2016年 10月 19日
鯉と日本語・日本文化
「酒」、「すし」など、旅行などを通して知ったという語彙がいくつかあるので、そういう既知の語彙やイタリア語に入った日本語からの外来語を利用して、ひらがなの練習や復習を強化することにしました。新しく学ばなければいけない言葉の数を抑えて、ひらがなを覚えることに集中できるようにするためです。
そういう既存の知識を利用できる日本語からの外来語として、今日は「こい」と発音して、ひらがなできちんと書けるかどうかを見てみました。日本の錦鯉は、イタリア語ではふつうの鯉、carpaと区別して、carpa koiと呼ぶのです。
生徒さんが書く前に、鯉を知っているかどうか尋ねてみたのですが、思いもかけない返事が返ってきたので、びっくりしました。
「知っていますよ。ヤクザなんかの入れ墨によく描かれている魚のことでしょう。」
入れ墨に疎いわたしは、遠山の金さんの桜吹雪は知っていても、生徒さんが「インターネットの写真でよく見かける」ほど、鯉が入れ墨の題材として人気があるとは思いもしなかったので、びっくりしました。
「鯉と言えば、すぐに頭に思い浮かべるのは、日本庭園ではないかと思うのですが。」
とわたしが答えると、今度は生徒さんの方が驚いていました。
入れ墨に彫られる象徴的な意味が、鯉にはあるのではないですかと聞かれて、古来、中国で滝の激しい流れに逆らってのぼることができた鯉は龍になることができると言われ、日本では端午の節句に鯉のぼりを飾って、男の子の成長を祝い、祈るのだという話はしておきました。授業後に調べてみたら、どうやらそういう説明でよかったようで、ほっとしました。そうして、異文化ではなく、同じ文化圏に暮らしていても、あるいは同じ家に暮らす家族であっても、何かの言葉を聞いて、連想するものが違うということは、そう言えばあるなと、思い至りました。
写真はすべて、数年前、桜が花盛りの頃に夫と京都の二条城を訪ねたときのものです。二条城の堀の橋を渡っていたら、鯉たちが近寄ってきたので、何かないかとリュックの中を探した夫は、パンの残りを見つけて、それをちぎって、鯉にやっていました。
********************************************************************************************************************************
Alitalia & Carpe Koi del Castello Nijo di Kyoto 6/4/2909
- Quando abbiamo guardato il fossato del Castello, si sono radunate molte carpe koi. Mio marito cercava qualcosa nel suo zaino; si ricordava di avere un pezzo rimasto del pane servito durante il volo Alitalia, l'ha trovato e ha cominciato a dare i pezzettini del pane alle carpe. Le carpe sembravano molto contente :-)
********************************************************************************************************************************
LINK
- it.wikipedia.org - Carpa koi
- ja.wikipedia.org - コイ
- Lucky Round Tattoo - 鯉(カープ)のタトゥーの意味
なので、漫画文化というのもいいと思ってたのですが、そんな印象を持たれていたとは驚きでした!
先日、伊藤若冲展を見て来て、鯉をたくさん頼まれて書いているものを掛け軸に仕立てたものを鑑賞してきたところなので、鯉は龍になる=出世するという意味で男の子が生まれると鯉の掛け軸を注文した人が多いというエピソードが説明されていて微笑ましく見たところなので今日の記事は、フムフムと読ませていただきましたよ(^^♪
鯉の印象がこの掛け軸でさらにアップ致しました♪
その生徒さんもなおこさんの説明で鯉の印象が変わるといいなあ~と思いました(*^_^*)
生徒さんの反応に鮮やかに対応するnaokoさんに、感心しきりです❣️
「鯉を知っているか」のフレーズに古い記憶が蘇りました。高校生の頃、親戚からの電話をとり「君はコイを知っているかね?」と、尋ねられ「コイ?池の鯉ですか?」と答えたところ、「違うよ!男女の恋だよ!」と。どうやら親戚のおじさんは女子高生をからかったようでした。笑。
日本語は同音異義語が多いので、覚える方も大変ですね。鯉、恋、故意、(名詞ではないですが)来い、濃い……一石二鳥と張り切ってくれる生徒さんだと良いですね。(^^)
私たち日本人は日本庭園を想像する方がほとんどと思いますが、それも紹介され方ひとつで変わってきてしまうのですね。
ムスリムの方はご法度のようですが、マレーシアでも海外居住されている方々は男女問わずタトゥーを入れているのを見かけます。日本語は美しいと思いますが、時に「エッ?!」と思う言葉や字を大切な身体に刻み込むのは残念な気がするのはやはり典型的日本人の考え方だからでしょうか?
私も自国の言葉でさえ知らないことばかり、Naokoさんのレクチャーを受けたいです。
なるほど、そんなふうに掛け軸の絵にも、古来鯉の絵の希望が多かったんですね。登竜門や鯉のぼり、庭園の鯉にとどまらず、生活のいろんなところに日本でも昔から鯉が浸透していたのですね。
入れ墨を入れることに抵抗のない人が増えてきているように感じます。マレーシアでもそうなんですね! 入れ墨として刻む言葉もさまざまですよね。いえいえ、わたしこそ、美しくておいしそうなkaorainne2さんのデザートの写真を見るたび、レッスンを受けられたら、でもついていけないかもと、うっとりしながら眺めています。