2016年 05月 05日
EU国滞在許可証申請中の帰国、入国・搭乗拒否のおそれあり~欧州留学・移住とシェンゲン協定1
イタリアの場合
非EU圏である日本の国籍を持つ人が、イタリアでの長期滞在に際して、初めて申請する滞在許可証を取得するまでは、帰国やイタリア国外への旅行を避けた方がいいこと、イタリア国外に出ると、イタリアやEU圏内に入れない可能性があるということは、以前から、知っていました。ただし、配偶者がEU市民である場合には、該当する法律や権利が違ってくるので、今回の記事は、そういう方を除いての話とします。若干の例外はありますが、この件については、イタリア警察のサイトに書かれています。また、このページによると、滞在許可証の初回申請ではなく、更新を申請中の場合についても、イタリアからの一時的な出入りができるのは、就労や家族と合流するための滞在許可証所持者のみですから、留学生などは対象外となっています。さらに、出入りできる滞在許可証所持者の場合であっても、他のシェンゲン協定国での乗り換え中継なしにイタリアに入国するなどの条件が課せられています。
上記ページの説明は日付が2014年4月7日と、2年前になっています。今は新しい法律が出て事情が変わった可能性もありますので、詳しくは関係当局に直接お問い合わせください。(追記:2021年4月現在ではリンク先のページが存在しないため、文面はそのまま残しましたが、リンクは削除しました。)

中継地点での入国・搭乗拒否の事例
留学中のオランダから日本に一時帰国して、フィンランド航空でオランダに戻ろうとしたら、滞在許可証の申請中だと証明するシールでは入国は認められないと、ヘルシンキで入国と搭乗を拒否されたという方から、数日前に相談がありました。
わたしは2年前に、フィンランド国境警備に対して、イタリア人配偶者を持つ日本人の紙製EU市民の配偶者用滞在証も、入国資格をりっぱに証明する書類であることを認め、フィンエアー搭乗拒否や入国拒否をやめるように求めたことがあります。その結果、フィンランド国境警備から、「紙の滞在証でも大丈夫」という返事を得、ほかの方からの関係者各位への働きかけもあって、それまで行われていた理不尽な搭乗・入国拒否がその後はなくなりました(と解釈しているのですが、もしまだ問題ありという方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください)。
- 紙の滞在証でも入国の権利あり (3/6/2014)
- フィンランド国境警備からの返事、紙でも大丈夫 (25/6/2014)
相談された方は、オランダが発行する「滞在許可証を申請中であるという証」は、わたしが 「紙でも入国の権利がある」と書いた、その「紙の滞在証と同様のものと推察」して、金銭的賠償が可能かどうか、そして対応策があるかと、わたしに質問をされたのです。(つづく)
*追記
記事の続きはこちらです。関連法・記事などへのリンク多数あり。
- EU国滞在許可証申請中の帰国、入国・搭乗拒否のおそれあり~欧州留学・移住とシェンゲン協定2
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All'aeroporto di Helsinki ad un mio connazionale che studia nei Paesi Bassi è stato vietato l'ingresso nell'Area Shengen; aveva richiesto il permesso di soggiorno ma ancora aveva (e tuttora ha) solo la cedola attestante la richiesta e la guardia di frontiera finlandese non l'ha riconosciuta come un documento valido. Ciò può accadere anche alle persone extracomunitarie che studiano in Italia e partono dall'Italia prima di ottenere il permesso di soggiorno. Attenzione!
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LINK
- Your Europe – Travel documents for non-EU nationals – Passport/Visa requirements


