イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

政治的志向と仕事

 フランス旅行への出発の2日前に、日本語の個人授業を受けたいと希望する男性と、夕方会って話をしました。メールで料金を告げたら、はいさようならという人もいれば、会ったときは授業を受けますと言ったのに雲隠れする人もまれにいます。然るべき料金(60分25ユーロ)を払ってでも、授業を受けようという人をこそ、生徒さんとして教えようと、教えるのが日本語であれイタリア語であれ、そう考えているので、せめてあいさつでも一言あればと思いつつ、去る者は追わずの心持ちでいるのですが、、さてこの男性はどうしたものか。

 と言うのも、ちょうど他の生徒さんの日本語の授業の直後に、待ち合わせをしたのですが、会ってまず、日本語を学習したい動機を語り、教科書はどれがいいだろうかと二人でいろいろ話し合って決めかけて、計10分も話したか話していないかという頃から、日本の現首相の経済政策やアジアの他国、アメリカに対する姿勢に、いかに賛同していて、すばらしいと感嘆しているかを、長々と話し始めたからです。わたしは原発にも反対で、政策や方針にはいろいろ問題があるのだけれどと言うと、「いや、そんなことはない。日本は原発がなければ、やっていけないでしょう。」と、また話が続きます。

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15/6/2016

 日本語を勉強したいと考えてくれる社会人がいてくれるのはうれしいし、ぜひ教えられたらと思うものの、初対面の人に、相手は反対意見と知りつつ、日本をほめているつもりだったからか、一方的に長々と、政治の話を続けるのはいかがなものか。授業中もそんな調子で、わたしはどうかなと思うような話を聴くことになるのか、まあ、それは人それぞれに政治的志向があり、思想の自由があるのだから、それを尊重するのが大人というものだろうか。

 と言うより、この人は、不思議なことに、メールでも会ったときにも、授業料の話をいっさいしなかったのです。60分25ユーロだと言ったら、ひょっとしたら、雲隠れするかもしれない、いや、それでも来るようだったら、考えは人それぞれなのだからと、授業中は日本語の学習に集中して、ゆったりと構える必要があるかもしれない。パリでの宿にはWiFi接続があるので、教科書の詳細を記したメールも送らなければいけないことですし、行きのバス・飛行機の中などで、じっくり考えたあと、授業料も明記して、返事をしようと考えています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-06-13 23:59 | Insegnare Giapponese | Comments(0)