イタリア写真草子 ウンブリア在住、日本語教師のイタリア暮らし・旅・語学だより。

悩んだ末にPostemobile、イタリア スマホ契約

 2002年4月初めまで暮らしていた日本では、高校で教えながら、職場でも携帯電話を持つ人が増えていたのですが、買おうと思うことはなかったように覚えています。英語の勉強仲間である社会人の友人から、勤める会社にポケベルを持つことを余儀なくされ、緊急事態が発生すれば24時間いつ呼び出されるか分からないと聞いて、驚いたのが、日本を発つ数年前だったでしょうか。

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Urbania (PU) 27/8/2011

 わたしが初めての携帯電話を買ったのは、イタリアで最初に暮らしたマルケ州のウルバーニア(Urbania)という小さな町の店でした。確かそのとき同伴してくれた友人がVodafoneを利用していたという理由で、事情をよく知らなかったこともあり、あまり悩んだり考えたりせずに、すぐに店に行って、同じ店で携帯電話を購入し、通話プランも契約したように覚えています。

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Centro storico di Perugia (PG) 12/4/2014

 2002年9月の下旬から暮らし始めたペルージャで、2003年に知り合って、翌年の春頃からつきあい始めた夫も、たまたま同じVodafoneを長く使っていました。2008年の晩秋の頃、きっとその頃までに、携帯電話の利用者が増えて、料金が下がってきていたからでしょう、ある日イタリア郵便局で、他の電話会社で使っていた番号を引き継いで、ずっと安い料金で契約できることを知って、夫ともども郵便局が提供する携帯電話サービス、Postemobileを利用することにしました。イタリア語では、scatto alla rispostaと言われる、相手が受話器を取ったということのためだけに、時間に比例する通話料金に加えて徴収される変な料金を取るプランが、それまで見聞きしたイタリアの携帯電話の通話プランには多く、今も存在するかのですが、Postemobileに乗り換える人用特別プランには、そういう妙な加算料金はありませんでした。さらにそのプランでは、通話料金が、どの電話会社の番号にかけても一分間の通話は一律11セントで、それまで確か1分あたり26セント払っていたわたしにとっても、携帯電話が出始めた頃から契約していたため、昼間はなんと1分の通話に38セントも払っていた夫にとっても、ずっとお得でした。長い間わたしたちが、電話料金はこういうものかと思い込んでいた間は、いっさい値下げをしなかったVodafoneが、郵便局で契約会社変更の手続きをしたとたんに、「この先2年間は1分8セントの通話料金でいいですから。」と、電話をかけてきたりもしたのですが、2年後はではどうかということもあり、以後はそのままわたしも夫も、Vodafoneにはさよならして、 Postemobileを愛用しています。ただし、イタリア語学習メルマガを書き始めた頃だけは、まだうちではADSLの契約をしていなかったので、数年間、わたし個人が、インターネットを使って自宅で仕事ができるように、Vodafoneのインターネット利用サービスを使っていました。

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Castello di Fénis, Fénis (AO) 16/8/2016

 昨年の夏は、ヴァルダオスタ旅行に間に合うように、スマートフォンを購入し、各社のサービスを比べて比較検討した末に、料金的にもサービスの面でも、Postemobileがよさそうだと、うちで考え、WIndの店で冷たくあしらわれた後に決めました。最初は、以前の番号を通話のみに利用し、スマホ用にはインターネット利用のみのサービス契約をしようと考えて、新たな契約をしたのですが、のちに、通話・SMSも含んだお得なプランがあったので、その契約をし、今はもっぱらこの通話・SMSを含んだプランのSIMをもっぱら使っています。郵便局の多くのスマホプランでありがたいのは、ricaricabileと言って、契約期間の単位である4週間が過ぎる前に、料金をチャージすれば、そのまま同じサービスを利用できるものの、もしまったく必要としないようであれば、そのままチャージしないで放置しても、口座やクレジットカードから料金を引き落とされることもなく、使わないなら、そのまま長期間使わなければ契約が消滅するけれども、だからと言って料金を取られるわけでもなく、また11か月だったか12か月だかが過ぎてしまう前に、4週間だけでも必要料金をチャージすれば、以前のプランをそのまま利用することができるのです。

