イタリア写真草子 Fotoblog da Perugia 日本語教師・通訳・翻訳家。元高校国語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより

財布にも痛い五十肩@イタリア

 まだ日本に暮らしていた頃から、時々肩の痛みに苦しみ、イタリアでも時々肩の激痛に襲われていたのは、机やパソコンに向かう時間が長い上に、姿勢が悪かったためだと思います。そういうひどい肩の痛みに加えて、2007年にぎっくり腰に襲われて以来は、腰の痛みも時々あり、そういう時はできるだけ早めにエゴスキュー体操の本を取り出して体操を続けたり、姿勢に気をつけたりして対処していました。

 ひどい痛みに慣れているがために、去年の2月頃から、右肩や首・腰の痛みに耐え、体操をして姿勢に気をつけていればそのうち去るだろうと思い、6月末から8月にかけて、特に痛むようになった右肩について、かかりつけ医に3度訴えても、こうこうこういう体操をするようにと言われるばかりで、そうこうするうちに痛みがますます激しくなり、10月には痛みで夜も眠れぬようになりました。そうして、いつの頃からか、気づくと右腕を上げると右肩もつられて上がり、エゴスキュー体操さえ痛みと肩の周囲のこわばりのために、できないものがあるようになり、さらに、右腕が後ろに回らず、細身のセーターは、特に前部が開かないものは、右腕と右肩が痛くて、脱ぎ着にひどく苦労するため、ゆったりとした上着や前部の開く上着しか着ないようになりました。右腕が上がらず、台所などで上にあるものを右手では取れなくなってしまいました。ひどいときには、腕の痛みのために、マウスを握るのもつらく、ナイフでパンを切ることさえできないときがありました。

f0234936_8572895.jpg

 かかりつけ医には体操するうち痛みが去ると3度言われ、それまで肩や腰の痛みをエゴスキュー体操で解消したことが何度もあったので、体操も試みるのですが、かえって痛くなるように感じるときさえあります。日本に帰国していたときに購入した体の痛みに関する本をじっくり読み、これはどうも五十肩かもしれない、だったら痛んでも腕や肩を動かしたほうがよいのではないかと、本に書かれている体操をいろいろ試してみました。そうして、10月下旬にミジャーナで3日間、夫や友人たち、義父とともに、上がらない右腕を上げ、痛みに耐えながら、オリーブを収穫しました。

 そのとき友人たち2人から、自分たちもひどい痛みで苦しんで、専門医に診てもらったり、それでも判断が誤っていたのが、ある日突然肩が動かせなくなって、救急病院に駆け込んで、ようやく正しい病名が分かったりしたのだと聞きました。検査をしたり専門医に診てもらったりした方がいいと勧められ、さらに、この3日間無理をしたために、ただでさえひどかった痛みが悪化したので、月曜にかかりつけ医に診てもらい、説得してようやく超音波検査を受けることができ、その結果、運動機能回復訓練専門医(fisiatra)に診てもらい、癒着性関節包炎(凍結肩、狭義の「五十肩」)であることが分かり、それから薬剤の注入や鎮痛剤の服用、カイロプラクティック院での療養が始まりました。

 3月も終わりに近づいた今、右腕は前方には、完全に上げるには痛みを伴うにしても上がるようになったのですが、横に広げた腕はまだその水平の位置から上がらず、後ろにも回りにくい状況です。専門医の診断を受ければ、ふだんは1度の通院で20ユーロ払っているところを、国民健康保険を利用し、10回分は患者自己負担金36.15ユーロで済むので助かるのですが、この手のリハビリを行うのはペルージャでは私立のこのカイロプラクティック院しかなく、10月末に申し込んでも、この健康保険が適用できる枠は、1月18日からしか空きがない状態でした。その1月18日からの10回分が終わる頃には、凍結肩とはおさらばかと思っていたら、最近は仕事が忙しかったり肩が痛んだりして、家での体操をさぼっていたためもあってか、右肩がまだ横方向には、なかなか上がらず、3月に入った今になっても、まだまだ通院が必要な状況です。「1回に20ユーロでは支払いが大変だろう。1年に2回までは施設で保険枠が利用できるんだけれども、その枠を利用するには、専門医の診療と処方が必要なんだ。」と、理学療法士さんが受付の女性と話し合って、その施設の専門医の診療を予約してくれました。

