イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ありがとうナポリへ腕利き療法士

 11月5日から、五十肩の療養に通っているペルージャ郊外のカイロプラクティック院では、これまで写真左手の理学療法士、アレッサンドロが、肩の可動域を増やすべく、腕や肩を回してくれるなどの20分ほど施術をしてくれたあと、指示に従って、ボールやろく木(ぼく)、ダンベルなどでの体操を40分ほど行い、リハビリに励んできました。

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29/4/2016

 肩の施術と体操、約1時間で20ユーロというのは、特に長い間週に2度通うとなると、決して安くない金額です。けれども、通ってアレッサンドロに肩や腕を動かしてもらうと、そのときは少々痛んでも、確実に動かせる範囲が増えていき、楽になっていくのが実感できました。それに、カイロプラクティック院には、うちでは道具がないのでできない運動や、肩に負担をかけずに腕を動かせる滑車もあります。癒着性関節包炎(凍結肩)について、いろいろ調べた結果、半年は通院して施術をしてもらった方が、回復も早く、より可動域を取り戻せる可能性が高いと判断したので通院を続けたのですが、それも、アレッサンドロの腕が頼りになったからです。

 このカイロプラクティック院は、ちょうど日本の歯医者と似て、複数の人がいっしょに寝台に横たわって、施術を受けたり、寝台やろく木、あるいは床のマットの上で、指示に従って、リハビリのための体操をしたりしています。通院する患者には高齢者が多いのですが、「葬式みたいにむっつりして療法士が働く施設もある中、ここは皆笑顔で感じがいい」と、高齢者の方が言うのを時々聞くことがあります。実際、写真の右に写っているアリアンナはじめ、院で働くスタッフが皆、親切でかつ朗らかなので、わたしも通院は、肩は痛むし時間もお金もかかるのではありますが、行って皆に出会ってあいさつするのが何だか楽しみにもなりました。

 アレッサンドロは奥さんともどもナポリの人で、いつか二人の親も暮らすナポリに戻りたいとは以前から聞いていたのですが、今回、奥さんの転勤をきっかけに、アレッサンドロもさっそく仕事を見つけて、一家でナポリに引っ越すことが決まりました。もともと6月いっぱいで通院を終えるつもりだったとは言え、最後までアレッサンドロに診てもらえないのは残念ですが、来週から代わって仕事をする若者も決まり、先週は来て引き継ぎのためにもいろいろ教わっていて、やる気もあるし、やはり感じのいい青年です。

 一度、アレッサンドロの小さい息子さんが高熱を出して、「妻もすでに患い、病休を取ったあとで、子供一人を家には置いておけないから」と、院に連れてきたことがありました。イタリアの小さい子供は、人見知りもあって、初めて会う大人があいさつしても、もじもじしたりして黙っていて、返事がないことがよくあります。わたしは見るからに外国人なので、なおさらです。それが、アレッサンドロの息子とまだ知らずに廊下で出会った子供に、おはようとあいさつすると、ちゃんと元気におはようとあいさつが返ってきたので、びっくりしました。そのあと、彼の息子だと分かって、そのことをほめたら、「あいさつはするようにしつけているので、あいさつができる子に育ったようでうれしい」と言っていました。カイロプラクティック院に通う患者は、皆痛みや苦しみを抱えています。中には愚痴ばかり言ったり、不機嫌そうだったりする患者さんもいます。どんな人にも分け隔てなく、患者のことを思って、声をかけ、調子を尋ね、施術をするアレッサンドロを半年見てきて、他の同僚の皆の話も聞いて、理学療法士としての腕も、人間性も、とてもすばらしい、信頼できる好青年だということが、分かりました。イタリアで放映された未来少年コナンやうる星やつら、キャプテン翼などが好きだそうで、日本にも親しみを感じています。

 というわけで、もしナポリで、腕のいい理学療法士に、リハビリやマッサージを頼みたいけれど、腕や人柄が信頼できるだろうか、安心できるだろうか不安だという方がいらしたら、ぜひご連絡ください。別にわたしがお金をもらうわけでも何でもないのですが、旅行者にせよ在住の方にせよ、英語も話せ誠実で仕事もできる理学療法士さんがいると分かれば、心強いこともあるでしょう。アレッサンドロも、今は当座の仕事を見つけようと、すぐに始められる施設に勤めることを決めたのですが、曜日が決まっていて、時間には余裕があり、できれば他にも仕事があればということなので、わたしの肩がここまで回復するまでに、施術はもちろん精神的にもいろいろ助けてくれて、お世話になった恩返しが何かできたらと感じているのです。

