2017年 04月 06日
ごはんがすきです、日本語授業と和食恋しいイタリア生活
「すきです / すきじゃありません」という表現を、日本語の授業で復習するのに、教科書の例文やでっちあげた文よりも、わたし自身や生徒さんも知っている人について述べた方がよかろう、教科書の同じ課に出てくる語彙を使った方がよかろうと、まずは自分について、こういう文を書いてみました。
「パンは好きじゃありません。」とは、あくまでそういう学習効果をねらう意図から書いた言葉ではあるのですが、イタリアに長く暮らすうち、自分はごはんの方がずっと好きであって、パンはできれば避けたいという気持ちになってきました。バールで食べるクロワッサンやシュークリーム、日本のパン屋でよく売られている卵などが入った調理パンは好きなのですが、ウンブリア州の人で、pane(パン)という言葉を聞いて、そういうものを思い浮かべる人は少ないと思います。
夫が生地をこねて、窯で焼いたパンはおいしいし、義母が作る復活祭用のパンも、そうしてブルスケッタもおいしいのではありますが、「ごはんの方がずっと好きだ」とは、他人との食事や外食では、パンしか選べぬことが多い生活が長くなって、初めて気づけたような気がします。
実際、小麦を挽いて粉にして、さらにその粉で作った生地を熱して作るパンやパスタに比べると、収穫された米を炊きさえすれば食べられて、加工が少ないごはんの方が、栽培・収穫・加工方法にもよりますが、健康にいいし、消化によいとは、イタリアでもよく読んだり聞いたりしてきました。さらに遺伝から、わたしたち日本人の体には小麦よりも米の方が合っているようだ、ということも。
イタリアで留学生活を始めたばかりの頃は、「郷に入れば郷に従え」、文化や慣習も受け容れようとばかりに、数年ほど、たとえばホームステイ先で、食事を共にするにしてもしないにしても、ずっとイタリア料理を食べていました。日本では炊飯器でしか米を炊いたことがなかったために、イタリアで鍋で炊こうとは、初めは思いもよらなかったということもあるのですが、友人や知人が鍋で手早くごはんを炊くのを目にしたり、人に頼まれて日本食を作ったりするうち、やはり自分は日本の味に飢えているのだ、和食が恋しいし、体にも合っているのだと気づき、よくごはんも炊くようになりました。
うちの夫は、週に何度かは昼食を食べにうちに帰ります。そういうときは、主にパスタを食べるのですが、わたし一人で食べるときは、近年では、ごはんを食べるようにしています。夕方も、肉や魚、豆腐、野菜料理にポタージュやみそ汁など、おかずを準備して、夫はパンと、わたしはごはんと食べるようにしています。
「AはBが好きです。」という文の構造が、日本語とイタリア語ではかなり違うため、まずは例文や聴き取り練習・会話練習を通して、意味や使い方を把握してもらおうと思うのですが、その後で、理解できたかどうかを確認し、また、さっと復習できるように、こんな表も作ってみました。
大学生が相手の授業のときは、日本のアニメや漫画に興味がある学生が多いので、「あなたが好きです。」と、「好きです」という言葉は、恋の告白によく使われるんですよなどと言うのですが、明日の授業は2時間で時間があまりない上に、生徒さんがわたしとほぼ同じ年の社会人ということもあって、今回は割愛するつもりでいます。
義弟の奥さんはエクアドル人です。義弟と共に明朝早くに帰国する彼女に、祖国の家族へのおみやげをと夫と出かけたほか、今日はあれこれと外で済ませなければならない用事が多かったため、明日の授業の準備が終わるのがすっかり遅くなりました。明日は朝8時から肩のリハビリで、そのあと帰宅して着替え、授業が終わるのが午後2時と遅いため、昼食のしたくをしてから、学校に授業をしに出かけます。インスタグラムへの写真の毎日一投稿は今日はあきらめますが、明日からはもう少し時間配分を考え、一つひとつノルマを果たし、早寝早起きできるよう努めたいと思います。
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すきです(sukidesu) è un'espressione che si insegna a scuola in questi giorni. Come esempio per lezione di oggi ho scritto: "Mi piace il riso. Non mi piace il pane. A ... piace il pane." Non è che non mi piaccia veramente il pane, anche se preferisco senz'altro il riso, ma volevo usare solo le parole che si trovano nei manuali da noi adottati. Invece, in realtà trovo buono il pane che fa mio marito al forno a legna, buona la torta di Pasqua fatta da mia suocera e mi piace molto la bruschetta.
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家の夫も、なおこさんが仰るようなことをよく言います。
日本人には、やはりご飯が遺伝的には合うと!
私も、40代前半くらいませは、朝食にパン食ばかりを選んで来ましたが、最近は、特別に焼いた時くらいしかパン食はしなくなりました!
なのでブログで登場する私のパンは稀なパン食なのです。
最近の朝食は、ご飯と納豆は欠かせません!初めは健康志向から初めましたが、今では味覚的にも大好きな朝食です♡
イタリアに暮らすなおこさんが、和食を大切にしてることにも感化されたと思います♪
いつも、ありがとうございます♪
外国語をまず覚えるのに、「私は、あなたが好きです」というのをまず覚えていた昔を思い出す今日の記事に共感いたしましたよ(*^_^*)
そう言えば、「愛しています」って、どの外国語でも最初に覚える言葉の一つですよね。結局、授業中はこの点にも言及して、生徒さんがおもしろそうに聞いていました。イタリア語でも恋の告白で「好きです」(Mi piace)とは言うけれど、日本語の「好きです」ほどの重さや真剣さはないのではないかなどと、互いに話しながら。
パンは、僕もあまり食べません。なので、人を評して「buono come il pane」という表現がいまいちピンとこないんですよねー。
質問なのですが、表の中のSとLは何かの略ですか?それと、「嫌い」を同時に導入しないのは、この教科書の日本語の使い方への配慮でしょうか。
「すきです」がかなり早い段階で出てくるのに、「きらいです」はこの次の課に、しかもいきなり「きらいな」という形で登場します。確かに「きらいです」ははっきり言ってしまうと、感情を害する日本の方も少なくないでしょうし、それはわたしも、他の教科書で教えるときに、「好きじゃありません」の方が角が立たないとは言うのですが、そういう配慮からかもしれませんね。