 その診療がちょうど昨日で、以前痛い思いを味わい、いろんな意味でどうかなと思う若い医師ではなく、今度はベテランの医師に診てもらいました。ただ、うっかりして、超音波検査や以前の処方いっさいの資料を忘れてしまい、癒着性関節包炎であるという確認と、健康保険枠が利用できる10回分のリハビリは処方してもらったのですが、「もっと正確に診断できるように、次回はこれまでの検査結果や処方を書いたものを持って来てください」と言われました。

 かかりつけ医にせよ、若い専門医にせよ、文字を解読するのに苦労する上、だれにいつどんな薬を飲むように言われたかなど、さまざまな紙があるので、お医者さんに提出するためにも、今夜はそれを整理して、以前から気になっていた料金も添えて、日づけと共に一覧表にしてみました。すると、5月頃から腱炎に苦しみ、それで肩も少しずつかたまっていったと思っていたら、すでに2・3月から肩や首・腰のひどい痛みを日記に記した日があることと同時に、すでに驚くような金額を、五十肩のために費やしていることが分かりました。

 きりがいいので、10月26日、初めての鎮痛剤購入から、4月1日までの療養にかかる費用をまとめると、次のようになります。

・鎮痛剤                   2,34€+4,49€+4,46€+7,30€
・ヨガセンターでのマッサージ     34,90€
・超音波検査                31,30€
・専門家医の診療20,00€✕2      40,00€
・薬剤の注入  30,00€✕3       90,00€
・ホット/コールドパック✕2        10,90€+18,50€
・施術+体操 
(11/12-4/1 20€x24 + 36,15€ ) 561,15€


 保険枠が利用できるのは、ようやく5月2日からとのことなので、4月は通院が全額自己負担となり、5月いっぱいで治ったとしても、さらに236,15€が上記の金額に追加されることもあります。

 夫や義父母には、それだけ高いのに通う必要があるのかとは聞かれるのですが、全額わたしが支払うのですし、去年日本語・イタリア語・英語のさまざまな資料を、患者の追跡研究結果を述べた研究論文も含めて多数読んだ結果、やはり早く、そうしてすべての可動域を取り戻すには、お金がかかっても週2回はリハビリにかかる必要があるという結論に達して、今も通い続けています。合計金額がここまでになるとは思わず、一覧表にしてみて自分でも青くなったのですが、右腕や肩は、まだまだ十分に使えるものであってほしいし、数年前、車の修理に約5千ユーロ払っているので、ずっと大切な自分の体のためですから、お金が決してあるわけではないものの、払えることをありがたいと思い、通院を続けるつもりでいます。

 以前に五十肩の件を書いたとき、ご自分も経験されたというコメントやメールを多くの方からいただいて、ありがたかったのですが、鍵コメントやメールででも、その際に、リハビリにどのくらいの期間・頻度通院したか、回復にかかった月数とどれだけ可動域を取り戻すことができたかを教えていただけるととても参考になってありがたいです。

 去年からは、学校での授業やiBook教材制作、通訳の仕事に加えて、翻訳やさまざまな生徒さんからの日本語・イタリア語の継続的な個人授業の依頼があって、ありがたいのですが、しばらくは個人授業の報酬がそのまま五十肩や飛蚊症、花粉症などの療養に消えていきそうです。日頃からもっと姿勢に気をつけて、全身を動かすようにしていればという反省はあります。けれども、身体の不調が出てくるということは、車がガス欠になる前に、警告灯が教えてくれるようなもので、まだ対策ができて、間に合ううちに、健康や日々の生活について見直しをさせてくれるありがたいものだ、体操が苦にならない年齢のうちに五十肩になったのはありがたいと、最近は考えるようになりました。

f0234936_22575175.jpg

 ここまでしなくてもいいのですが、自分でふり返るためにも、お医者さんにより分かりやすくするためにも、はりきって、こんなふうに表にまとめていたら、今夜は遅くなってしまったのでありました。

