2016年 02月 19日
フィレンツェ ドゥオーモびっくり顔なし300年、ブロガー再招集2
大規模な改装が行われ、昨年10月に再公開されたばかりのドゥオーモ付属博物館を訪ねました。今回も2013年同様、わたしたちブロガーをフィレンツェに招待したのは、1296年以来7世紀にわたって、ドゥオーモ広場の建造物の建築や修復、管理を手がけてきたOpera di Santa Maria del Fioreで、そのOperaのベテランガイドさんに、新しく生まれ変わった博物館のみどころや興味深い歴史を教わりながら、館内をめぐりました。
冒頭の写真のみごとな彫像の向こうには、広大な展示会場が設けられ、左手には、ドゥオーモのファサード(正面)が14世紀にはどのようであったかが、実物大の大きさで再現されています。
なんと、現在のドゥオーモのファサードは、実は19世紀に新たな装いで、再建されたものなのです。博物館には、14世紀当時のドゥオーモ正面の下半分が実物大で再現されているほか、全体の様子を再現した木の模型も展示されています。大聖堂正面は、設計を手がけたアルノルフォ・ディ・カンビオが、まだ完成まで遠いときに亡くなったあとも、15世紀半ばまでは、その意向に従って建造が続いたものの、15世紀末には、新たに設計し直した方がいいのではないかという声が出始めていたようです。
中世の正面は、1587年にメディチチェ家のトスカーナ大公フランチェスコ1世の命によって、新たな設計のもとに建造し直すため、取り払われてしまいます。その直後に大公が急死したために、結局再建はされぬままとなるのですが、大公に再建をすすめたブオンタレンティ(Buontalenti)自身が、新たなファサードとして考えて作った模型(上の写真)をはじめとする、さまざまな建築家による模型も、ドゥオーモ付属博物館に飾られています。
諸事情のために再建は先延ばしになり、ようやく再建が決まったのは、1865年にイタリアの首都がトリノからフィレンツェに遷ることになったときです。一国の首都の大聖堂の正面が、装飾のないむきだしの壁では困るというわけで、
新たに正面の設計を公募し、1887年になってようやく300年ぶりに、フィレンツェの大聖堂は、再び顔を得ることができたのです。博物館では、こんなふうに、写真や絵を通して、長い間正面に装飾がないままであったドゥオーモの様子や、さまざまなファサードの案を見ることができて、興味深かったです。
中にはこんなふうに、シエナやオルヴィエートの大聖堂に酷似した正面の提案さえあったようです。
他にも、美しい芸術作品や、興味深い展示は多かったのですが、今日は一番驚いた、大聖堂の正面の歴史についてだけお話しすることにします。
解散したあと、夜明かりに照らされたファサードを見て、その意外な歴史を思い、比較的新しいファサードのふさわしさ、美しさを感じました。
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Curiose Faccende della Facciata del Duomo di Firenze
Ritrovo di Blogger a Firenze 2 28/1/2016
Nuovo Museo dell'Opera del Duomo di Firenze
Sapevate che la facciata che vediamo ora fu costruita solo dopo l'Unità d'Italia e fino ad allora il Duomo era rimasto senza facciata per tre secoli?
Ora nel Museo dell'Opera del Duomo è ricostruita a grandezza naturale l'incompiuta facciata trecentesca di Arnolfo di Cambio.
Con Alice Filipponi, Francesco Pallanti, Alessandro Galloni, Luca Tempestini, Filippo Taliaco, Giulia & Tommaso di Ful's Kitchen e il sig. Pierpaolo.
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関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 美への情熱 ブロガ-再招集、フィレンツェ / Ritrovo di Blogger a Firenze 1 – Visita alla Bottega dell’Opera di Santa Maria del Fiore (28/1/2016)
- 秘蔵のフィレンツェご招待1 / Fotoblogger a Firenze 1 (19/10/2013)
↑ サン・ジョヴァンニ洗礼堂(Battistero di San Giovanni)の一般公開されていない歩廊、マトロネオ(matroneo)を歩き、美しいモザイクを鑑賞することができました。
- 秘蔵のフィレンツェ2、ドゥオーモI / Fotoblogger a Firenze 2 - DuomoI (21/10/2013)
- 秘蔵のフィレンツェブロガー招待3、ドゥオーモII / Eventi per Blogger a Firenze 3 Duomo (19/10/2013)
- 大聖堂クーポラ登り、フィレンツェ4 / Fotoblogger a Firenze 4 - Cupola del Duomo (31/10/2013)
参照リンク / Riferimento web
- Opera Magazine – La facciata trecentesca della Cattedrale di Firenze (20/11/2015)
フィレンツェのドゥオモのファサードの歴史、知らなかったです。
なんでも、古いものがそのまま残るイタリアというイメージなので19世紀の再建というのに驚きました!
でも、建物などは、外に剥きだしになっているのだから、年数を経ただけでも朽ちて行くのは当たり前のことで、修復は当然されているのだろうなあ・・・とはおぼろげに感じてはいました!
こういう歴史は、イタリア在住のなおこさんだから紹介出来るのだとありがたいです(^-^)
いろいろなファサードが計画されていたというのもおもしろいですね♪
その時代、時代でいろいろな人がいろんな思惑で考えたことを振り返る博物館の資料は貴重なものだと思います。
フィレンツエまで行くことはあれど、ドゥオモ博物館まで足を運ぶのは難しいということもあり、このお写真を見せていただけてほんとうに嬉しいです。
ありがとうございます(*^_^*)
博物館には他にも、美しい彫刻やクーポラの構造模型などの興味深い展示が多いので、いつかお時間が取れたら、ぜひご覧ください。
こちらこそありがとうございます。興味を持って読んでくださったと知って、うれしいです♪