく、
こんな小さい墓もあれば、
こんなふうに広い空間にいくつか墓があって、しかも右手の通路を通じて、ほぼ同じようにできた墓室とつながっているものもあります。
川を渡ると、すぐにかなり規模の大きい墳墓が見えます。岩のあちこちに穴を掘り、階段などの通路を用いて築いであって、
夫について岩穴をのぞくと、りっぱな墓室があります。階段も恐るおそる、少しは登ったのですが、町を歩くつもりで登山靴を履いていなかったため、夫の後について岩をよじ登るのはやめて、下へと降りました。
ヴィテルボ周辺は、ハシバミの実、ヘーゼルナッツ(nocciola)の産地らしく、ドライブ中に、しばしばハシバミの木(nocciolo)の栽培園(noccioleto)を見かけたのですが、墳墓遺跡がある川沿いにも、ハシバミの木が多く、花粉症(allergia ai pollini)の引き金となる花粉(pollini pl.)の飛散準備がすでに整っています。
夫が訪ねたかった墳墓は、周囲に柵が張りめぐらせてあって入り口が見つからなかったのですが、こういう荘厳な雰囲気のある墳墓は見ることができました。
川辺に下ると、それは美しい風景に出会うことができ、今年初めて、マツユキソウが咲いているのを見ることもできました。
訪ねるべき遺跡群はまだ他にもあったのですが、登山靴を車に置いてきた上、すでにかなり歩いていたので、この後は、来た道を引き返しました。ナギイカダ(pungitopo)の赤い実がきれいです。直訳すると「ネズミ刺し」となるイタリア語名は、葉がかたく先端がとがっているためでしょう。
中心街のバールで、昼食にサンドイッチを食べて、駐車場に向かう途中、ニオイスミレ(violetta)にも出会うことができました。
静かな美しい緑の中を歩き、興味深い遺跡を訪ね、早春の花たちが咲くのを見ることができて、とてもうれしかったです。
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Bellissimi i Fiori di Bucaneve, Mandorlo e Violetta,
Interessanti le Necropoli Rupestri dell'Etruria
Blera(VT), Lazio 6/2/2016
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参考リンク・図書 / Riferimenti web & bibliografici
- Proloco Blera - Blera
- F. Paolucci (a cura di) ”Italia etrusca. Guida Completa” (Giunti, 2008)
- Cooperativa La Fortezza (a cura di), “Viaggio attraverso La Civiltà del Tufo. Sorano – Sovana – Pitigliano. Storia, Arte e Natura. Passeggiate lungo le Vie Cave” (Laurum, 2010)
エトルリア時代の岩壁の墳墓遺跡、初めて知りました。
凝灰岩でできた岩を切り崩してつくられた道も美しく、他にはない自然が作りだした景観に魅了されました☆
なおこさんのお写真から、規模の大きい墳墓であることが解り、歴史好きな人にはたまらない場所でしょうね!
早くも、ニオイスミレなどの早春のお花が咲いているなんて素敵ですね~(^_-)-☆
ヴィテルボ、美しい町ですね。こんなにきれいなお花も咲いていてのどかな感じですが、観光客の方とかいらっしゃらなかったのですか?