✳追記(3月24日)
 メールやコメントで書いてくださいとは、皆さんお忙しいのに失礼だと、今朝になって思いあたり、アンケートを作って、選択肢で答えていただけるようにしてみました。凍結肩は、インターネット上に、医者・病院による説明や治療の案内・実例、多数の患者への臨床試験の結果も踏まえた医学論文は数多く見つかるのですが、実際に患った方が選ばれた療法や治癒までにかかった期間を語られた体験談は、なかなか見つかりません。英語ではfrozen sholder、イタリア語ではspalla congelataまたはcapsulite adesivaと呼ばれる凍結肩(癒着性関節包炎)は、有病率が2%で、40代から60代、そして特に女性が患う場合が多く、糖尿病患者になると、さらに罹患率は35-40%になるそうです。近年、人々がパソコンや携帯電話を使う時間が急激に増加する一方、体を動かす機会と時間が減っていることを考えると、この割合は今後さらに増加する恐れがあると思います。現在、日本では保険病名に凍結肩がなく、石灰性腱炎や腱板炎などさまざまな疾患を含む病気が、肩関節周囲炎という大ざっぱな病名や、五十肩という言葉でひとくくりにされがちなのだそうです。正しい病名が分からないと、可動域を完全に取り戻すのが難しいまでに症状が悪化してしまいます。皆さんのアンケートへの答えが、わたしの参考になることはもちろん、今後多くの方の参考にもなると思いますので、お時間を取って、答えていただけると幸いです。



**********************************************************
E' arrivata la primavera!
Anche la mia spalla congelata, a mano mano, si sta scongelando. Ci vorranno ancora le riabilitazioni per qualche mese e poi spero di poter muovere la mia spalla destra come prima.
**********************************************************

関連記事へのリンク / Link agli articoli correlati
- 激痛撃退エゴスキュー (16/3/2015)
- 片づけと健康2、整頓か痛みか猫か (8/10/2015)
- 肩ががたがた (29/10/2015)
- 歯医者より痛いイタリア肩療治 (19/11/2015)
- 凍るイタリア解けゆく肩 (26/11/2015)
- 痛む肩熱で癒せる便利品 (12/12/2015) 

参照リンク / Riferimenti web
- ピート・エゴスキュー著、越山雅代監修・訳、『痛み解消メソッド驚異のエゴスキュー』、ロングセラーズ
- 星川吉光監修、『スーパー図解 くび・肩・背中の痛み―不快な症状を消し去る生活処方と最新治療 (トップ専門医の「家庭の医学」シリーズ)』(法研)
- 井本邦昭著、『専門医が治す! 体の「ゆがみ」を治して健康になる!』(高橋書店)

Articolo scritto da Naoko Ishii

↓ 応援クリックを二ついただけると、うれしいです。
↓ Cliccate sulle icone dei 2 Blog Ranking, grazie :-)
  

トラックバックURL : https://cuoreverde.exblog.jp/tb/25073088
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by ayayay0003 at 2016-03-24 17:16
なおこさん、こんにちは^^
やはり、肩の治療には、時間もお金もかかるのですね(・。・;
でも、自分の大切な身体のことですから、やはり、決めるのは自分だと思います。
なおこさんの決断は正しくて、快方に向かってると思います。
肩とか腰とかの治療は、すぐに良い結果を出すのは難しいと思うので気長にやらなければなりませんね(-_-;)
こういう風に自分の治療の記録を残しておけば、いろいろと役に立つことはあると思いました。
まだまだ寒いので油断大敵、お身体ご自愛くださいませね♪
Commented by ひな at 2016-03-24 22:27 x
なおこさんの肩の痛み、ブログでしばしば見かけており、もしや五十肩なのでは…?と思っておりました。

上に挙がらない(結髪動作)、後ろに回しにくい(結帯動作)というのは五十肩の代表的な症状であり、日常動作というのは殆どがこの結髪・結帯動作をベースにしているため、五十肩の患者さんは肩に痛みが出ないよう自然と背中を捻ったり腰を捻じったりしながら生活をなさるので、連動して二次的に腰痛や背部痛を訴える方は少なくありません。

