イタリア写真草子 ペルージャ在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

外国語を話し学ぶのに大切なこと、英語雑誌バックナンバーから

 わたしが肩のリハビリに通うカイロプラクティック院には、以前から、イタリア移民の子供としてベルギーで生まれ育ち、大人になってからイタリアに戻ったので、フランス語とイタリア語のバイリンガルの女性が勤めていたのですが、最近新しく入ったイランの若者も、イギリス・イタリアで大学などに通って理学療法士の資格を取ったので、母語の他に英語やイタリア語が話せます。そういう職場で働くためでしょう。わたしの肩を担当してくれるイタリア人の青年療法士も、時代の先端を行く療法を学ぼうと、英語の論文などを読む機会は日頃からあるようですが、もっと英語の文法の基礎や会話を勉強したいと、先日言っていました。

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4/12/2011

 最近こそ、ディーパク・チョープラの瞑想講座や読書、英日翻訳の仕事を通じて、英語に接する機会が増えてきたわたしも、イタリアに暮らし始めて一度、英語力の低下に、「これではいけない」と思い、英語での読書を心がける一方で、『English Journal』を日本から年間購読して取り寄せたり、英語の授業に通ったりしたことがあります。上級とはあまりなレベルに、通うのをやめた学校で存在を知ったイタリア人向けの英語音声学習雑誌、『SpeakUp』を、発音はゆっくり気味ですが内容が興味深いからと、1年間年間購読したのですが、もう長いこと聞くこともないまま、本棚で眠っていました。音声が1時間ほど吹き込まれたCDも、そのスクリプトが書かれ、イタリア語による語彙の解説がある雑誌も、片づけのために捨ててしまおうと思いつつ、だれかの役に立つかもしれないと、取ってはおいたのですが、お世話になっている療法士さんが、英語を勉強したいと言うのを聞いて、この雑誌が役に立つのではないかと思いました。

 ヒアリングマラソン同様、1か月に1枚のCDを何度も聞いて耳を慣らし、雑誌で聞き取れているかどうか確認し、知らなかった言葉や表現を勉強するのが望ましいと思うので、毎月1か月分、わたしがあげるから勉強してみてはと、勉強法を説明したら、「自分で買ってもいいけれど、くれるというならぜひ。」とのことです。今日うちに帰ってさっそく、一番古い号のCDを、あげてしまう前にと、たまったアイロンがけをしながら、途中まで聞いてみました。

 もう7年近く前の英語学習誌の付録音声CDなので、聞いてみて、覚えがあるところもありますが、初めて聞くかのように、おもしろいなと思いながら、耳を傾ける部分も多くありました。何となくだいたい分かるからと、恥ずかしながら、雑誌で理解できたかどうかの確認に、スクリプトを読むことがほとんどなかったために、忘れてしまっていることが多いのだと思います。

 閑話休題。マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』は、単なる少年向けの物語ではなく、社会的にも大きな意義があったのだとか、名前も覚えていない英国首相の話のほかに、外国語学習について、これはいいなと思う話がいくつかあったので、今日はそれをかいつまんでご紹介します。家事をしながら聞き流しただけで、まだスクリプトを確認していないので、わたしがいいと思った要点のご紹介になります。

 一つは、外国語を話すとき、「文法は間違っていてもいいけれども、相手に失礼になってはいけない」ということです。英語を話すにあたって、礼儀正しく、相手に対して敬意をきちんと示すために大切な言葉として、please、sorry、thank youの三つを取り上げて、説明していました。旅行では、これはわたしが言葉が不自由なフランスで旅するときも、言葉は知っているイタリアで旅するときもそうですが、道の行き方など、何かと現地の人に質問をする機会が多くなります。そういうとき、質問やお願いの前後に、必ずpleaseを添えること、でなければ、命令になってしまって礼を欠くことになるという言葉が印象に残りました。pleaseは中学校で英語を学び始めるときから、すぐに習う表現ですが、それが実際に英語でコミュニケーションをする上で、いかに大切かということを、改めて思いました。フランス語では、英語のpleaseにあたるs'il vous plaîtを必ず使うようにと、よく聞いたのですが、確かにフランス語や英語に限らずイタリア語でも、「どうぞ」を意味する言葉、pregoやper favore、per piacereを添えないと、命令口調で失礼な言い方になってしまいます。

 もう一つ印象に残ったのは、語学学校の先生の話で、「自分が学ぼうと思う言語を話す国や文化に対して、心の壁があり、受け入れたくない気持ちや侮蔑する気持ちがあると、それがフィルターになって、学習してもなかなか身につかない」というようなことを言っていました。その先生が言うほど、その点ばかりが肝心なのではなく、他にも外国語学習でより成果を上げるために必要なこと、学習を妨げてしまうことはあるのですが、こういうこともあるのだと、多くの方に知っていただく必要があるかと思い、ブログの記事にこうして書いておくことにしました。

 次のリハビリ通院の火曜までに、できれば一とおり聞くだけではなく、スクリプトにも目を通しておこうと思うほど、興味深い内容が多いので、驚きました。

 写真は、記事の話題が英語ということで、2011年冬のロンドン旅行の際に、地下鉄の中から撮った駅の写真です。

関連記事へのリンク
- イタリアで英語学習、英語学習者向け月刊誌、『SpeakUp』 (31/3/2011)
- 英伊仏ヒアリングマラソンと注意点 (25/1/2013)

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2017-01-28 21:30
なおこさん、私はイタリアは3回しか行ったことがないのですが、毎回イタリアで思うことは、pregoと言っていただく機会が多いということです~(^_-)-☆
最初は、どういう意味か解らずに聞いてましたが、なんとなくpregoをつけて言っていただくと気持ちが良い感じがしました♪
意味を知ってからは、尚のこと!
なので、英語の場合は、pleaseなのですね~
ちょっとした気遣いで気持ち良くなれるのであればそれに越したことはないですね(^^♪

最近日本の大学では、TOEFLの点数で英語の力量を量るのが主流で大変みたいですよー
特に大学院なんかは、必須みたいです!
Commented by milletti_naoko at 2017-01-30 00:01
寝る前にさっと書いた記事なので、今アリスさんのコメントを読んで思いついたのですが、実はイタリア語のpregoは、英語よりも守備範囲が広く、ドイツ語のbitteと同じで、「お願いします、よろしければ。」のほかに、「ありがとう」に答えて、「どういたしまして」という意味のこともあれば、「どうぞ」と、これは英語と同じですが、人に何か勧めるときに添えるのにも使いますが、いずれにしても、人と人をつなぎ結ぶ会話やコミュニケーションがより円滑に温かくなるための潤滑油的役割を果たしているなと感じました。

日本の大学に最近そういう傾向があるとは、びっくりしました!
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by milletti_naoko | 2017-01-27 23:59 | ImparareL2 | Comments(2)