2017年 01月 02日
耳をすませば、映画誘う東京・イタリアの思い出
自分の原石を見つけて磨いていく必要を、ひたむきで純粋な主人公たちの姿に思うと同時に、あちこちに散りばめられていた懐かしい映像に、郷愁を覚えました。
日本を離れてイタリアに暮らしていると言うばかりではなく、中学3年のときに東京から愛媛に転校して以来、東京は、中学時代の友人の結婚式のために一度帰って以来、訪ねたことがないからです。
商店街の小さな店が立ち並ぶ駅前、電車の車内や走るときに立てる音、愛媛の小さな町や旅行で訪ねた他の日本の町とはどこか違うなつかしい風景や音を、懐かしみながら映画を見ました。
一方、校舎のつくりや教室内の様子は、東京でも愛媛でもびっくりするほどよく似ていて、映画を見ながら、予鈴やチャイムの音、野球部の練習、緑色の黒板や廊下、窓、蛍光灯のつくりなどを、ああそう言えばと、ひどく懐かしい思いで、見たり聞いたりしました。
バイオリンづくりを学びにイタリアのクレモナへという若者の夢を、かつて見たときはきっと驚きながら聞いたことと思います。イタリアに暮らし始めてから、ブロガー招待を受けて、ボローニャ県ピエーヴェ・ディ・チェントの弦楽器製作工房を訪ねたときも、映画の主人公が恋する少年同様に、クレモナの学校でバイオリンづくりを学ぼうという志に燃える日本の方が、まずはイタリア語を学ぼうとペルージャ外国人大学で学ばれていたときに、イタリア語の個人授業を通して、入学手続きのお手伝いもしたときも、この映画にクレモナでのバイオリン製作学校で学ぼうという少年が出てきたことは、すっかり忘れていました。
というわけで、東京の風景や学校の校舎や校内の活動に郷愁を覚えつつ、イタリアに来てからの経験でより理解しながら見られたように思います。主人公たちと共に、わたしもいくつもの場所と時を共に再び訪ねられたようで、いつにない不思議な映画鑑賞となりました。DVDを買っておいてよかったな、年明けに見られてよかったなと、心から思いました。
関連記事へのリンク / Link per gli articoli correlati
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- 宮崎映画DVD@アマゾンイタリア、日本語・イタリア語学習にも / Film di Hayao Miyazaki per chi studia il giapponese, versione italiana anche per gli apprendenti giapponesi di italiano L2 (3/5/2016)
参照リンク / Riferimenti web
- Amazon.co.jp - 『耳をすませば』 [DVD]
- Amazon.it - Film DVD, "I Sospiri del mio Cuore"
今年もどうぞよろしくお願いいたします^^
このお正月は家にこもっているので私もタメ録の映画を見ています。
一度見た映画でも年齢や状況で感動した場面や記憶に残るところも違ってきますね。
「耳をすませば」もTVで見ましたけどあまり覚えてないんです。でもなおこさんのおかげでよみがえってきました^^
この前イタリア特集で「天空の街」を放映していてそれが「ラピュタ」のモデルと知ったのでまた見てみようかなと思っています。
ジブリはイタリアでも人気なんでしょうね。
長くなってしまいました、、
またオジャマします。
なおこさんにとっての東京の町というのは、住んでいたまさにその町なのでしょうね!
私にとっては、親戚の家がそうであるように・・・
映画館で見るのとは違いDVDだと何度も見たい場面を繰り返し見ることが出来るのも良い点ですね♪
私が中学生くらいの時に一大ブームになり、特に、天沢聖司くんのまっすぐな、好青年な姿が女の子に大人気でした♡あんな好青年がいたらなぁ♡と今でも思います(笑)♡
なおこさんは既にご存じかもしれないですが、この映画の舞台は聖跡桜ケ丘なんだそうですね。いつかは聖跡桜ケ丘にロケ地巡りに!と願っているのですが、日本にいる間、とうとう行かず仕舞いでした…
ジブリの風景と言えば、昔の横浜が舞台の「コクリコ坂から」は、特に風景描写が素晴らしく、私の母や伯母が、当時を懐かしく思いだしたと言っていました。未だでしたら、ぜひご覧になってみて下さい。
本についてはよく年齢によって得るもの・感じるものが違うと言いますが、映画でもそういうことがあるのだなと、今回はつくづく感じました。わたしは『耳はすませば』は主題歌のメロディーやリフレインが記憶に残っていますし、高校生・大学生、そうして社会人になってからも、ジブリの映画は出れば映画館に見に行っていたので、劇場公開で見たはずなのですが、びっくりするほど内容を覚えていません。もう20年近く昔の映画なんですね。
チヴィタ・ディ・バンニョレージョに似た凝灰石(tufo)の岩山の上にそびえる村や町はイタリア中部には多いのですが、今回日本でのイタリア特集で紹介されていたんですね。宮崎アニメはイタリアでも、公開する映画館や日数が限られがちですがファンの間では人気があります。わたしの個人授業の生徒さんも一人は大ファンで、それが日本語を勉強しようと思った動機の一つのようです。
日本の学校の風景やあいさつなど、文化を紹介するのに、日本語の授業にも使えそうで、そういう意味でDVDはありがたいです。
舞台のあの高台からの眺め、すばらしいですね。コクリコ坂からはわたしもつい数か月前に、イタリアでDVDを買って夫と見たように覚えています。風景が美しいですよね。なるほどご家族の思い出の風景と重なる場面が多かったんですね。
sono felice!