五十肩には①痙縮期(けいしゅくき)②硬縮期(こうしゅくき)③回復期(かいふくき)という3段階があり、①炎症と痛みが強い時期②痛みは和らぐが動きが制限される時期③痛みは随分と引き更に筋肉が和らいでくる時期、と理解して頂ければ良いかと思います。
大切なことは、それぞれの段階においてするべき対処が異なるということです。

①痙縮期の場合、無理な運動やマッサージはかえって逆効果になり、炎症を強め痛みが更に強くなることもあります。マウスが握れなかったりパンを包丁で切れなかった時期は多分このあたりかと。
②硬縮期の場合、夜間痛や日常での痛みが徐々に減ってはきますが、まだ筋肉はガッチリと固まり肩関節の動きはかなりぎこちないはずです。”動かせば動かすほど良い”という概念は持たないほうが良く、無理なく動かせる範囲で体操をなさったり、日常生活でも激しい痛みを伴う動きはしないほうが賢明です。
③回復期になり肩関節の動きのぎこちなさが減り、動かせば動かすほど固まった筋肉がじわっと解れていくような感覚を得るような場合には、どんどん積極的に動かして頂くことが大切になってきます。

現在のなおこさんは「完全に上げるには痛みを伴うにしても上がるようになったのですが、腕はまだ水平位置から上がらず、後ろにも回りにくい状況」ということですので、②硬縮期と③回復期の間かなという感じがします。ただ、日常動作やお仕事の関係で肩を酷使した量によって、ある日はより痛くある日は多少まし、というレベルなのであれば、やはりまだ運動量については注意を払ってあげることが大切だと思います。

近くにお住いであれば実際に診させて頂けるのに…!!と歯痒い思いです。良い先生と巡り会ってなるべく早くに良くなりますように♪
Commented by milletti_naoko at 2016-03-25 17:17
アリスさん、こんにちは。肩や腰の病の中でも、この凍結肩は特に治癒までに時間を要するのですが、少しずつ痛みが軽減し、肩が動く範囲も広がってきているのでありがたいです。

自分自身がしっかり整理して、また考えなおしてみたいという思いがあり、また、同じ病気を抱えている/抱えていた方のブログをいくつか見てみたのですが、肩の痛みや療養について書くばかりではないので間が空いて、関連記事を探すのも難しかったので、将来どなたかの参考になればと、一連の事情をまとめて書いてみました。古い記事を読み返すと、今はすでに記憶があいまいになっていることについて、当時の痛みや考えが分かって、ブログってそういう意味でも、おっしゃるように自分自身にも役立ちますね。

ありがとうございます。この数日特に朝晩の気温が急に下がったからか、また痛みが強くなったのですが、家での体操も再開して、頑張ります!
Commented by milletti_naoko at 2016-03-25 20:17
ひなさん、ありがとうございます。専門のひなさんの診断と説明、とても分かりやすくて、参考になりますし、ところどころで、なるほどと感じ入りました。特に腰痛について、長い間痛まなかった腰が痛くなり始めたのは、姿勢が悪いためかと思ったのですが、それに加えて、ひなさんが説明されているように、気づかぬうちに肩や腕をかばって妙な姿勢をしていたからなのでしょうね。

3段階あるということについても、いろいろな記事や本を読んで知ってはいたのですが、ひなさんの言葉でこうして、実際の生活やわたし自身の症状に即して説明してくださっているので、とても分かりやすいです。

お優しいお気持ち、本当にありがとうございます♪ 幸い先週診てくださった先生はベテランですし、今診てもらっているfisioterapistaは若い人ですがosteopataでもあって、わたし自身では動かせない部分を動かしてくれたり、体操内容も治癒に合わせて変化させたり、わたし自身では分かりにくい、よくなった点などを教えてくれたりして、頼りになります。また、ひなさんのお言葉を参考に、以前に参照した記事、ウェブページや本も読み直して、今後いつ頃、そうしてどのくらいの頻度で通うのが望ましかろうか、考えてみるつもりです。本当にどうもありがとうございました。
by milletti_naoko | 2016-03-23 23:59 | Sistemi & procedure | Trackback | Comments(4)