 ただし、その番号を使って何もしないのであれば、余分な課金はいっさいありませんが、契約を維持するのに必要な新たな4週のプラン料金を払わずに、通話をしたりインターネットを使ったりすると、どちらの利用に対しても、割高な料金を請求されますので、ご注意ください。

 閑話休題。昨年秋から、わたしがもっぱら利用している料金は、4週間10ユーロで、インターネットは2GBまで利用できる上に、残りのcredito1000は、データ通信や通話、SMSの送信など、自由裁量で使うことが可能です。1 creditoでは、1MBのインターネットにおけるデータ通信、1分間のイタリア国内の普通の電話番号であれば(特にサービス料金を必要としない)あらゆる業者の携帯電話や固定電話との通話、あるいはSMS一つの送信ができます。

 7月30日までに申し込まなければいけないプランでしたが、この夏の初めだったか、4週ごとではなく、12週ごと、24週ごとに、更新料金をまとめ払いして、チャージする契約をすれば料金がお得になるCreami RevolutionというプランがPostemobileから出ていて、7G+1000 creditiが24週ごとに払えば、4週あたり8ユーロでいいとのことで、安いし、旅先やミジャーナでも、例えばカーナビ代わりなどに、好きなだけ使えそうだし安いと、気になってはいました。けれども、自分が好きなときに、チャージしないことで、利用を停止できる、あるいは別の会社や同じ郵便局の別のプランにも乗り換えが可能である4週間ごとのricaricabileの便利さは手放せないと考え、踏みとどまりました。

 その後、おそらく他の電話業者が、客を集めようと安い料金プランをいろいろと提示してきたためでしょう、7月の半ばに、今度は次のような8月31日まで限定の、オンライン申し込みでのみ可能な料金プランを、Postemobileが発表しました。

 インターネットでのデータ通信が5GBまで可能で、credito 500を、電話・データ通信・インターネットに自由に振り分けて使えて、しかも4週間7ユーロではありませんか。しかもこれまでの契約同様、4G通信を、追加料金なしに利用できます。「電話とSMS」に振り当てられるcreditoは半分に減りましたが、メッセージなら、SNSの方が手軽なので、最近はSMSはほとんど使っていませんし、電話も月に500分も話すことは、授業の打ち合わせを頻繁に行わなければいけない時期を除いては、めったにないと思います。同僚の先生方と電話で話し始めると、30分、1時間と長くなってしまうことが少なくないのですが、その場合も、たいていは固定電話への電話はかけ放題のプランを利用している固定電話からかけています。

 つまり、わたしにとっては、今よりもずっとサービスのいいプランが、4週ごとの料金が、現在の10ユーロよりも3ユーロ安い7ユーロで提供されているのです。

 値段とサービスだけの問題であれば、この申し込み期間限定プランにすぐに申し込んだのですが、一つだけ、わたしにとっては重大な、気になる問題がありました。このプランは、新たしい契約者のみ対象であるため、別の業者から乗り換える場合には、元の電話番号をそのまま使うことができるけれども、すでにPostemobileの利用者である場合には、新しい番号を新規契約という形でないと利用できないために、このプランを選んでしまうと、電話番号が変わってしまうということです。スマートフォンで、インターネット利用のみ対象の電話番号と、データ通信・通話・SMSも可能な電話番号を同時に使い分けた時期があるために、すでに友人・知人を、番号の混乱でとまどわせて、迷惑をかけていたようだったからです。でも、4週間3ユーロの差は、1年間では約50ユーロにもなりますし、データ通信で使える量も、このプランの方が多いのです。

 今の番号を保つために、WindやVodafone、Tim、3(tre)などのスマートフォン向けのインターネット・通話プランも見てみました。多くの業者で、Postemobileの番号をそのまま使って契約できるプランを出しています。ただ、一番お得で、かつ好きなときにいつでも利用をやめたり一時停止したりできる点で便利なのは、やはりPostemobileのCreami 5GB Wowだと考えて、今朝ようやくオンラインで注文しました。決める前に、利用者の意見を参考にしようと、いろいろな電話業者のfacebookページを見ると、どのページでも、契約者が本当に困っているのか、それとも他の業者が足を引っ張ろうと悪評価をだれかに書かせているのか、不満を訴えるコメントが目立ちました。Postemobileについても、驚くほどひどい評価をしている人が目立つのですが、わたしも夫も気に入っていて、さして不便がないので、その点では迷いはありませんでした。