おはようございます♪
オランダ留学中の方からもご相談があるのですね。いつも親身になって、こうして様々な関係機関で丁寧に情報を集め、裏付けをしっかりされて私達にもシェアして下さる、、、本当に有り難く思っています。いつも有益な情報をありがとうございます!
私は二年前のイタリア留学サイトの掲示板でこの問題を知り、以後気になって経過を見ていました。その時になおこさんが丁寧に情報提供されていたのをよく覚えていて、凄い!と思ってました(^-^)
今回のケースは、私たちのように家族用のcarta di soggiornoの紙とは意味合いが違うし、同じ紙でもいわゆる(イタリアでいうとこの申請中の)半券と、許可証原本自体が紙というのは同じ紙であっても物が違うから、該当されないのではないかな……と思っていますが、どうだったのが結果が気になる所です……
私も留学中、学生用の滞在許可証を手に出来たのは滞在がほぼ終わりかけの8ヶ月が経った頃でした。
許可証申請中は、半券ではイタリア国外には出れないという認識でしたので、イタリアにいながら近隣国を旅行して回る事が殆ど出来ませんでした。半券のまま、近隣国をうまく旅した友人達もいましたが、それもいちかばちか的な感じだったので、私には恐ろしくて出来ませんでした^^;
この方の場合、最終的に留学先のオランダに戻る為には、1度日本に引き返して、オランダ行きの直行便に乗るしかないのかな…と想像しますが、、、
家族用のcarta di soggiornoを持った今でも、日本帰国の際はなんだか近隣国を経由するのがすこし怖くて(もしもの時の英語が使えないというのもあり)、結局無難にアリタリアの直行便を使ってしまう私です、、、苦笑
閑話休題。わたしもみかさんがおっしゃるように、この方の場合は、まだ滞在許可証を申請中であるため、さらに、他のシェンゲン協定国で乗り継ぎをしたために、搭乗拒否に遭われたのではないかと思います。その旨確認してくださいとお返事したところ、その後、まずはフィンランド国境警備から、申請中の半券ではフィンランドへの入国が認められないという返事があったそうです。オランダ当局への問い合わせの返事はまだないとのことですが、イタリアの事情から考えて、わたしもやはり申請中と証明する書類は、発行国以外では通じないということだろうと推測しています。わたしに質問されたのは、すでに日本にいったん帰国されてからです。
確かによその国を通ってしまうと、何か言いがかりをつけられたとき、相手方がイタリアの事情を知らぬということもあり、厄介ですよね。(つづく)
オランダ当局からの回答はまだ聞いていないのですが、同様に、これまで日本からの留学などの移住が少なかった国、テロなどの心配がなく、それまで入国審査がゆるやかだった国でも、法を厳密に守って、必要書類がなければ搭乗拒否・入国拒否ということが、今後は増えるおそれがあると心配して、とりあえず早急に記事を書いてみました。フランスでも特に最初の滞在許可証の申請中の移動は、できれば初回申請ではなくとも、新しい滞在許可証を取得するまでは移動を避けた方がいいと書く方もいて、わたしが現段階で見つけたEU関連法にも、最初の申請中に滞在国から発行される証は、他のシェンゲン協定国に入ることができるために有効な滞在許可証とは認められないとあります。これから夏に向けて、帰国や近隣国への旅行を考える方も多いでしょうが、そうやって航空券を買う前に、皆さんが滞在国の関係当局に、申請中でも出国・再入国できるかを問い合わせ、搭乗・入国拒否の憂き目に遭うことがありませんように。
出入国管理はかなり難しいでしょう。
シェンゲン圏なら順調にいくとも難しいです。
ヨーロッパ難民危機は特にたいへんです。
来月、イギリスでは
EUを離脱すべきかどうか国民投票があります。
非英国国民の私も投票できますよ!!
はい、イギリスに在住する英連邦の国民、
たとえば、マレーシア人、カナダ人、マルタ人、南アフリカ人、ニュージーランド人などまだまだたくさんあります、全部投票権があります。
驚いたことに、英国在住EU国民は、たとえば、イタリア人、フランス人、ドイツ人など投票権はありません。
EU国民に投票権をあげたら、みんなEUに残留して欲しいと予想されます。
英連邦には、そんなにもたくさんの国が参加しているんですね! 投票券がおありとは知りませんでした。

2016年4月〜2017年の4月の一年の留学中です。もうすぐ帰国予定ですが、帰国前にヨーロッパを旅して帰ろうと思っています.全てチケットを取った後、漠然と不安になりました。ビザのことが良く分かりません。。。。
学生ビザは4月いっぱいで切れます.滞在許可証は5月2日までありますので、5月1日に出国し、ポルトガルに行く事にしています。あとはイギリス→スペイン→オランダ→ドイツ→トルコ→スイス→オランダ→日本 という経路で帰国予定です。観光ビザで3ヶ月は旅できるハズなのですが、、、、いかがでしょうか?お力をおかしください。

シェンゲン協定以外の国というのは、イギリスも含まれるのでしょうか。イタリアからヒースロー乗り換えで一時帰国して、イタリアにまた戻ろうかとおもっています。何かご存知でしょうか?

同じ国でも当たる人によって変わることは、イタリアでも
ヨーロッパでもよくあります。わたしが書いているのは、
法的には入国や搭乗が拒否される可能性があるために、
最近はテロリスト対策のために法律が厳しくなっているために、
できるだけ問題を避けるためにも、法で禁じられていることは
しない方がよかろう、ですから、法を知らずにうっかり移動をして
旅行中に大変な事態に巻き込まれないようにということです。
イギリスについては関係各位に問い合わせていただきたいのですが、
わたしは法律を知り、法に触れぬように旅や留学、帰国を行おう
と考える方を対象にして書いています。
申しわけありません。わたしが書いているのは注意の呼びかけであり、
具体的には、もうずっと前のことですから手続きなども調べられたと
思うのですが、直接関係当局に問い合わせてみてください。