エトルリアの足跡は中部イタリアならまだまだ残っていますよね。しかしお墓の立派なこと。フィレンツェですと、エトルリアの町、フィレンツェの母なる土地であるフィエーゾレにこれらが残っていますがここまで大きくはありません。
はるか昔の話なのにこのように気軽に見ることができるのはとても素晴らしいと思います。
タルクイーニアの装飾や色彩も美しいお墓は訪ねたことやテレビの歴史番組で見たことがあるのですが、今も緑の中にある素朴なこうしたお墓を訪ねることができて、とても興味深かったです。
スミレに出会えてうれしかったです♪ 例年に比べて早いので驚きました。
同じエトルリア時代の墳墓遺跡でも、トスカーナのソヴァーナでは入場料が必要なのは、それだけ古代遺跡がしっかり管理されていてかつ訪ねる人も多いということなのでしょう。大きな町からは離れた森の中にあるので、今も昔の姿をそのままに保っているということもあるのでしょうね。ざっと説明を読むと、紀元前5~1世紀に築かれたお墓のようで、おっしゃるように、わたしもそんなに昔のお墓が今もこうして気軽に見られるのはすばらしいし、ありがたいなと思います。ペルージャにもエトルリア人が2千年以上も前に築いた門と城壁が今も残っていますし、やはり石の文化には、こうして歴史に長く耐える建造物が多いですね。
寒いの苦手なので、早く暖かくなって欲しいですが、花粉が。。なおこさんも花粉症ですか?仕事が、バタバタと。。なおこさんのプログを覗くと、春のお花が^^素敵な遺跡散歩も、イタリアの小さな街は、よく山のてっぺんに古い街が、乗っかっていますが。可愛いですね、どうしてなんでしょう?身近に遺跡や自然に触れられる、素敵な暮らしだと思います。そして、美味しそうなお菓子達^^甘い物が止められない、私も同じです^^いつも楽しい時間をあrがとうございます。
イタリアの小さい町が山の上にあるのは、近隣の村や町どうしが政敵だったり、遠くの敵が攻めてきたときに、攻撃されにくいからです。中世にはペルージャがアッシジと戦争をしたこともあるんですよ。
こちらこそ、いつも温かい、うれしいコメントをありがとうございます♪
膝や関節の痛みは、歩くことはどうしても必要なので、おつらいことでしょう。膝の痛みにもいろいろと原因があるようですので、やはり一度はお医者さんに診てもらった方が安心かもしれません。わたしも肩の痛みがそのうち和らぐのではと思ううちに悪化して、症状は似ていても皆違う肩の病に苦しむ友人たちに勧められて、検査をし、癒着性関節包炎だと分かって、ようやく治療やリハビリを始めることができました。
整体師さんも、可動域が取り戻せるまで、早くても数か月、長いと1、2年かかると言っていますし、リハビリや体操にまじめに取り組み、うちでは関節によさそうなイラクサやオイルを使っているところです。最近は湿度や寒さで痛みがひどいこともありますが、それでも昨年の秋に比べると、ずっと楽になりました。ありがとうございます。
可愛い野の花がもう見ることができるんですね。
最初のお花はこちらでは”スノードロップ”と呼ぶのが一般的でやはりクリスマスローズと一緒に雪が溶けると一番に顔をのぞかせるお花です。
北海道では2か月先の話。
アーモンドのお花もヨーロッパならではですね。
こちらではスモモが同じような感じで満開になります。
エトルリアの墳墓遺跡群、すごいですね。
歴史の知識は頭の中でほぼ壊滅状態なのでよく分かりませんがそれこそ少し歩くと遺跡に当たる街のタイムスリップ感がたまらないですね。
地下に迷い込むと当時の人たちが出てきそう~^^
歴史の浅い北海道に住んでいると京都やローマ、etc 古い街への興味がつきません。
エトルリア文明は、イタリア中部では古代ローマ以前に栄えた文明として知られていますが、日本では高校の世界史の教科書などにも出てこないのではないかという気がします。イタリアでも、日本は世界大戦あたりから世界史の教科書にようやく登場すると聞いた覚えがあります。エトルリア時代、今から2千年以上も前に築かれた門や城壁はペルージャにもあって、今でも門・壁としての役割を果たしているので、この墳墓遺跡群ともども、石の文化の耐久性を思いつつ、興味深く、感慨深いです。そう言えば、札幌の小学校では、日本から北海道への移住が始まって以降の歴史は学んだけれど、アイヌの人々がではいつから北海道に暮らし始めたかについては学んだことがないような……
素敵な散策。お墓が岩の中にあるなんて初めて見ました。しかもすごい数ですね。そして、岩を切り開いてできた道。かなり高さがあるように思えるので、切り開くのも大変だったのではないかと思います。今のようにブルドーザーなどがあったわけではないので人の手で切り開くには年数がかかったでしょうね。私スミレ大好きなんです。お花全般好きなのですが、スミレは優しい雰囲気がします。同じスミレ科でもパンジーは華やかさがありまた丈夫なので日本にいるときには庭に植えていましたが、どちらかというと静かなイメージのスミレが好きでした。
めひりんさんは、スミレがお好きなんですね! わたしも、イタリアの野山にひっそりと咲くニオイスミレが好きです♪