 この夏、ヨーロッパ連合内では圏内のローミング料金が撤廃されたために、たとえば確かWIndで気になったプランでは、9月上旬までに申し込めば、一部の国を除く欧州連合の多くの国で、プランで提示された範囲内の通話やSMS送信、データ通信を、イタリア国内と同様にできるとありました。それなのに、Postemobileのプランでは、通話は外国でもイタリア国内でかけられるのと同じだけできるけれども、データ通信は、イタリア国内では5GBの所が、欧州連合の多くの国で利用はできても1.5GBを超えると、超過料金が取られるとのことなので、しばしば外国に行かれる方は、他の業者のサービスを利用された方がいいかもしれません。わたしはヨーロッパの他の国に出かけることはまれですので、そういうときは、できるだけWifiのある宿を利用するなどして対処し、どうしてもさらなるデータ通信が必要であれば、その国で短期間だけ利用できるサービスがないかどうか探してみるつもりでいます。ちなみに、Postemobileの場合、イタリアから欧州連合の他国にかける場合などには、もっと高い別料金が、別枠で請求されてしまうようです。

 ちなみに、オンラインのみで申し込み可能のこのPostemobileのCreami 5GB Wowには、税務番号(codice fiscale)と住民票(residenza)のある住所が必要であるため、この二つがないと申し込みはできません。ちなみに、かつてVodafoneで契約したときには、どちらも持っていなかったのに、店頭で契約することができたように覚えています。オンライン注文であるために、本人についてしっかり身元が確認できる書類が必要だということでしょうか。

 配達業者が新しいプラン用のSIMを配達してくれて、そのときに本人がその場にいて、オンライン申込書に記載した身分証明書のコピーと、15ユーロと引き換えに、SIMを受け取ることになります。明日は肩のリハビリがあり、買い物もしようと考えていたのですが、わたしがいるときに配達の人が来てくれますように。あさっては日本語の授業があるのですが、個人授業がある間に来られてもまた、生徒さんに失礼なので困るのに、業者が来る日時を特定できない、それが困ったところです。

Articolo scritto da Naoko Ishii

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Commented by ayayay0003 at 2017-08-22 14:22
なおこさん、今は、スマホの契約もお得な料金設定が出てきて悩むところが多いというのは日本でも同じようです~
私は、スマホではなく柄携帯なので、ひと月1500円程の通話代と、タブレットの980円でインターネットとSNSなどのデータ通信を利用しています。
イタリア旅行では、アマゾンでヨーロッパで使える3GBまでのデータ通信が出来る3カ月有効のSIM(2700円)を買って旅行に出掛けたのですが、唯一サンマリノ共和国では使用出来ませんでした!国が違うので当てはまらなかったのか?
ほんとは、旅行者が利用出来るSIMをイタリアのタバッキとかで購入するのが良いみたいですが情報がないので、今回はアマゾンで事前購入した次第です~
タブレットがホテルのみではなく、外でいつでも使えると、バスの時刻の検索や地図(ナビ)が使えるので大変便利でした♫
旅行者向けの情報もあれば、凄く助かりますが、在住者とは違うようなので、なかなか難しいですよね~!
Commented by milletti_naoko at 2017-08-23 00:05
アリスさん、料金がめまぐるしく変わる上、今はヨーロッパでは、新しい法律に準じて、欧州連合内の他国でも、旅先で同じ条件で通話やデータ通信ができることになったばかりです。イ大きな電話会社どうしの合併も最近あり、そういう関係で、しばらくはいろいろなプランがまた出ては変わっていくのではないかと思います。ヨーロッパで使えると言っても、おそらくは使えない国もいくつかはあるので、サンマリノもきっとそういう国の一つなのでしょうね。今回の法律はたとえばヨーロッパにあってもスイスには適用されません。今回の6月15日以降ローミング料金課金の撤廃によって、欧州連合内共通の、旅行者の方にも使いやすく手続きがしやすいプランが、出てくるといいのですが。

ちなみに、今回、自分がイタリアで利用している通話料金で、フランスやスペインで電話ができるようになったとは言っても、それは旅行中など一時的な滞在の場合であって、移住する場合には、新たに移住する先で、新たに契約を結ばなければいけないようです。
by milletti_naoko | 2017-08-21 23:54 | Sistemi & procedure | Comments(2)