イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

ボッティチェッリ『地獄編』、芸術・歴史の謎に迫るドキュメンタリー映画イタリアで11月7・8・9日上映

 繊細で美しい絵画で知られるサンドロ・ボッティチェッリ(Sandro Botticelli、1445-1510)は、実はメディチ家に依頼を受けて、ダンテ・アリギエーリ(1265-1321)の傑作、『神曲』の『地獄編』(Inferno)に添える約100枚の絵を、できるだけ作品内容に忠実になるように構想して描いていました。

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Immagine presa da http://www.nexodigital.it/botticelli-inferno/

 現在その作品の大半はドイツにあり、いくつかはバチカンにあります。

 色が施されたものがごく一部しかないため、おそらく未完成とされる作品は、19世紀には、フランスに所蔵されていたと言われ、フィレンツェの画商を通じて、スコットランドの貴族の手に渡り、その子孫が売りに出すにあたって、初めてその所在が公になったようです。作品は完成していたのか。ボッティチェッリの手からどんな経路を経て、フランスに行き着いたのか、それとも、フランスにあったというのは偽りか。


 ボッティチェッリの本名や生まれた場所、絵画に興味を持ったいきさつ、そして晩年をどのように過ごしたと考えられるかなど、画家の人生や当時のフィレンツェ・メディチ家にも触れながら、上記の謎に迫るドキュメンタリー映画を、今晩映画館で見て、とても興味深かったです。

 イタリアでは11月7・8・9日の3日間だけ劇場公開されるこの映画の予告編を、上のリンク先から見ることができます。興味があれば、ぜひご覧ください。

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"Botticelli Inferno" dal 7 al 9 novembre al cinema.

L'abbiamo visto stasera.
Film documentario, ma narrato quasi come un giallo.
Interessante e pieno di sorprese almeno per me.
Dal sito di Nexo Digital: "forse uno dei più importanti per comprenderlo [lo=Botticelli] nel profondo - è rimasto a lungo chiuso nei depositi climatizzati del Vaticano. Si tratta del disegno che Botticelli dedicò all’Inferno di Dante e che diventa oggi protagonista di un film documentario originale, appassionato e coinvolgente."
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- イタリア語学習メルマガ第18号「ダンテ『神曲』の冒頭を読む」
↑ 冒頭部をイタリア語学習教材とし、解説・訳のあとで、『神曲』がどういう作品であるかを説明しています。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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by milletti_naoko | 2016-11-08 23:59 | Film, Libri & Musica | Comments(0)