 金曜日はアレッサンドロがこのカイロプラクティック院で働く最後の日であり、かつ、アリアンナが実習期間を終える日でもあったので、こうして3人で記念撮影をしたのでありました。

 カイロプラクティック院は、保健サービスが利用できれば、わたしの場合、今は1回20ユーロの療養が、10回36.15ユーロと安くすみます。20ユーロは安いのですが、その代わり、療法士がずっと自分の施術だけに専念してくれるわけではなく、患者が多い場合には、他の患者の体操の指示をしながら、質問に答えながらということもありますし、予定の時間よりも施術の開始が遅くなるということもあります。お金に余裕がある方、時間はないという方は、もっと高いけれど、集中して自分だけ診てもらえる施設に通われた方がいいかと思いますが、価格が安くて、かつ感じのいいスタッフのいるところがいいという方には、この施設はおすすめです。 

Centro Chiroterapico Umbro s.r.l.
Via Cristoforo Colombo 21/A, 06127, Ferro di Cavallo, Perugia
Tel : 0755054346, Fax: 0755054346
Sito : http://www.centrochiroterapicoumbro.net/
Email: centrochiroterapicoumbro@gmail.com
Orari : Lun-Ven 8.00-13.00 / 15.00-20.00, Sab 8.00-13.00

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Bravissimo Alessandro, da fisioterapista mi ha aiutato molto
a recuperare la mobilità della mia spalla congelata.
Come Arianna e Alessandro, tutti gentili, cordiali e sorridenti
al Centro Chiroterapico Umbro di Ferro di Cavallo, Perugia.
Foto insieme venerdì 29 aprile, l'ultimo giorno di lavoro al centro
per i due, perché Alessandro torna alla sua patria, Napoli
e Arianna ha finito il tirocinio.
Grazie mille e tanti auguri ad entrambi i ragazzi bravi e simpatici.
Sembra in gamba e simpatico anche un nuovo fisioterapista
che mi aiuterà il recupero della mobilità della spalla da questa settimana.
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関連記事へのリンク
- 財布にも痛い五十肩 イタリア (23/3/2016)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by London Caller at 2016-05-02 21:31 x
ああ、なるほど。
たいへんですね!
ときどき私の膝も痛いですよ。
年をとると、ししょうがないんでしょう。^^;
腰も肩も。
じゃ、ゆっくり休んでください。
お大事に。
Commented by milletti_naoko at 2016-05-02 22:16
London Callerさんは膝が痛むんですね。ひざは歩くときも立つときも、何かと力がかかったり動かしたりすることが多いので大変ですね。ありがとうございます。半年リハビリに通って、少しずつ回復に向かっています。
Commented by mokochan at 2016-05-02 23:57 x
なおこさん、こんばんは。アレッサンドロさん、写真からお人柄の良さが伝わってきますよ。彼にもまた故郷で良い出会いがありますように、そしてなおこさんには次の担当の方が良い人であり早く肩が良くなりますように。
NHKの番組の件、そういうことがあったのですか!イタリア人のガイドさんもとても感じの良い方でしたが、私は見ていてこのガイドさんがなおこさんだったらなあ。。って思っていたのですよ。チヴィタは遠くから見て、同じような街を訪れる案はいいですね。番組の中で日本人のアナウンサーはチヴィタを目の前にして泣き出してしまいました。その場に行ってみなければわからない雰囲気があるのでしょうけどね。。
文法のことは、メルマガ20号も既に読んでいたのですが、すみません、なおこさんの記事を待っています。
この週末はどちらへお出かけでしたか?私はイタリアをまわっています(笑)他のブログで2014年Rei3のalle falde del kilimangialloという番組のイタリアで一番美しい町村コンテスト発表がネットで見られるということが書いてありまして、行ってみました。ペルージャのMontoneという町がありましたよ。まあ、イタリアはなんて美しい所が多いのでしょう!
日本も真夜中になりました。お忙しいのにコメントのお返事ありがとうございました。ではまた。。。おやすみなさい。
Commented by milletti_naoko at 2016-05-03 04:27
mokochanさん、温かいお言葉をありがとうございます。慣れない人には長い距離を歩くのは、たとえ荷物がなくとも足も腰もかなりつらいと思うので、アナウンサーの方も、ようやく着けたと感極まったのかもしれませんね。

週末はリミニの友人の一人の子供のお祝いごとがあって、出かけていました。その番組、わたしたちも昨年見たのを覚えています。小さいけれどすてきな村や町がイタリアには本当に多いですよね。わたしも同感です。おやすみなさいませ。
by milletti_naoko | 2016-05-01 23:59 | Sistemi & procedure | Comments(4)